その都度の変化を楽しみながら作業を進める
サンクチュアリーのグループ店として活動する、サンクチュアリー・ヨコハマヤマト。同店にはカワサキGPZ900Rのカスタム/メンテナンス車両が多く入庫し、コンプリートカスタムのRCM製作も行う。そしてこの車両は、2020年に入って完成したもの。サイドカバーを見ると「RCM-666」の文字が。撮影時点ではRCMは、500番台の車両が製作進行中のはずだが……。
「オーナーさんの希望で、イレギュラーですが、ちょっと先のこのナンバーを付けさせてもらいました。全体としては段階的にカスタムを進めることで、その都度の変化を楽しみながら現在に至ったものです」と、同店代表の川浪さんはこう説明してくれる。
結果としてサンクチュアリー・RCMのスポーツパッケージTYPE-R(エンジンは換装せずにカスタム化を行う)の製作手法をなぞった手順と仕様となり、そのままコンプリートのRCMとなったというわけだ。
初めから狙った状態にしてしまう完成車を作るのももちろんありだが、そこを目指して順に手を入れる(この車両の場合、ヨコハマヤマトによる一貫した作業/パーツ管理ができている)のは、愛着を増す意味でも、ありだろう。
その上で大胆にフロントカウルをホワイトとして軽快感を高めた外装カラーは「ロボットアニメのキャラクターをイメージしてペイント、サイドカバーの“666”の書体にもこだわってます」(川浪さん)とのこと。
パーツセレクトのアレンジも含めて、オーナーの気持ちも良く伝わってくる。ショップのコンプリート車両が、さらに先を狙ったカスタムの良好な見本ともなるという、いい見本なのだ。
Detailed Description詳細説明
スクリーンはMRAレーシングでステアリングステムはスカルプチャーTYPE-1 φ43mm。ハンドルバーはアクティブ・ファナティックでミラーはしゃぼん玉のA6タイプだ。
ベースはA12マレーシア仕様。シートは張り替え&加工。現在廃番となったハーネスもRCMニンジャの手法に則って一新されている。
フレームは曲がりを点検した上でリフレッシュ/パウダーコート仕上げ。ナイトロレーシング・ダウンチューブキットTYPE-3と同バックステップキット、リダクションキット(スライダー)を装着。サイドにはKスタイル製サブフレームも装着。クラッチレリーズカバーもナイトロレーシング。チェーンローラースライダーもセットされている。
エンジンはA12のノーマル状態で、ヘッドバイパスはTGナカガワTYPE2に。キャブレターはTMRφ38mm-MJNのデュアルスタック・ファンネル仕様+アクティブ・ハイスロットル。冷却系もナイトロレーシング・ワイドラジエーター+ハイマウントオイルクーラーをチョイスした。
マフラーはナイトロレーシング・フルチタンでサイレンサーはナイトロレーシング・グレネードチタンV1の組み合わせ。
フロントフォークはオーリンズRWU。フロントブレーキはブレンボ・キャスト4Pキャリパー+サンスター・ネオクラシックディスクだ。
リヤブレーキにはブレンボ・キャスト2Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクをセット。
スイングアームはスカルプチャーの17インチニンジャ専用ワイドスイングアーム・アジャスタータイプ。リヤショックはアラゴスタの3WAYアジャスター仕様。ホイールはO・Zレーシング・アルミ鍛造のGASS RS-Aで3.50-17/5.50-17サイズを履く。