雨にさいなまれた、スポーツランドSUGOでの2017年夏の全日本2ストミーティングの、僕+ヤマハTZR250(1KT)のベストタイムは2分5秒台だった。だが晴天下の今回は、なんと1分49秒413を記録。イッキに約15秒も短縮というのは我ながらちょっとどうかとも思うけれど、僕と1KTは着実な成長を遂げているようだ。
宮城県のスポーツランドSUGOで毎夏開かれる2ストミーティングに、僕が1KTで参加するのは2018年夏ので4度目。そして1年ぶりにアップダウンに富んだインターナショナルレーシングコースを走って、“おお、なるほどなあ”と思ったのは、景色の流れ方が以前とはまったく異なっていたことだった。その理由はもちろん、僕と1KTが以前より速いスピードで走れたからだろう。具体的に、どのくらい速くなったのかというと……。
まず1回目の走行では、従来のベストを約10秒短縮する1分50秒台中盤を連発。その後はナイトロンジャパンの中木さんと羽柴さんに、マシンの状況確認と前後ショックのセッティングを行ってもらい(この件は次回に詳報)、続いて臨んだ2回目の走行/模擬レースの予選では、1分52秒302を記録して4番グリッドを獲得。
そしてイベントのシメに行われた5周の模擬レースでは、序盤から♯24渡邊選手+RZ250Rとトップ争いを繰り広げ、最終的には2位でフィニッシュ。渡邊選手を追走中の4周目には、1分49秒413をマークできたのである。
う〜む。改めてこうして書いてみると、我ながら出来過ぎの展開ではあるけれど、これはクオリティーワークスや井上ボーリング、ミクニ、ASウオタニ、サンスター、岡田商事(ZCOO)、PEOなど各社の皆さんの協力を得ながら、僕と1KTが地道に進化して来た結果と言っていいだろう。もちろん今回のタイムは、ナイトロンジャパンのおふたりによるセッティング&アドバイスがかなり利いているのだが、僕としては約3年半に及んだ試行錯誤と苦労が、ようやく報われ始めた気がしている。
さて、そんな心境に至った現在の僕の心配ごとはこれまでとは異なり“マシンがあんまり速くない”という言い訳が使いづらくなりそう……なことである。何と言っても今回の僕+1KTはストレートで他車をバンバン抜けたし、コーナリングスピードも他車より高かったのだから。もっとも、筑波のTOTで上位を走るNSR勢ほどの速さは備わっていないだろうけれど、少なくとも今回参加した2ストミーティングの’89年以前クラスでは、僕の1KTの戦闘力はかなり高かったのである。
そしてその戦闘力を筑波サーキットでも発揮するべく、今の僕はファイナルの刷新を検討中。現状のスプロケットは14/46だが、さらにショートな14/48、あえてロングにして6速を使わない15/45あたりを、近日中に試す予定だ。
'89年以前の250cc以下を対象とした模擬レースでは、♯24渡邊選手+RZ250R(上段、今回のタイトル写真の右の方)とトップ争いを展開。もっとも、僕がトップを走ったのはわずか1周だけだったのだが、緊迫した接戦はムチャクチャ楽しかった。
前後ショックのセッティングに付き合ってくれたのは、ナイトロンの中木さん(中央)と羽柴さん(左)。公式記録には残っていないけれど、初めて僕の1KTに乗った中木さんはサクッと1分46秒415をマークした!
ヤマハのホームコースという事情もあるのだろうか、SUGOの2ストミーティングは昔からヤマハ車での参加が多い。今回の'89年以前/250ccクラスのエントリーは17台で、その中の6台がパラツインTZRだった。ちなみにご先祖に当たるRZ-Rも6台が参加した。
2ストミーティングのサーキットランのクラス分けは200cc以下、'89年以前/250cc以下、'90年以降/250cc以下、250ccオーバーの4種類だが、それらと別に午前と午後に設定されている特別フリー走行枠は、車種を問わずに参加できる。上はTZR50R、下はRD400だ!