20年前に乗っていたホンダCB-Fにもう1度乗りたい
「オーナーさんは20年くらい前にホンダCB-Fに乗っていたんですけど、手放したんです。それで今、もう1度乗りたいということで改めて作ったのがこの車両。フレームやパーツはバラでお店にあったので、そこから作り上げたフルレストア車とも言えます。あと、今ウチでもいいなと思うものを注ぎ込んだ感じで作ってます」
こう市本ホンダ/Team CB’s代表・市本さんが言う車両。通称“赤い子”だが、この名は最近、市本さんの製作車両を判別する時の通称となっている(アロハの子、渋黒い子など。いずれもCB-F)。そしてこの赤い子は、以前掲載したフルブルーメタリックバージョンの“青いメタルの子”と対をなすもの。お互いに切磋琢磨しながら、より良いCB-Fを目指した作り込みを進めているという。
「だから仕様自体は両車で割と近くて、エンジンはワイセコピストン1123cc(青はコスワースでの同排気量)、内部パーツはWPC処理してあって、マフラーはCB’s限定チタンメガホン。これはシリアルナンバーがあってこの車両では#4。全部で10本の限定です」
この1123cc仕様や内部パーツ処理(WPC、あるいはTGナカガワのR-SHOT)はこのところのCB’s定番というか、お勧め仕様だ。車体側はどうなのだろう。もう少し聞き進めてみよう。
「フレームは750Fベースで6カ所補強とリヤサスのレイダウン加工をしてダイヤモンドコート仕上げ。スイングアームはウイリーで、フロントはオーリンズ倒立用のサンクチュアリーE×Mパッケージ。この辺も青い子と同じかな。ホイールは17インチだけど、こっちはBSTカーボンです。燃料タンクもアルミだし、かなり軽くなってますよね」
こちらも言わずもがな、CB’s最新定番をアレンジした手堅い仕様となっている。CB-Fの弱点を対策するチェーンテンショナーや先述のエンジン内部表面処理によって動力系の無理も利き、車体側は軽く仕上げてエンジントルクを生かす作りとしている。
市本さんはイベントごとにこうしたカスタムCBを同じゾーンに駐めてオーナーの交流を図る「CB ZONE」を、fb経由で呼びかけている。そこにはいろんなカスタムCB-Fも集うから、これからCB-Fを……という人にも参考になるはずだ。
Detailed Description詳細説明
メーターはカーボンでワンオフしたパネルにCB-F純正同様の配置によって速度/回転計(ともにSTACK)をレイアウト。インジケーター類や都合3つの追加メーターもセンス良く配置される。フロントブレーキマスターシリンダーはブレンボラジアル。
燃料タンクはアルミ製に置き換え、細かなフレーク入りレッド+北米FCパターンのカラーはドローズがペイントを担当した。
元々のフレームは750F用で6カ所補強とレイダウン加工後にダイヤモンドコート。紫の焼け色も特徴の排気系はCB's限定フルチタンだ。
エンジンはワイセコピストンによる1123cc仕様で、カムシャフトはウェブ製のST-2、合わせてポート加工も行う。点火系とダイナモはメタルギヤワークス製を装着している。
キャブレターはFCRφ39mmのブラック仕様。シリンダーヘッドカバーはめっき処理され、フレーク入りボディカラーのアクセントにもなった。
フロントまわりは、オーリンズ倒立フォーク用のサンクチュアリーE×Mパッケージ(天吊りフェンダー等をセット)を使って構成されている。
スイングアームはウイリー製アルミ目の字断面。ホイールはBSTカーボンの5本スポーク“ブラックダイヤモンドで、前後サイズは3.50-17/6.00-17だ。
ブレーキキャリパーは前後ともブレンボ削り出しで、フロントはラジアルマウント4ピストンにブレーキング・ペータルディスク、リヤは対向2ピストンにガルファー・ウェーブディスクを組み合わせている。