純正の雰囲気をキープしながら作る快走ニンジャ
純正フルカウル仕様で純正に準じた2本出しマフラーなどを持ったGPZ900R。その通りに今のニンジャの純正回帰的なトレンドとも言えるルックスが特徴だ。
「オーナーさんは新車から乗っておられるのですが、大破したのをきっかけにフレームをA13から規制前のA12にして、外装は10年くらい前に純正パターンでリペイント。エンジンも同じ頃に“ノーマル908ccでどこまで行けるか”をテーマに中川さん(トレーディングガレージナカガワ)が組んだもの。その後のメンテナンスは当店でやっています」と、手を入れたブルドッカータゴス・田子さん。ステアリングステム(ニンジャ・クルーズステム)/ハンドル(タゴス・ニンジャバーZ)/シートはタゴスオリジナル。前後17インチホイール仕様で、リヤには4.50幅を選んでいる。
「オーナーさんは前17/後18インチのダイマグ3本スポークホイールを持っているということで履き替えを検討されましたが、さすがに時が経っているので、今のアルミ鍛造品を勧めました。前後17インチホイールにすることでタイヤが選べますし、ノーマルスイングアームで160サイズが履ける。このオーナーさんも大型バイクを複数台持っているのですが、軽快で楽しめるとよく乗ってもらってます」
2本出しマフラーはヨーロッパで純正リプレイス的に使われたものを装着。この車両ではフルエキで、販売品にはスリップオンもある。ラジエーターもタゴスでは前後に厚い3層構造品を用意しているから、純正スタイルを狙って手を入れるにも心強い。
純正に同じφ300mm径のフロントブレーキディスクをタゴスオリジナルで用意するのも、ニンジャらしいルックスバランスを作りたいという気持ちから。
「大径のφ320mmも、今の標準的なφ310mmもサンスターさんのラインナップにあって、当店でもφ320mmでフローティングピンをオリジナルにしたものを販売しています。その上で、ニンジャにはφ300mmがいいという方のために、純正径で作ったものを販売しているんです。今ならキャリパーもパッドも、もちろんディスクそのものも進化していますから、この径でも制動力も十分確保できます」
こう田子さんが言うように、純正の雰囲気を生かしながら、足まわりをはじめとして性能や機能の底上げを図り、これからも長く楽しめるように作り込まれたニンジャ。鍛造ホイールやステム/ハンドルなどの仕様はまさにこれからのためで、安心感も大きく高められている。この先、長く楽しむための見本と捉えていい1台だ。
Detailed Description詳細説明
外装は純正フルカウル仕様。ミラーはA13純正で、純正ウインカーとで見た目のバランスもキープされる。こうした点も注目したい。
カウルインナーパネルはマジカルレーシング製カーボン。ハンドルはタゴス・ニンジャバーZで、フロントマスターにはブレンボ、クラッチマスターはゲイルスピードをチョイスした。
ステップおよびステッププレートはノーマルのまま。サイドカバー下側には傷付きを抑えルックスを引き締めるTAGOSヒールプレートを追加する。
エンジンも純正908ccの排気量のまま、トレーディングガレージナカガワで組んだもので、その後のメンテナンスはタゴスで行っている。アッパー/センター/アンダーカウルは純正で、センターカウルをカット加工した上で装着されるスライダーは、ケイファクトリー製(ノーマルカウル用)だ。
きれいに維持されていると分かるシリンダーまわり。キャブレターはTMR-MJNをDNAフィルター仕様でセット。ヘッドバイパスキットはケイファクトリー製。
タゴス・ニンジャクルーズステムでフロントフォークはJB-KYBφ41mmをセット。ボトムケーストップにケイファクトリー製フロントフォークガードを追加している。フロントブレーキはブレンボ4ピストンキャリパー+純正径のタゴス×サンスターφ300mmディスクだ。
左右出しの排気系はイタリアMarving製フルエキゾースト4/2マスターブラック [GPZ900R/750R]で、TAGOSプレートを後付けしている。
リヤブレーキはブレンボ2ピストンキャリパー+サンスターディスク、スイングアームはノーマルでショックはオーリンズ製。前後ホイールは今から安心して軽さや強さを楽しむべく、アルミ鍛造のゲイルスピード(ここではTYPE-Rを選択)でサイズは3.50-17/4.50-17とした。