第2世代ラストの新車をベースに手を入れて納車する
「この車両は現行モデル(第3世代)の発売直前に来店されたオーナーさんから“この形(第2世代)の方が好きだから”と、新車状態から当店のバージョンアップ・コンプリートのオーダーをいただいたものです」。
テクニカルガレージRUNの杉本さんがこう言う車両。赤×白のカラーは’18年モデルの海外仕様(モトマップが当時正規輸入)で、同店でも、おそらく国内でもラストとなる第2世代ハヤブサ新車だった。
多くのハヤブサをコンプリート化してきたRUNだから、手を入れるためのノウハウは十分。それをきっちり生かして仕立てられた。
「オーダーは基本“おまかせ”。オーナーさんはブレンボやオーリンズなどの高性能パーツの愛用歴も長く、さまざまなマシンを乗り継いだベテラン。そんな方が自らリサーチした上、遠方からいらして、当店にご指名をいただいてオーダーをしてくださった。
もちろんその際に車両の理想や、使い方についてのディスカッションも重ねたわけですが、パーツのセレクトや使い方は特に難しいということはなく、今まで当店でやってきたような、作動や特性の上質化や軽量化をきちんと投影して作り込みました。
車両が出来てセットアップも済ませるとまとまりも良くてコンパクトでシャープになって、“ハヤブサっていいな”と自分でも再確認しました」とも杉本さん。
もちろん新型を楽しむのもいい。でも好きな年式のモデルがあるのなら、それをより好みの状態にスープアップしてセッティングを詰めることでオーナーの楽しみは深められる。ハヤブサやGSX-Rシリーズ(水冷各車だが、油冷も加えていいだろう)はその傾向が強く、同店はそれぞれの世代のモデルをそのように仕立ててきた。
この車両にもその思想が適用されたが、新車状態からコンプリート化されたことで、“より軽く、より精度の高いハヤブサ”という状態を深く楽しめるようになっている。なんともうらやましい1台だ。
Detailed Description詳細説明
カウルは2018年型ハヤブサの純正新品状態。この白ベースと、黒ベースがモトマップ扱いの第2世代最終型となった。左右マスターシリンダーはブレンボ・ラジアルビレットでレバーピンはTG-RUNチタン。レバーピボットのセーフティ加工等もしっかりと行われている。
メーターやトップブリッジ、ハンドルまわりも第2世代ハヤブサのノーマル状態。デイトナUSBポートを追加し、ユーティリティを高めた。
燃料タンクやシートもハヤブサノーマルの新品状態。シートに関してはTG-RUNスポーツ&コンフォートシートへの換装も効果的だ。
1340ccの水冷4気筒エンジンやフューエルインジェクションはハヤブサノーマルで、ラジエーターコアガードを追加している。
ステップキットはウッドストック。アルミツインスパーのフレームにはマジカルレーシング製カーボンフレームカバーが追加される。ハヤブサの基本的な部分は生かしながら、軽量化や高質化によって運動性をしっかり高めているのだ。
フロントフォークはオーリンズFGRTでフロントブレーキはブレンボ・レーシングキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドという組み合わせで、ここで使っているゴールドカラーなど、各パーツのカラーもオーナーの希望通りに合わせているのもポイント。
リヤブレーキはブレンボGP2SSキャリパーとサンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。排気系にはヨシムラ・2エンドチタンサイクロンをチョイスした。
リヤショックはオーリンズTTX。ホイールはマルケジーニM7RSメタルで3.50-17/6.00-17サイズ。βチタニウム製64チタンボルトも効果的な部位に使う。