セッティング作業進行でさらに面白みを増すDAEG
カワサキZRXシリーズのパーツの豊富さはエンジンにも車体まわり、足まわりにも、そしてメーターや外装といった部分にも及ぶ。その多くがボルトオンで使えるため、個人でのトライのしがいもあるし、他との差異を作りやすくもなってくる。金田さんのこのDAEGは、そんなZRXとパーツ群との関係を巧みに、かつ見事に体現した1台だ。
外から見える部分だけでもオーリンズRWUフォークやゲイルスピード鍛造ホイール。ケイファクトリー製ステムにGストライカー・スイングアームにアクティブサブフレーム、ブレンボラジアルマスター&キャリパー、前後重ねのナイトロレーシングビッグラジエーター&オイルクーラーといった部分が分かる。どれも効果ありの定番と言えるものばかり。
見えない部分はと言えば、タンクがビーター製アルミだったり、フロントフォークのインナースプリングが変わっていたり。燃料調整用サブコンのラピッドバイク+車載セットアップユニットの同マイチューニングバイクも搭載されている。これはヤマモトレーシング製φ46mmスロットルボディへの変更に合わせたものだとオーナー・金田さん。
「当初は地元のお店、栃木・宇都宮のヴァンサンクさんで形にしてもらいました。いろいろ換えていくのは面白くてやってたんですが、ちょっとフロントが切れ込んでくるようになって、それでスプリングを交換して対処しました。その後スロットルボディも思い切って換えたんですが、自分の思うような特性になるようにJAM(ラピッドバイク扱い元)さんで手を入れてもらってます」と、現在は煮詰めも進行中だ。
それにしてもマウントボルトの多くもチタン化するなど、パーツは数え切れないほど換えられていて、これもボルトオンでの究極……と思えるほどのまとまりを得ている。
Detailed Description詳細説明
2016年型カワサキZRX1200DAEGのノーマルも彷彿とさせる赤色は、オリジナルカスタムペイントが施されている。全体としてこれだけ多くのパーツが装着されているのにそれがバラバラにならず、一定の方向性を見せるのはこのペイントによるところも大きい。スクリーンはロング仕様。
さまざまなガジェットも追加して普段の走りも楽しむコクピットまわり。左右のマスターシリンダーはブレンボ製RCSで、右がRCS19、左は同17。
タンクはビーター製アルミ、シートもオリジナル加工品を装着する。Best Palsは金田さんの仲間、PreciousはDAEGのオーナーズクラブの名称とのこと。
フレームはノーマルかと思いきや、ステアリングダンパーマウント基部を加工するように手が入っていた。サブフレームはアクティブ製が装着される。ステップはWR'S限定モデルだ。
吸気系はφ[純正サイズ:34→]46mmボアのヤマモトレーシング製ビッグスロットルキットに換わるが、そのための燃調をサブコンピュータのラピッドバイクとそのオプション車載チューニングユニット、マイチューニングバイクで調整している。
オーリンズRWUフォークはケイファクトリー製ステムでクランプ。RWUフォーク自体はスプリングレートを10.5N/mmに変更しているそうだ。フロントブレーキまわりはブレンボCNC P4ラジアルレーシング108mmキャリパーをウイリー製サポートによってマウント、ディスクはサンスタープレミアム(ホール&スリット)をチョイス。
スイングアームはカラーズインターナショナルが販売するGストライカーで、インナーフェンダーもストライカーSADのカーボン。リヤサスはオーリンズ製レジェンドツイン。
排気系はビート・ナサート エボリューションType-Ⅱ3D UPにウイリーキッズ製サイレンサーの組み合わせだ。
ホイールはゲイルスピードType-Rで、3.50-17/6.00-17サイズ。スイングアームエンドにはヨシムラスタンドフックも装着される。リヤブレーキはブレンボ2Pをウイリー製サポートでペータルディスクと組み合わせた。