ヘリテイジ&レジェンズ|Heritage& Legends
  • お知らせ
  • ニュース&トピックス
  • 連載コンテンツ
    • ザ グッドルッキン バイク
    • Goods Front Line
    • GoGo!! 2ストローク
  • スペシャルコンテンツ
    • 特集記事
    • 俺のグッドルッキン
    • プレゼント応募
  • 会社概要
MOTOTECH GSX750S(SUZUKI GSX750S)

油冷&ユニットプロリンクサスで大幅進化した3型カタナ

MOTOTECH GSX750S
(SUZUKI GSX750S)

取材協力:Garage Mototech(ガレージモトテック) TEL054-335-8190 〒424-0926静岡県静岡市清水区村松624-38
URL:http://aragosta-mc.jp/
2023年 10月 18日
手元のパーツで組んだとは思えない高い完成度と巧みな手法

1100でも750でも、空冷カタナへの油冷エンジン搭載は、手頃な高出力化の手法として活用されてきた。この3型750カタナも一見同様に思えるが、少し事情が違う。ガレージモトテックの杉山さんに内容を聞こう。

「まず、3型カタナ(GSX750S3)に乗られていたお客さんがバイクを降りられて、持っていたパーツやフレームごと車両を当店で譲り受けて保管していたんです。その後、Team KAGAYAMAがカタナでTOTハーキュリーズに参戦する時(2018年SATSUKI STAGE〜)に当店もジョイントしました。するとそのお手伝いをしてくれる人が“あのカタナがほしい”と言う。いやいや、買えるものじゃないんだけどとは思いましたが、近い人の依頼ですし、あれはレーサーだからそのままイコールでなくてもいい。じゃあせっかくならと冒頭の3型と、手元にあったパーツで作りました」

KAGAYAMAカタナ(「KATANA1000R」という名称)はオリジナル鉄フレームにGSX-R1000エンジンと足まわりを載せて、カタナ外装を加えたレーサーで、都合3タイプが作られた。

「その3種類あった車両のうち、最初に作られたタイプ1。これはCBR600RRのスイングアームとユニットプロリンクを使って作ったのですが、そのデータも手元にありましたので、参考にして製作しました」と杉山さんは続ける。KATANA1000Rはいわゆるカタナの形、こちらはリトラクタブルヘッドライトの3型。だが、両車ともモノサス、レーサーはヘッドライトがゼッケンスペースとなり、青×黒のカラーリングを施すと、意外に雰囲気が近くなっていた。

「3型カタナ自体もモノサスなんですけど、フレームはショックマウントを作りにくい構造なので、マウント不要でスイングアーム側でサスが完結できるユニットプロリンクが良かったんです。ですから、スイングアームありきです。

ただスイングアーム幅が広くて、そのままだとアンバランスでしたから、予備の書類なし3型フレームをその対策と補強に使いました。本体になるフレームのスイングアームピボットまわりの外側に、もう1本のフレームを被せるように合わせて溶接する。これで外幅を稼いで、溶接後のフレームの内側はスイングアーム幅に合わせてくり抜く。これで形もそのまま、幅を広げられました」

車両をよく見ると、クランクケース後半あたりからフレームが広がって、ピボット付近ではケースと同幅に来ているが、これが溶接&加工部分ということ。なるほどと思える手法だが、これはなかなか思いつかない。ほかにも巧みな流用による構成が見られる。

「フロントはGS1200SSステムにCB1300SFインナーチューブ+’02〜VFR(800)ボトムケースのフォーク、RG51のホイール。

エンジンはバンディット1200で、ユニットプロリンクのおかげで周囲を気にせず自然な角度に積めてキャブの着脱もしやすい。オーナーは普通の方ですけど、FCRキャブで通年普通に乗れてますし、実際私が乗っても市販車のように違和感なし。まあスペシャルパーツでなくても、こんな車両が作れます。依頼があれば同じように製作はできるけど、補強用のフレームも持ってきて」(笑)とも杉山さん。

モチーフもベース車両もさることながら、車両の放つ上々の雰囲気がこうした創意工夫と各部パーツによって作り出された点にも注目したい一台なのだ。

【 ザ・グッドルッキンバイク記事一覧はこちら!! 】

 

Detailed Description詳細説明

フロントマスターはブレンボレーシング、ワンボディワンパネルのメーターはエースウェルACE-7652。クラッチは油圧の3型カタナ/バンディット1200から、あえてワイヤ駆動に。ステアリングステムはGS1200SSのものに打ち替えてφ37mmからφ43mmフォーク対応と16/17→前後17インチ対応を行う。

シートも内部/表皮/パターンとも現代カスタム的なものに作り直し、乗車感や操作感、足着き性などを高めた。

ブレーキランプ左右にリヤウインカーを備える一体テールライトなど外装は3型カタナ純正。テールには加賀山就臣さんのサインも入る。

エンジンはバンディット1200の1156cc油冷に換装し、クラッチはワイヤ駆動化。フロントスプロケット下付近でフレームがテーパー状に広がっているが、これはもう1本用意したGSX750S3フレームを外から合わせて溶接したため。その後ろ、ピボット部では2重フレーム状態をいったん作った上で元々のフレームの内側をくり抜いてスイングアームが入るようにし、チェーンラインを確保した。くり抜いたフレーム内側は再度ふさがれて強度も確保されている。

FCRφ39mmキャブレターはスポンジフィルター仕様で使い、電装はウオタニSP2。エンジン/キャブレターレイアウトには自由度があったという。

フロントフォークはCB1300SFインナーチューブ+'02〜VFR(800)ボトムケースによるφ43mmで、これは杉山さん/モトテックと親交のあるタジマエンジニアリングの手法を参考にしたとのこと。フロントブレーキはブレンボM-4キャリパー+ブレンボ・スーパースポーツディスクだ。

リヤブレーキはCBR600RRキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。排気系にはヨシムラ・デュプレクスチタンサイクロンエキパイ+ハヤブサ用サイクロンサイレンサーを組み合わせた。

スイングアームはCBR600RRのユニットプロリンク。フレームにはスイングアームと、リンクのひとつの端がマウントできれば済むため、これをベースに車両製作に至れた。ショックユニットはモトテックが扱い元のアラゴスタを使う。ホイールはVTR1000SP-2(RC51)の3.50-17/6.00-17サイズを履く。ドライブチェーンはRKの520XXWだ。

WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。

From our blog

  • 1200系めっきシリンダーの弱点を補い長寿&スムーズ化も考えたハイパフォーマンスシリンダー登場・トリニティガレージ ナカガワ08 5月 2025
  • 月刊ヘリテイジ&レジェンズ。
    2025年6月号(Vol.72)は4月28日(月)に発売!
    25 4月 2025
  • 身近な整備に役立てる新登場 &アップデートアイテムを紹介!/KIJIMA&SPICERR24 4月 2025
  • 【2025年4月29日(祝)】
    SUGO 2FUN SPRING STAGE
    ザ・グッドルッキンバイク撮影会のお知らせ
    18 4月 2025

ザ グッドルッキン バイク

  • ヨシムラジャパン Z900RS<br>(カワサキ Z900RS)

    ヨシムラジャパン Z900RS<br>(カワサキ Z900RS)

  • ACサンクチュアリー Z1000Mk.II<br>(カワサキ  Z1000Mk.II)

    ACサンクチュアリー Z1000Mk.II<br>(カワサキ Z1000Mk.II)

  • OCEAN’S TRACK CL500<br>(ホンダ CL500)

    OCEAN’S TRACK CL500<br>(ホンダ CL500)

  • Ninja-ga-ichiban GPZ900R<br>(カワサキ GPZ900R)

    Ninja-ga-ichiban GPZ900R<br>(カワサキ GPZ900R)

  • SP忠男×ナイトロン XSR900 GP<br>(ヤマハ XSR900 GP)

    SP忠男×ナイトロン XSR900 GP<br>(ヤマハ XSR900 GP)

ヘリテイジ&レジェンズ|Heritage& Legends

愛車とのバイクライフを、より豊かに楽しむためのアイデアを提供する新雑誌。 愛車をもっと知りたい、カッコよくカスタムしたい、そして上手に走らせたい…ライダーなら誰もが気になる情報をより広く、深く提供して参ります。

Content

  • お知らせ
  • ニュース&トピックス
  • 連載コンテンツ
    • ザ グッドルッキン バイク
    • Goods Front Line
    • GoGo!! 2ストローク
  • スペシャルコンテンツ
    • 特集記事
    • 俺のグッドルッキン
    • プレゼント応募
  • 会社概要

お知らせ

  • 1200系めっきシリンダーの弱点を補い長寿&スムーズ化も考えたハイパフォーマンスシリンダー登場・トリニティガレージ ナカガワ08 5月 2025
  • 月刊ヘリテイジ&レジェンズ。
    2025年6月号(Vol.72)は4月28日(月)に発売!
    25 4月 2025
  • 身近な整備に役立てる新登場 &アップデートアイテムを紹介!/KIJIMA&SPICERR24 4月 2025
  • 【2025年4月29日(祝)】
    SUGO 2FUN SPRING STAGE
    ザ・グッドルッキンバイク撮影会のお知らせ
    18 4月 2025
  • 【CUSTOM MACHINE IMPRESSION】ヨシムラが繰り出したZ900RSカスタムの最新究極形を味わう!17 4月 2025

Contact us

  • Address: 東京都中野区鷺宮3-44-8-101
  • Phone: 03-5356-8575
  • Email: info@handl-mag.com
©2019 H&L PLANNING Co.,Ltd. All Rights Reserved.

詳しい購入方法は、各サイトにてご確認ください。 書店によって、この本を扱っていない場合があります。ご了承ください。

 
 

弊社・株式会社H&L PLANNINGでも、銀行振込・現金書留での直接のご注文も承っております。

ご希望の場合は、必要事項(お名前、ご住所、電話番号)を明記の上、メールにてご連絡ください。 追って、お支払い方法と商品ご発送の流れを返信させていただきます。 メールアドレス:info@handl-mag.com ※ご返信まで数日を要すこともございます。予めご了承ください。お急ぎの場合は上記各サイトからのご注文をお勧めいたします。