お勧めメニューでゼファーへの魅力を追う最新提案車
ゼファー1100/750に対してはもう10年、20年というレベルで扱いの中心としている、しゃぼん玉。両車の弱点対策も早くから手を付け、カスタムもデモバイクを含めて多くを手がけてきた。だからその都度の車両を見れば、しゃぼん玉が何を勧めているか、勧めてきたかが分かるわけで、この車両はまさに今(撮影は2022年前半)のそれ=お勧めを表している。
「ノーマルスイングアームのまま、リヤに6インチ幅のホイールを履けるようにしているんです」。こう言うのは、しゃぼん玉でマネージャーを務める滝川さん。
「3mmオフセットタイプのフロントスプロケットを用意して、これに合わせたリヤホイールスペーサーも作り、チェーンラインを揃えつつ、タイヤ左側とドライブチェーンの干渉を避けます。タイヤ右側はトルクロッドが干渉するので、ロッドに逃げ加工を施しました。
アクティブ製サポートを使ってキャリパーが下に来るようにした車両用の手法ですが、ボルトオンできないものをボルトオンできるようにしたというパッケージになります。元々リヤ4.50ホイールで160幅タイヤだったゼファー1100を、フロントを18から17インチにしてリヤを5.50にするとタイヤは180。時代でタイヤも変わってきて、今なら190幅を履きたい。そこに6インチホイールを装着して対応するということです」
スイングアーム変更はいずれやるだろう先の話としても、ワイドタイヤは履いてみたい。そうしたユーザーの要望に、大幅加工なしに対応しているのは、パーツや車両への経験ゆえだ。続けて、その他のお勧め要素を聞こう。
「フロント17インチホイール化は前提として、軽量ホイールにフォークオフセット35mmのステム。純正はオフセット40mmで、そのまま17インチ化するとトレールが減って不安定になるので換える。オイルクーラーにマフラー、それからハンドルというパッケージを勧めます。
パートとしては今までと大きくは変わりませんが、先ほどのタイヤサイズのように細かい部分は変わりますから、そこは押さえていきます。マフラーもそのひとつです。ラインナップがだんだんと変わる中で、性能やルックスがいいものを選ぶ。ベース車両の年式によっては規制適合という要素が入りますから、それも含めて」
まだ多くのアフターパーツが現れるゼファー。スペックやディメンションといった数値的なものは確立されても、実際に見て、使った時にパーツの違いや個性が出てくる。それを吟味することで進化は出来る。この車両はその最新モードと捉えていい1台なのだ。
Detailed Description詳細説明
メーターはノーマルでヨシムラ・プログレスメーターを追加。ウインカーは超小型のケラーマンLED。ステムはフォークオフセット[STD:40→]30mmのウイリー製。ハンドルバーはしゃぼん玉オリジナルの“タッキーバー”で左右マスターシリンダーはブレンボRCSだ。
シートはしゃぼん玉でも多くの車両で装着例があるスプリームシート。沈み込みを抑えつつ操縦性を向上して、足着き性にも配慮する。
左右のステップバーとブレーキ/シフトペダルを同軸化した同軸ステップキット、ピボットサイドカバーはともにウイリー製ビレットパーツだ。
1062ccの空冷2バルブ・ツインプラグ直4エンジンはゼファー1100ノーマルで、シルバーの外観から前期型ベースと分かる。カバー付き油圧クラッチシリンダーはウイリーで、その内側を通るドライブチェーンはDID製で[STD:530→]520サイズにコンバートしてある。
キャブレターはTMR-MJNφ38mmのデュアルスタックファンネル仕様。これに組み合わされるマフラーはしゃぼん玉・チタン4-1だ。
フロントフォークは純正同径φ43mmのオーリンズRWUでフロントブレーキはブレンボ・アキシャルキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。
リヤブレーキキャリパーはブレンボP2 34をアクティブサポートで下側マウントに。角型バーのトルクロッドはコの字型に加工しタイヤ干渉を避けている。
スイングアームは純正のアルミ日の字断面押し出し材製でリヤショックはZRX1200用オーリンズ。前後ホイールはゲイルスピードTYPE-Eで3.50-17/6.00-17サイズを履く。このために3mmオフセットフロントスプロケット、またリヤホイールスペーサーを用意してマウントしている。