これから狙い目になりそうなスタイル
アルミ地そのままに叩き出された武骨な燃料タンク&シートカウルにブラウンのシングルシート。メカメカしさも備えたステー類で構成されるヘッドライトまわり。ウインカーは極小…と、ヨーロッパのネオレトロカスタムを思わせるこの車両、ベースはヤマハXJR1300。ただ、よく見ていくとそのユーロスタイルとは少し異なる要素があるのが分かる。リヤがモノサス仕様に変わっているのだ。
手がけたのはノジマエンジニアリング。そしてこのリヤ・モノサス仕様はシリーズで数十台が製作されたノジマ・NJ。XJRがベースだから、NJ-3ということになる。
「実際に手をかけたのは当社の現代表、増澤です。本人がこうしたユーロスタイルというかネオレトロが好きで、好きに仕立てていったんです。その中で当社創立者の野島(英俊さん)がモノサスNJの作り方やフレーム加工の方法を伝授する形で、両者が合体してできたというわけです」
ノジマの広報担当・難波さんはこう、製作の背景を教えてくれた。なるほど、走りのモノサスにネオレトロという組み合わせにも納得いくし、こんなスタイルもできるという期待感も募らせてくれる。
「NJですからナンバー取得もできて、車検もOKです。それにXJRのキャブレター車(2005年型まで)も価格がこなれてきてますから、これをベースに作るのもいいと思います」(同)。こちらもうなずける話。他と違う路線のXJRカスタムを仕立てたいなら注目だ。
Detailed Description詳細説明
削り出しボディのミラーや超小型のLEDウインカーはドイツ・ハイサイダー製。ヘッドライトはステアリングヘッド部分から伸びた2枚のプレート型ステーでマウント、さらにヘッドライト下に伸びた丸パイプ下端にステーを作り、ウインカーをマウントしてある。
ステムはXJR1300でハンドルはライザーを撤去した上でセパレート化。小型の丸型ワンボディメーターはエースウェルACE-4553だ。
ネオレトロらしさを醸す燃料タンクはアルミ叩き出しでカバーを製作したもの。前側のえぐりはハンドル切れ角を確保するためだ。後部も絞られている。
NJモノサス化でコンパクトになった後半部を生かすように、シングルシート調でシートもワンオフ製作した。ブラウンの表皮が車両全体のカフェレーサーテイストを軽い感じで引き立てる。ショートテールに合わせたテールカウルもアルミで製作されたもの。
マフラーはNJの指定品となるノジマ製で、同車は集合部が渦巻き形状を採るスパイラルコレクター・メガホンをチョイスしている。
DOHC4バルブ1250ccの空冷直4エンジンとBSR37キャブレターはXJR1300そのままで、オイルクーラーはツイン仕様。
3.50-17/5.50-17サイズの前後ホイールはXJR1300。スイングアームはNJ用ウイリー製(アルミ目の字断面材・ハンドメイド)に置換されている。
ショックマウントを新設するなどNJ化のポイントとなるモノサス部もノジマエンジニアリングのノウハウの部分。ベースプレート部を極力小型化したステップはこの車両用のワンオフで、惜しくも市販化の予定はないとのこと。