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2ストロークGOGO!
GoGo2ストローク ヤマハTZR250編(第7回目)
レポート:H&L編集部

ヤマハTZR250ヒストリー(後編・1991-1995)

2019年 10月 16日

先週に引き続き、ヤマハTZR250ヒストリーの後編を。GoGo!! 2ストローク TZR250編で主に取り上げられるのは、その主戦場となるテイスト・オブ・ツクバのZERO4クラスに参戦できる1985~1988年に販売の1KT/2XTと、その後継モデルとなった1989~1990年に販売された3MAだけれど(ZERO4クラスは1980年代に販売されたモデルでのみ参戦可能のため)、TZRシリーズ自体は以降もV型エンジン化され、継続されている。後編はそのV型エンジン車の系譜を追う。


1991年、6年目を迎えたヤマハTZR250に転機が訪れる。それまでの並列2気筒から、90度のV型2気筒へとエンジンを一新したのだ。この変更は’91年型の市販レーサー・TZ250が受けたのと同じだ。ライバルに対して、レースベースとしての戦闘力を高めるため。そして市販車としても商品力を高める狙いがあった。

車名はTZR250Rとなり、型式は3XVに(標準型は3XV1、クロスミッションなどを備えたSPモデルは3XV2)。数字的に大きな変化はないようにも見えたが、カウル形状やフレーム、YPVSのバルブや制御まで細部に至るまでの全面刷新が行われた。スイングアームはそれまでの角型基調から上下幅を増し、右側はチャンバーを逃げる左右非対称とした3Dタイプに。車体姿勢変化を抑えてトラクションを稼ぐロングタイプ(590mm)とし、それまでの積極的に姿勢を変えて曲げていくスタイルから現代化が図られた。コンパクトでコーナリングに優れたバイク……V型TZも、3XV系もそんな印象があった。

2年目となる’92年には細部を熟成。フロントフォーク内部やスイングアーム底板、マップ細分化などがそれ。また標準車(3XV4)に乾式クラッチを加えたTZR250RS(3XV8)が追加設定された。TZR250R SPは3XV5。

3年目の’93年には250ccに40psの出力自主規制が入り、これに合わせて3XV6となる。これ以外は基本的に’92年型を継承。SP(3XV7)でもキャブレター口径がレース規定で規制されたが、SPのみフラットYPVSを使うなどで戦闘力を維持した。この年、RS(3XV9)はゼッケンベースを黄から黒に変えて、ルックスをSPに寄せている。

’94年はRS(3XVA)とSP(3XVB)が前年ほぼ継続で展開。そして’95年には、STD/RS/SPの3タイプが一本化され、TZR250SPR(3XVC)となる。排気デバイスYPVSは単なる排気タイミング変更だけでなく補助排気ポートも制御して密閉性や過渡特性を向上。前後サスにも減衰力調整機構を加えて、初代の持っていたバランス性も獲得していた。以後、排出ガス規制が適用される2000年を前に、’99年まで同仕様で生産されたが、その間にアップデートはなく、3XVCが最終仕様となった。

軽く、速く、パンチがある。そして常に新しい。そんな2ストローク250ccレプリカの印象をきっちり確立させた、ヤマハTZR250。ライバルを追い越し、時には壁に阻まれながらも毎年の改良を受け、それぞれが支持されてきたシリーズというわけだ。そして、憧れられたファクトリーレーサーの世界をTZという市販レーサーを介して身近にしてきたシリーズ。並列時代(前方/後方排気)、V型時代とバリエーションも豊富なTZRは、今ならまだ補修や整備の手が入れられる。バイクが熱かった1985年から15年(新車開発という意味では10年)の歴史は、こうまとめていいだろう。

【 GoGo!! 2ストローク記事一覧はこちら!! 】

■1991年型 TZR250R(3XV)
TZRは'91年、戦闘力の大幅な向上を狙って90度V2エンジンを積むTZR250R(3XV)に進化。クランクケースを'91TZと共用する不等間隔爆発1軸V2にはTH開度とエンジン回転数、車速を変数とするコンピュータ制御TM28SSキャブを4→8bit化して搭載。2系統制御YPVSは一体成形バルブ化。ラジエーターもフラット(SPはダブルコア)に。アルミデルタボックスフレームは590㎜長のロング設定ウイング形状アルミスイングアームとともにブラック化され、φ39(SPおよびTZ250ではφ41)㎜フロントフォークや3.00-17/4.50-17ホイールを組み合わされる。

■SPECIFICATIONS:●水冷2ストクランクケースリードバルブ90度V型2気筒249cc(56.0×50.7㎜) 圧縮比7.5(8.0):1 最高出力45ps/9500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高1960×680×1075㎜ 軸距1340㎜ 乾燥重量126(128)㎏ 燃料タンク15ℓ シート高780㎜ キャスター24度 トレール90㎜ タイヤ:110/70R17・150/60R17●価格62万9000(82万9000)円 ※'91TZR250Rのデータ。( )はSP。

■1992年型 TZR250R(3XV)
1992年型は細部熟成。スイングアームの底板補強や通常使用域でのサス路面追従性向上、コンピュータ制御マッピング細分化で乗りやすさを高めた。またハザードランプと自動点灯式ヘッドライト(法改正に対応)も加えた。これに当時人気だった乾式クラッチを備えたTZR250RS(下写真)という仕様もこの年に追加。なお前年に続いてSPも500台生産した。ベースのTZR250Rとの違いはフルアジャスタブルφ41㎜フロントフォークに専用フレーム、スイングアーム、シリンダー。そして1~3速クロスのミッション、乾式クラッチ、クイックファスナー付きカウルにTM36SSキャブレターだ。

■SPECIFICATIONS:●水冷2ストクランクケースリードバルブ90度V型2気筒249cc(56.0×50.7㎜)圧縮比7.5(8.0):1 最高出力45ps/9500rpm 最大トルク3.8㎏f・m/8000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高1960×680×1075㎜ 軸距1340㎜ 乾燥重量126(128)㎏ 燃料タンク15ℓ シート高780㎜ キャスター24度 トレール90㎜ タイヤ:110/70R17・150/60R17●価格63万9000(83万9000)[66万9000]円 ※'92TZR250Rのデータ。( )はSP、[ ]はRS。

■1993年型 TZR250R(3XV)
1993年型TZRは基本的に'92年型継承だが、最高出力の自主規制で45→40ps化し、フロントフォークのアウター部をゴールド化(上写真)。乾式クラッチ装備車のTZR250RSも同様だ(中写真)。1~3速クロスミッション&乾式クラッチ、TZシリンダー等も持つTZR250R SP(下写真)は市販状態で40ps規制を受けるのは他社同様だが、レースレギュレーションの変更でキャブレター口径が規制され、標準装備品がTM36SS→TM32SSとなった。外観上の違いはSPではTZRロゴ下にSPORT PRODUCTIONの文字が入ること、前後のゼッケンスペースが黒となることなどだ。

■SPECIFICATIONS:●水冷2ストケースリードバルブ90度V型2気筒249cc(56.0×50.7㎜)圧縮比7.5(8.0):1 最高出力40ps/8500rpm 最大トルク3.6㎏f・m/7000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高1960×680×1075㎜ 軸距1340㎜ 乾重126(128)㎏ 燃料タンク15ℓ シート高780㎜ キャスター24度 トレール90㎜ タイヤ:110/70R17・150/60R17●価格65万9000(89万)[66万9000]円 ※'93TZR250Rのデータ。( )はSP、[ ]はRS。

■1994~1995年型 TZR250R(3XV)
1994年型TZR250R/RS(STDはゼッケンスペースがフロント赤/リヤサイド黒縁+白、RSとSPでは3カ所とも黒。RSはTZRロゴ下にRACING SPORTの文字)は'93年型を継続。SPはカラーをストロークグラフィック風とし、価格(89万5000円)を変更。1995年には3仕様を一本化し、街中からSP(スポーツプロダクション)レースまでカバーするTZR250SPR(下写真)に車名も変更した。φ41㎜フロントフォーク、リヤサスとも減衰力調整機構を備えて、より細かく排気タイミングを制御するトリプルYPVS(主排気バルブと左右の補助排気バルブをリンクし制御)も装備していた。

●水冷2ストケースリードバルブ90度V型2気筒249cc(56.0×50.7㎜)圧縮比7.5:1 最高出力40ps/8500rpm 最大トルク3.6㎏f・m/7000rpm 変速機6段●全長×全幅×全高1960×680×1075㎜ 軸距1340㎜ 乾重132㎏ 燃料タンク15ℓ シート高780㎜ キャスター24度 トレール90㎜ タイヤ:110/70R17・150/60R17●価格78万円。 ※'95TZR250SPRのデータ

WRITER

Heritage&legends編集部

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