インナータンク製作で自由自在にコスプレ
ライムグリーンの角型タンクにビキニカウル、角型ヘッドライト…と、ローソンレプリカ=カワサキZ1000Rのディテールを持つこのバイク。きれいなZ1000Rカスタムに見えて、その実体はZ900RS。ドレミコレクションが手がけるコスプレ=コスチュームプレイ外装の名称に沿って“ローソンスタイル”と呼んでみよう。
「ドレミコレクションでZ900RS用インナータンクの量産仕様が出来ましたから、引き続きZ900RS用外装キットの提案を行っています。このローソンもそのひとつです」。こう言うのは、東京ドレミ(ドレミコレクション東京営業所)の藤野さん。同店はそのZ900RS用インナータンク/外装類の問い合わせ先となっているが、藤野さんはその外装の可能性や人気を探るために’18年にはZ900RS純正タンクのままで北米仕様Z1000Jスタイル(’81年AMAスーパーバイク、エディ・ローソン車のイメージ)も先行して作製した経緯がある。
それが今回、インナータンクの発売に合わせて、このように外観を変えたのだ。角型のテールカウルやタックロールのシート、ダミーツインショックや大ぶりのウインカーなど、これならそう遠くないうちにすべてを市販するのか? とも思える。
「価格も含めて問い合わせをいただくことも多いんですが、このローソンスタイルはあくまでプロトタイプなんです。ですから各外装パーツも現状ではワンオフ。ただ、製品化したインナータンクに対してどうフィッティングするかや干渉の有無、全体のバランス感はどうなのかというようなことは考える必要があります。そこに向けてのテストピースと考えてもらえればいいでしょう。このローソン以外に本店で製作したニンジャスタイルやZ1-Rスタイル、MkⅡスタイルも同じ考えによるものです」(同)
先行して試作されたニンジャスタイルも、ドレミ代表の武さんがすでに自ら走らせていて、燃料揺れや内圧、振動等の影響など、インナータンクのテストも行っている。インナータンクがスチール製なのは公道走行上の安全性も考えてのことで、車検も通る。これも武さんが常々考え、実行してきたことだ。そしてこの手法は、現代バイクと同じ。燃料タンクも含めたプラットフォームがあって、デザインを変えた外装が載っていく。同じ中身で別モデルという具合。ゼファーシリーズ用やCB1100(SC65)用でも培われたコスプレ外装製品化は、Z900RSでも実現する。
その製品化はユーザーの人気や反応に応じて随時行う予定とのこと。先に車両とインナータンクを揃えておいて、いずれ外装が出たら買って…という方法もある。そんなベースとして、引き続き注目しておきたい。
Detailed Description詳細説明
ビキニカウルや角型ヘッドライトを追加装着。そのためのカウルステーはワンオフして対応。こうしたノウハウも構築中なのだ。
コクピットはZ900RSノーマル。この位置から見ると量産車のようだが、タンクはワンオフ製作されたカバーなのだ。
サイドカバーもFRPでワンオフ製作。モチーフのローソンレプリカ同様に貼られる「1000R」のエンブレムはドレミコレクションで販売中の既存製品。
テール部はフェンダーレス化して大型角ウインカー(ドレミのZ1000Mk.Ⅱ用で、内部はZ900RSに合わせてLED化)やZ1000R同様の角型テールライトを装着した。テールカウルやタンクカバーはワンオフのプロトタイプで現状はFRP製だが、製品化の際にはABS樹脂製になるだろう部分。
ワンオフ製作されて形状や各部とのバランスも考えるテストピースとなるタンクカバー。この内側にはインナータンクが収まるのだ。
そしてこちらがZ900RS外装変更のベースとなる、ドレミ製スチールインナータンクキット。容量は14ℓ(ノーマル17ℓ)を確保しているから、ツーリングにも十分対応できる。また、安全性も考慮したスチール製のため車検も適合する。これさえあれば今後販売が期待されるZ1-Rやニンジャスタイルなど、多くの外装を着せ替えて楽しめるというわけだ。
ステップはドレミコレクション製Z900RS用に、同じくドレミのZ用ステップラバーを組み合わせて当時の車両風を演出している。
ダミーのツインショックを装着(リヤショックとしての機能はない)して、当時のスタンダードバイクらしさを高める。本来、車体右側に見えるZ900RSのモノショックはカバーで隠されている。
本来は前後17インチのZ900RSのホイールハブ部にアダプターを介してモーリズ・マグホイールを履き、前後18インチ化(幅は2.75/4.50)している。