カスタムの効果も分かりこれからの方向も見える
ストリート用ならエンジンにも手を入れる余地も環境もない。毎回の改良で完成度を高め、車体系にも同様のことが言える気もする現代バイク。こちらのスズキGSX-R1000を筆頭とするスーパースポーツでは、なおのことそう感じそうだ。
「いや、じつはそうでもないんですよ。市販車そのものの完成度は確かに上がっているんですけど、手を入れる余地はあります。このバイクはライトカスタムですけど、その余地を詰めています」
こう言うのは、ブライトロジック代表の竹中さんだ。同店はGS1000/750にカタナなどの旧車や油冷各車と同じく、新型スーパースポーツも多く手がける。そんな中からの言葉だ。
「ベースはGSXーR1000のK6(’06年型)なんですが、きゅっとコンパクトで足着きもいい。それから元々軽いし、エンジンも割と下から付いてきて特性もいい。それでも、もっと良くなる。
例えば操作系。この車両ではフロントマスターをブレンボラジアルにしてレバーも換えてますし、クラッチ側も油圧化しました。これで左右とも操作が軽くなるし、タッチもいい。だから元々の良さがもっとはっきり出てくる。軽いのは正義ですから(笑)、そこは伸ばす。マフラーもスリップオンですがここでも軽くなるし、端の方だからマスも集中して扱いやすくなります。
ミラーなんかもカウル前面のSTDをその裏のカウルステーから出すようにして、ブレを抑えたり。ドレスアップ系のパーツも付いていますけど、そこは好みでしょうから、悪くならなければいいと思います。このくらいの仕様から、カスタムするとこう変わる、じゃあこの後どうしていこうかとか考えるにはいいかと考えればいいと思いますよ」(竹中さん)
明確な目標がない場合でも、換えたこと、手を入れたことでバイクがより身近になるなら十分。さらにその先どうなるかも知りたくなる。どうしたらいいか分からなければ、その手法やパーツをよく知った人(ここでは竹中さん)に聞けばいいわけだ。
「どこから手を付けるかも予算やオーナーさんの希望で分かりますから、それを言ってもらえば提案もしやすくなります。そこは旧車でも現代バイクでも同じです」
Detailed Description詳細説明
ミラーはカウル前側からカウルステーに取り出し位置を変更、カーボンモノコックボディのミラーはマジカルレーシング製で、カーボントリム付きのスクリーンも同じくマジカルレーシング。クラッチ側駆動はワイヤ式から油圧化され、ブレンボマスターを装着する。
機能面での変更点はコクピットに集中。Fマスターはニッシンからブレンボラジアルに、オーリンズステアリングダンパーも装備。
燃料タンク下側にはカーボンサイドパネルも装備。オーナーが他のカーボン系機能パーツとのルックスのバランスを取ったようだ。
シートはノーマルだが、スリムな形状と必要十分な肉厚を持っている。タンデム側にはシングルシートカバーも装着されている。
φ73.4×59mm/999ccのエンジンやφ44mmボアのスロットル等は純正そのままで、ヨシムラEM Proを追加しマップを追加(スタンダード状態への切り替えも可能だ)。
ステップはベビーフェイス製4ポジションで、カラーはブラックをチョイス。フロントブレーキ/クラッチとともに、操作系の変更でタッチやポジションも向上している。
車両の性格上、オートシフターも備えられている。メイン写真でも分かるようにケース左右にはネクスレイブランドのドライカーボンカバーを装着している。
DLCコーティングのフロントフォークは、現状でスタンダードのままだ。ブレーキホースはステンレスメッシュ+ブラックチューブで、こちらも純正ライクに仕立ててある。
リヤインナーフェンダーはクレバーウルフ製カーボン、スプロケットはX.A.M。3.50-17/6.00-17サイズの3本スポークホイールも純正品。
排気系はヨシムラのスリップオン・カーボンを装着。タイヤはブリヂストンのS22でサイズは120/70ZR17/190/50ZR17を履く。