好調エンジンをそのまま生かしてまとめた前後17インチ仕様
これから憧れの旧車を手に入れたい。そんな場合にどうするか? カスタムも視野に入っているのなら、そのモデルに強いプロのカスタムショップに相談するのがいいだろう。ホンダCB-Fの場合なら、T.T.Rモータースはその例となってくれる。ここに紹介するCB750Fもそうしてオーナーの手元に来たという1台だ。ただ、この状態でというわけではなく、それなりの経過を経ている。
元々の車両の状態はと言うとフレームと足まわり、エンジンがあってキャブレターレス、外装は現在と異なるものが載っていた。オーナーとなったコウシンさんはT.T.RにAMAスーパーバイクスタイルで仕立てたいと作業を依頼する。
これに応じてT.T.Rの林さんは足まわりとフレームなどを中心に手を入れた。フロントにヤマハXJRパーツを、リヤはレバー比を変えてストロークを増やすようにリヤショックのマウント部をレイダウン加工した上で、スズキ系パーツを用いた。エンジンは同店で製作・販売するCB750Fのリビルドエンジンへコンバートしたものかと思ったが、異なっていた。元々載っていたものが良好な個体ということで、そのまま使われている。
この見極めは林さんが経験から行うものだが、オーナーも絶好調と言うほどのもので、このようなベースの状態を見極め、車両を構築するのも同店の得意分野で心強い。こうしてストレートに、現代的によく走る17インチスタイルのCB-Fが構築されている。もちろん同店では18インチスタイルも、ノーマルスタイルも製作できる。
車両の状態を判断し、目的や必要に応じてアレンジする。T.T.Rでは750Fには前述のリビルドエンジンも用意するし、分解時のオリジナルパーツ洗浄サービス「RECS」もある。さらに、ガンコートやパウダーコート、セラミック塗装といった多彩な機能塗装も行える。こうした部分も駆使して組み合わせることで、結果的に望む形でいい状態の車両が入手できる。この車両はそれを実践した1台として、参考にしたい。
Detailed Description詳細説明
メーターは国内仕様CB750Fベースでヨシムラ・プログレスメーターを追加する。ステアリングステムはXJR1200用の社外品で、CB-Fの17インチに合った設定だ。ハンドルはバータイプに変更し、左右マスターシリンダーはブレンボ・ラジアルポンプとするなど、手堅い構成でまとめている。
ステップキットはウッドストック。フレームはノーマルベースで、リヤショックのアッパーマウント部をレイダウン加工している。
エンジンはCB750Fノーマルで、元々の個体の調子が良かったためそのまま使い、撮影時にも絶好調だとオーナーが言うほど。クラッチの油圧化キットはメタルワークスギア製で、オイルクーラー追加やケイファクトリー製スライダーの追加、カバー類変更も行われた。
純正風のルックスを持ったキャブレターはT.T.RでCB-Fの定番となり好評を得ている現代ホンダモデル流用で、エアフィルター仕様で使う。
φ43mmインナーチューブのフロントフォークや中空3本スポークの3.50-17インチホイールはXJR1200純正をコンバートしている。ブラックのフロントキャリパーはブレンボ・アキシャルキャストP4 30/34で、XJR1200純正ブレーキディスクに組み合わせて使う。
スイングアームおよび5.50-17サイズのリヤホイールは'91/'92GSX-R1100で、前後17インチでよく走るディメンションを作り込んだ。
リヤブレーキも'91/'92GSX-R1100。リヤショックはYSS G366のブラックボディ×ブラックスプリング。マフラーはチェイスMC製メガホン(絶版品)だ。