いい環境や仕立てにより快適な走り&構成を獲得
’92年の空冷ゼファー1100でビッグネイキッドの概念を確立したカワサキが、走りのネイキッドとして’97年に送り出したZRX1100。スープアップ版と言える1200、FI化し日本専用仕様となったDAEGが続いた後に’16年に生産を終わるが、今もそのスタイルや走行性能に惹かれる向きは多い。
このZRXもそんな魅力に惹かれたオーナー・眞岡さんの1台で、ベースは’98年型。ビキニカウルのフレームマウント化やビッグラジエーターでの冷却系強化、インストルメントパネルをワンオフしてオリジナル化するなど、定番や新しめの手法も取り込んでいる。外観は眞岡さんが数年前のこの車両入手後に自身の本業を生かして再塗装して新車のような輝きを取り戻している。フレームも同様に再塗装される。
その車体は、リヤがモノサス化、そう、ノジマNJモディファイが施されている。全体のスマート感はここでも強調されたか。
「車両入手後すぐに、バイク仲間の菅井さん、ZRX1200R・NJ-2に乗ってる方に勧められてNJをオーダーしたんです。ZRXに乗り換えたときも楽しかったんですが、NJが出来てみるとすごくいい。コーナリングもすいすいという感じで、ほかの人にも“NJはいい”と教えてあげたくなるほどでした」
先にいい車体を作り込んだ。となるとエンジンの方も気になる。
「NJ化の後でZZR1100の内部パーツを入れました。6速ミッションをコンバートして、ならカムシャフトやピストンも入れようと、これらもZZR1100にしています」(眞岡さん)と、しっかりスープアップされる。
ところでこのきっかけを作った菅井さんとは、全国ZRXミーティングを主宰(第1回を’25年9月7日に開催)し、自ら仲間の多くの車両に手を入れたりアドバイスしたりと、かなり深くバイクに携わってきた人。たまたまショップを開いていないだけと捉えるといいようなプライベーターだ。ならば安心と言える。
いいベースモデルを入手しいい仲間と出会い、いい手の入れ方を知って実現する。このZRXはそんな恵まれたバックグラウンドから成り立った、好感高い1台ということだ。今後は足まわりや電気系等の詰めを進めてみたいと、眞岡さんの話に力が入るのも分かる。
Detailed Description詳細説明
ビキニカウルはドクタースダのマウントでフレームマウント化し、現在のZRXのトレンドにも対応している。フレームのヘッドパイプ下にノジマNJのチタン製シリアルプレートが貼られるのも見える。
シートはシングルシート形状に近くしステッチはボディカラーに合わせた赤を使う。
ノジマNJのチタンシリアルプレートに打刻されたのはNJ2-054のナンバーだ。
ステムはケイファクトリー・トリプルツリーType2。眞岡さんと菅井さんが合同で製作したメーターはZ1000の多機能ユニットを中心にヨシムラ・プログレス2テンプメーターを置き、今後を見越しての同プログレス3ワイドバンドA/Fメーター(空燃比をモニタする)、PROTECシフトインジケーターを配置。左右マスターはゲイルスピードVRCを使う。
ステップはケイファクトリー・ライディングステップにウイリー・3Dタンデムステップキットだ。
φ76×58mm、1052ccの水冷直4ユニットはZZR1100のカムやピストン、6速ミッションを組み込んで排気量は同じで圧縮比アップ等、スープアップ。点火ユニットはトリニティガレージナカガワのH.I.R.を使う。
吸排気はFCRφ39mmキャブレターにノジマ・SC(スパイラルコレクター)チタンエキパイ+ビート・ナサートエボリューションサイレンサー。
フロントフォークはオーリンズRWUでフロントブレーキはブレンボ・アキシャル4Pキャリパー+ブレーキング・ウェーブディスクの組み合わせだ。
リヤセクションはノジマNJモディファイサービスによってモノサス化し、専用のウイリー・スイングアームとオーリンズショックを使う。ドライブチェーンはD.I.Dの520ZVMXにコンバートされる。
ノジマNJ仕様の証とも言えるリヤ・モノサスのリンクとNojimaネーム入りリンクプレートも見える。








