走り込んで気になる部分を補うパーツ群も用意
スズキGSX1100S/750S、元祖カタナ用に微に入り細に入ったパーツ群を展開してきたことでも知られるオオノスピード。そのオリジナルパーツ群装着車にして、代表・大野さんの愛車に加わった1台だ。
外観上の一番の特徴は、すっと低く長く伸びたルックス。空冷カタナにも近い感覚(大野さんいわく「いく分、昭和のスタイルが混ざった感じ」)で、ある種の安心感のようなものも感じさせる。これはテール部に装着されたGTテールカウルキットによるものだ。まったく収納スペースのないKATANAにレインウェアが入るようなスペースも作れて、シートを外してネジ1本で開閉する作りのためセキュリティもある。テールは約13cm伸ばされ、副次的にリヤタイヤからライダーへの泥跳ねがほぼないくらいに抑えられた。
操作系では重いと言われた空冷カタナと同じかそれ以上にクラッチが重いからと、いち早くライトクラッチホルダーを用意し、発売した。それからもじわじわとパーツが充実しているという感じだ。
「皆さん、最初はどんな感じかな……で走り始めて、1000kmくらい走ると慣れてくる。現代車だから完成度も高くて、そつなく走る。でも、足りないかなと思う部分とか見えてきます。そこに合うものを作っているんですよ。
実際、ノーマルは良く出来てる。ただコストなどのバランスもものすごく取っているようで、そこも考えた上で、セットアップや機能パーツ交換のことは考えたい。タイヤも純正のロードスポーツ2は悪くなくて、設定空気圧がちょっと高過ぎるかなと思います。今のリプレイスタイヤでよく使う230~240kPaあたりにしてみて、それで試すといいと思いますよ。
そこでサスの能力が足りないと思うでしょうから、その時にリヤショックを交換しましょう。ウチではスポーツ用にオーリンズを販売してます。また足着きの良いショートタイプも含め、ダンパーもきっちり効かせたアラゴスタショックもラインナップしました」
大野さん自身がKATANAに乗って、走り倒して、納得いくように作られるKATANA用パーツ。これからもこの車両をベースに、増えていきそうだ。
Detailed Description詳細説明
テストを重ねた上で5mm厚のKATANA純正オプションをベースに製作した「チタンコートスクリーン」は受注生産品。3万円+税。
クラッチ操作を劇的に軽くする「ライトクラッチホルダー」(3万9000円+税。限定ブラックは4万4000円+税)はその軽さから“(空冷カタナ用)介護クラッチ”のKATANA版とも呼ばれる。ルックスも向上する。装着には削り出しミラーホルダー(5500円+税)が必要だ。
この車両では非装着だが、ハンドルを低くしたりする際のタンク化バー部への干渉を防ぐため、カバー前側の空きスペースに余裕を持たせるように造形した一体式「ショートタンクカバー」(FRP黒ゲル仕上げ4万8000円+税、カーボン製9万6000円+税。なお写真は参考塗装例)も用意。セパレートハンドルにも対応し、全体のスタイルも崩さずキープしてくれる。
テール部の外装樹脂パーツ4点を交換し、テールライトハーネスを延長(別売り/3000円+税、オオノスピードで用意)してシート下後ろに小物入れスペース(両サイド内側も活用可能が作れる「GTテールカウル・ベースキット」。シートを外してネジ1本緩めると上カバーが開く構造。FRP黒ゲルコート仕上げは7万円+税、カーボン製(カーボンパーツ3点+FRPアンダーカバー。10万円+税)もある。
「GTテールカウル・ベースキット」を装着し、シートを外した状態がこれ。両サイドとトップ、アンダーの各カバーで構成される。うち、トップは中央のネジを緩めるとこのように開いて、内部空間が表れる。左右の空間も使うとかなり物が入る。
ノーマルでフロントに装着されるブレンボキャリパーに合わせてリヤもブレンボキャリパー化して前後が揃えられる「brembo φ34カニ系専用リヤキャリパーサポート」は1万6000円+税、専用「リヤ・ブレーキホースキット」は3万4200円+税。
「KATANA用アラゴスタショック」は12万5000円+税のシンプル(プリロード/伸び減衰/車高調整)仕様と写真のフルキット(21万5000円+税/リモートアジャスター等を追加)まで4タイプを、ノーマル車高と30mmローダウンでそれぞれに設定。シンプル仕様をベースにして、後に内容追加することでフルキット仕様にもできる発展性も持っている。
ステンレスアジャスタブルサイドスタンドはオオノスピード製・空冷カタナ用を加工したもので、ノーマルから一気に高質なルックスに変える。標準車高用3万8000円+税/アラゴスタ・ショートTYPEサス用4万8000円+税。完全受注品だ。