運動性能を向上させたコンプリートを高い熱意で依頼する
「この車両はRCMのシリアルナンバー546が付いたものです。見ての通りにMk.ll。ただMk.llもずっと価格が高騰傾向で、ベース車両の調達がかなり難しくなってます。でも、この車両のオーナーさんのように、高い熱意を持った方のオーダーは引き続きいただいていて、製作を続けています」
こう、ACサンクチュアリーの中村さんがベース車のバックグラウンドを説明するMk.ll。RCMは同店のコンプリートカスタムとして20年超、その内容は既に定着している。Z系などの旧車を元に、現代の17インチハイグリップタイヤに合わせた強度とディメンションを持たせるよう加工したシャシー。ライフを十分に持たせ、かつ元気の良さも盛り込んだエンジン。これらに各オーナーのオーダー、そして各部パーツの進化も反映しながら、RCM自体もアップデートされてきた。このように発展した内容と質は、高いレベルで維持される。この車両でもその部分は変わらない。
では、冒頭のようなオーナーの“高い熱意”とは何を言うのだろう。
「今手に入れる、あるいは手に入れようとしている人は、こうした事情も知った上で動いているんですね。このオーナーさんの場合も良く手の入ったニンジャを持ってらしたんですが、そのようにパリッとした車両や、その状態を理解されているから、仕様に対して妥協しない。パーツ選択やスペックに至るまで。
ただ何となく“Mk.llほしいなあ”という思いでは、このような車両製作にたどり着けないと考えます。そこを超える、ほしい一念が熱意でしょう。それで私たちも動かされていく感じでしょうか。ベース車の高騰はそのままコストに反映されてしまうのが、仕入れる私たちでも入手を困難にする。難しいと思う部分ですけど、そこを乗り越えたいという熱意には、できるだけ応えたく思います」
好きな車両を、上質な形で手に入れたい。妥協ない車両にたどり着きたいからゆえの覚悟あってこそということだが、それを理解する作り手を経ることで、喜びもひとしおとなるはずだ。
Detailed Description詳細説明
Z1000Mk.llの武骨なイメージを強調するコクピット。メーターはノーマルでハンドルバーはPOSHスーパーバイクハンドルバー。左右マスターシリンダーはブレンボRCS。ステムはスカルプチャーφ43 ステムキットTYPE-1でフロントフォークのオフセットは[60→]37mmとなる。
シートはデイトナRCMコンセプトCOZYシート。Mk.Ⅱの純正色/ストライプパターンそのままの紺×ゴールドは奥進で塗装している。
エンジンはφ71mmのピスタルレーシング製鍛造ピストンで[1015→]1045cc化し、PAMS ESTライナー組み込みのほか、クランク芯出し修正、PAMSクラッチへのコンバート、ミッションのドッグクリアランス加工等のフルメニューを施し、ライフも元気の良さも両立している。
吸気系はヨシムラTMR-MJNφ38mmキャブレターのデュアルスタックファンネル仕様で低速域から高速域までをカバーする内容とする。
フロントスプロケットカバーはナイトロレーシングのニュークラッチプレート。フレームも補強やチェーンライン確保加工等を行う。
排気系は4-1のナイトロレーシング・ウエルドクラフトチタンEXに道ストレートチタンサイレンサーV-Ⅲ(ハーフポリッシュ)の組み合わせ。
フロントフォークはオーリンズRWUをサンクチュアリーE×Mパッケージ(フェンダー等含む)でセット。フロントフォークインナーチューブ径はφ36mmから43mmとなる。フロントブレーキはブレンボCNC P4キャリパー+RCMコンセプトφ320ディスク、ラインはアレーグリだ。
リヤブレーキはブレンボCNC 2Pキャリパー+サンスターφ250mmディスクでスイングアームはスカルプチャーR.C.M.専用ワイドスイングアームのブラックコート仕様(スタンドフックも追加)にオーリンズ・レジェンドツインショックを組み合わせている。
前後ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造品、GASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズ。タイヤサイズは120/70ZR17・180/55ZR17を選択。