派手ではないけれど、艶のある1台に仕上がった
多彩なエンジンチューニングメニューを持つ一方で、カワサキGPZ900R、いわゆる初代ニンジャ系には車体作りにも力を入れている、トレーディングガレージナカガワ。代表・中川さんも自身用の車両を持ち、カスタムノウハウを構築してきた。
「この車両はA8フルパワー仕様がベース。それで『今あえてニンジャを手に入れたので、これから乗るための2019年型ニンジャを意識して作ってもらいたい』というオーダーに沿って作ったものです。YSSの新しいガスフォークとGストライカー製スイングアームは持ち込みです」(中川さん)
具体的にはどういう考えから、どういう構成を取ったのだろう。
「目指したのは軽快なハンドリングと加速です。ツーリングやワインディング走行、走行会とすべてのバイクライフをこの車両で思い切り楽しみたいということで、それを満足されるようにしています。エンジンは当店でも人気で、私としてもイチ押しのTGN#1050+ST-3メニュー。面研やポート研磨、クランクフルバランス等も行っています。点火もDIS+HIRにし、2ピックアップコイルを1ピック仕様に、そしてこのメニューと相性のいいノジマ×TGNコラボEX等も装着。車体側はネック角を2度立てて12カ所に補強を入れ、ホイールもゲイルスピードのGP1Sとするなど、軽快ハンドリングというコンセプトを満足するように作り込みました」(同)
確かに見た目からも軽快さが伝わってくる。しかもボディカラーのブラック×グレー×ゴールドにトーンも合わせた各部パーツカラーもシブい。
「すべてがかっちりして上品な印象が出るよう、冷却系も全黒仕様、塗装もTGNカットライン(中川車のライン)で塗り分けています。内容もできるだけのことはやってます」とも中川さん。
そうしてできあがったのは、決して派手でこそないけれど、艶のある1台。ニンジャの持つ盛り上がるパワー感を雑味を抑えつつ高め、軽量でしっかりした車体で楽しむ。しかもTGNメニューで長く乗れることはお墨付き。今乗るならこれという、いい見本的なニンジャに仕上がった。
Detailed Description詳細説明
YSSフォークをクランプするステムはアクティブ製コンバーチブルステムキット(STD40から37or32mmのオフセット変更が可能)で、ハンドルバーはファナティック。左右マスターシリンダーはゲイルスピードVRCfで左右ともφ17.5mm。スイッチ類も変更される。
シートはきちんと着座位置を決められ、ライディングを安定化しかつフィードバッグ性も高められるTGNコンプリートシートに変更。
左サイドカムチェーンのエンジンはワイセコφ[72.5→]78mm鍛造ピストンによるTGナカガワのTGN#1050コンプリートST-3メニューで仕上げられる908→1050cc仕様。面研/ポート研磨/クランクフルバランスやコンロッド重量合わせにヨシムラST-1カム等を組み込む。
このTGN#1050はTGナカガワのニンジャ用メニューのうち、一番バランスも良く人気もあるメニューとのこと。補機類はカムまわりへのオイル供給を増やすTGNヘッドバイパスキットや同DOS-Rの組み込みも行われる。点火はTGN・HIR+DIS(ダイレクトイグニッションシステム)。ブラック仕上げのKファクトリーサブフレームもセットし、フレーム自体は2度のネック立てと12カ所の補強が行われる。
吸排気はTGナカガワでの定番メニューのひとつ、FCRφ37mmキャブレター+TGN×ノジマコラボレートによるSC仕様のチタン4-1EX。
ステップはスパイス製タクティカル3ポジションのフルブラックで、リヤブレーキマスターシリンダーにはゲイルスピードを使う。
フロントフォークはオーナー持ち込みによる密閉カートリッジタイプ正立のYSS製KG308S影武者だ。サイズはφ43mm/800mm長。タイヤはブリヂストンのS21を履く。
ホイールは前後ともゲイルスピードGP1Sで、サイズはF:3.50-17/R:6.00-17。リヤショックはオーリンズのTYPE4。ブラックも効果的に使っている。
スイングアームはGストライカーのブラックで、ドライブチェーンはRKをチョイス。サイズは520へコンバートされる。スプロケットはサンスターだ。