見た目も性能面も考えトータルバランスに配慮
オリジナル「PRIDE」ブランドによるパーツ展開やハーフカウルキットを初め、数々のカスタム/整備/チューニングメニューで知られるアメリカンドリーム。根底には“お客さんのバイク生活がより楽しいものになるように”という思いがある。一方で代表・松田さんはカワサキZ2が好き。そこから多くのZカスタムも手がけてきた。時にはお客さんと鈴鹿サーキットでの走行会に行き、自らも走ることでZの走りを磨いてきた。
このZはそんな同店でサーキット走行を楽しむための足まわりグレードアップを主として、手を入れた1台。とは言えカスタムらしいトータルバランスも考え、ホイールや外装の配色にも気を遣ってパーツチョイスを行っている。
「軽量化とデザインの両面から、ホイールはマルケジーニM7RSを選択。PRIDEステムで剛性も高め、オフセットを33㎜として17インチに応じた旋回性も得ました。スイングアームはウイリー製で下側スタビを追加。フレームもレイダウンや13カ所の補強を行って、全体のバランスも得られるようにしています」(松田さん)
エンジンもZ1クランクとワイセコφ73㎜ピストンによって746から1105㏄にまでスープアップ。TMRφ36㎜キャブと“軽さと整備性抜群で、何よりパワーがあります”(松田さん)というPRIDE手曲げチタンEXとでレスポンスも高めている。
ほかにもフロントアクスルが純正品のφ17㎜からハヤブサ用の25㎜にアップされる、前後サスはセッティング幅を考慮してのオーリンズを選択するなど、しっかりと路面を捉えさせてパワーを伝えようという仕様は続く。
そんな走行会重視でいながらも、タンデムステップブラケット取り付け部(現状ではボルトが入る)やカウルステーマウントも装備し、きちんとストリートカスタムとしての部分に手を抜いていないのも、好感が持てる。さらにこの後にもエンジンやフレームのレストアとグレードアップが考えられているという。
いつでも、どこでも乗れてカスタムらしく、かつきちんと性能も作り込んでいく。Zと、走ることが好きな同店ならではというこの仕上がり、ぜひ参考にしたいところだ。
Detailed Description詳細説明
旋回性重視でオフセット[60→]33mmのPRIDEステムキットを使用。回転計はPIVOTステッピングモーター式でクラッチ駆動も油圧化。
外装は'74年型Z1のタイガーパターンをブルーで作り、ラインにもグラデーションを取り込んででオリジナルペイントしている。
エンジンはワイセコφ73mmピストンとZ1クランクによって1105cc化し、ヨシムラST-1カムシャフト組み込みやポート加工なども行う。
キャブレターはTMRφ36mmで、点火系はウオタニSP-Ⅱフルパワーキット。ステップはOVER製、エンジンマウントもアルミにされる。
排気系は軽さと整備性にも優れ、パワーも高まるアメリカンドリームオリジナルのPRIDE(プライド)チタン4-1マフラーをセットする。
フロントフォークはオーリンズφ[36→]43mmでリヤショックもオーリンズ。ブレーキキャリパーは前後ともブレンボレーシング。
ホイールはマルケジーニ・アルミ鍛造品のM7RSでサイズはZ1ノーマルの1.85-19/2.15-18インチから→3.50-17/5.50-17インチに変わる。
スイングアームはウイリーによるアルミ目の字断面材製で下側ブレース付き。タイヤはBRIDGESTONE RS10の120/70・190/55。