市場の要求も取り込んだパーツ群で構成する
テールカウルやサイドカバーなど、アーキ製パーツを多く使ってシャープな印象を作り出すZ900RS。ここでは足まわりにも注目したい。
「車両全体は神戸のケイズプロ(https://www.kspro-kobe.com/ )でまとめてもらってます。足まわりは当社(アドバンテージ)で扱っているパーツです。ショーワ(日立Astemo)のBFFフロントフォーク、BFRC-liteリヤショックはどちらも圧力バランス変動を抑えていて、減衰応答性が高くてお勧め。
フロントブレーキキャリパーはニッシン・モノブロックで、当社ダイレクトドライブディスクに組み合わせています。ホイールも当社のイグザクトで、マグネシウム鍛造を履いています。軽くて芯もある感覚が出ていていいです。さらにリヤの6.00サイズがブリヂストンRS11タイヤとの相性がいいですから、ここでも見本として組み合わせました」
アドバンテージ・中西さんはこれらオリジナルパーツの概要を教えてくれる。RS11はラウンド形状も良く、純正でリヤ6インチ幅のホイールを履くNinja H2用に開発・販売したイグザクト6.25-17サイズホイールでも感触良好だった。
「ホイールで走りの質は上がりますが、タイヤの相性でももっと良くなります。その例だと考えてください。クラッチでも、アドバンテージF.C.C.を使う時はエンジンオイルはモチュール300Vファクトリーラインが相性がいいんです。この車両でもアドバンテージF.C.C.トラクションコントロールクラッチキットと強化スプリングとともに300Vファクトリーラインを入れています。
Z900RSの場合はA&S(アシスト&スリッパークラッチ)が純正で入っていて、ストリートでは使いやすくてとてもいい。ただスポーツ走行などを突き詰めていくと、ベストではないケースも出てきます。それでこのクラッチキットを作りました。フリクションとクラッチのプレートを1枚ずつ増やし、ジャダースプリングも形状を変えて。シフト操作もリニアになります。市場からの要求を形にしたものですよ」
単に作るだけでなく、進化を続ける市販車やその使われ方にも柔軟に対応していく。人気のあるZ900RSだからこそ出てくる要求幅の広さにも応えたパーツ、その意味も分かる。
Detailed Description詳細説明
ロングテールカウルや専用タンデムグラブバー、スライトリヤフェンダーはZ900RSパーツでも人気の高いARCHIブランドを使っている。
カーボン製サイドカバーにメッシュインテークを設けたD.B.I.(ダブルバブルインテーク)や「Z948RS」エンブレムもARCHIのパーツだ。
ステンレスエッチングによるラジエーターコアガードやアルミ削り出しのラジエーターキャップにもARCHIパーツを使うことで統一感を増す。
エンジンは948ccのZ900RSノーマルで、本文のようにアドバンテージF.C.C.トラクションコントロールキットと強化クラッチスプリングを組む。オイルはこれらと相性がいいとアドバンテージ・中西さんも言うモチュール300Vファクトリーライン ROADの10W-40を入れている。
減衰応答性の良さが反応の良さをうまくライダーに伝えるというフロントサスペンションはショーワBFFフロントフォーク。フロントブレーキはアドバンテージ・ニッシンモノブロックキャリパーにアドバンテージ・ダイレクトドライブディスクφ320を組み合わせる。
リヤショックユニットはショーワBFRC-liteリヤショックに換装。リンク類はノーマルだがこちらも減衰応答性がいいとのことだ。
リヤブレーキは純正片押しキャリパーにアドバンテージ・ダイレクトドライブリヤディスクφ250を組み合わせる。排気系はノーマルのまま。
スイングアームもZ900RSの純正品。ホイールはマグネシウム鍛造のアドバンテージ・EXACTレーシング10で、純正からリヤの幅を1サイズ拡大した3.50-17/6.00-17インチをセットする。相性がいいというタイヤはブリヂストンRS11で120/70ZR17・190/55ZR17サイズを履く。