超絶と言える造形でH2オーナーもうなる
「FRP外装パーツは18点あって、そのために作った型が全36点。開発コストを考えるともはや趣味とこだわりの塊です。でもこのカワサキZ125PROを見た人に“すごい……”と思ってもらえるなら嬉しいです」
プレジャーで開発製作を担当した生駒好拡チーフと生駒久喜店長がこう口を揃えて言うこの車両。どこから見てもカワサキフラッグシップのNinja H2……だが、よく見るとエンジンは空冷単気筒。じつはこれ、Z125PROを元に作られた“h2(エイチニ)”というコンプリートカスタム車だ。しかもセパレートハンドルとミラー内蔵用に使われたウインカー、ヘッドライトこそ社外パーツながら、その他のパートはすべてがプレジャーでのFRPオリジナル製作と塗装で仕立てられる。H2の鋼管トレリスフレームや独特のマフラー(ここでは小物入れになっている)まで、FRP造形と塗装によるものなのだ。もっと言うならばスーパーチャージャー部分、さらにフォークトップといった細かい部分も同様にして再現。
「Ninja H2のオーナーさんに多大な協力をいただいて、ディテールは凝りに凝りました。その上で、単に縮小しただけでない、このスケールでバランスがきちんと取れるように配慮しました」とも話は続くが、それをきちんと形にした超絶具合には脱帽である。
外装のキット販売はせず、Z125PROの新車をベースにコンプリート製作のみ行うというこのh2、価格は135万円で塗装費は別途21万6000円〜(色とデザインで変動)。製作期間と納期はオーダー後約2カ月。だがこの仕上がりを見ればそんな時間も費用も納得できるに違いない。H2オーナーならずとも手元に置いておきたくなる、そんな1台なのだ。
Detailed Description詳細説明
H2の雰囲気を作り出すセパレートハンドルはハリケーン製で、ミラーはキジマ(表側はプレジャーで造形したカバーを付けた上でPLOT SECウインカーをビルトイン)、ヘッドライトはPIAAと、造形品以外で使ったパーツはこれだけ。逆に言えばほぼ造形で成立している。
とても元々がZ125PROだったと思えないほど自然なまとまりを見せる外装。Ninja H2と同じ位置の川崎重工リバーマークは後付けだ。
タンクカバー、カウルダクト等すべてがプレジャーによるFRP造形品。フォークトップのアジャスターまでFRPで再現している。
サイドにNinja H2のエンブレムも貼ったシングルシートだが、全体のバランス感に破綻はまったくない。このあたりもFRPでの造形だ。
Ninja H2の特徴のひとつでもある右出しの大きなサイレンサーも再現した上で、この“h2”では小物入れとして活用。テールエンドがフタになっていて、500mlペットボトル2本は入る容量だ。本当の排気系はステップ下あたりにあり、エキゾーストの出口が見える。
レフトサイドを走るエアダクト(写真中央)やフレーム途中の丸い中継部までもFRPで造形。Ninja H2と並べて置いておきたくもなる。
ライトサイドのハイライトは、Ninja H2の本物ではスーパーチャージャーユニットが収まるカバー(写真中央)。これも再現した。