軽量&スムーズないい状態を知った上で維持していく
テクニカルガレージRUNによるフルカーボン仕立ての、スズキ・ハヤブサ。エンジンやフレームはノーマルを生かしつつ、サスペンションやブレーキを上質化し、ポジションもオーナーに合わせるという手法はTG-RUNのバージョンアップ・コンプリートのメニューを踏襲しつつ、外装のカーボン化やβチタニウム製64チタンボルト等も合わせて、より軽量化を進め、それに合わせたセッティングが施される。その上での大きな特徴は、既に7万4000km超を走行していることか。だがとてもそうは見えない。
「ワンオーナーでそれだけ走られているんですが、状態はいいんです」と杉本さんも言う通りのコンディションの良さ。それを支えるのは、杉本さんのハヤブサに対する考えの実践と言えそうだ。
「ハヤブサは初代、第2世代とも良く出来たいいバイクです。当たり前のようですが、性能もとても高いですから、それを維持するためにはきちんと手を入れることです。この車両のように距離も乗るでしょうし、第2世代でもう10年以上、初代なら20年という車歴もあるわけですから、消耗品の定期交換と整備には気を遣ってください。
普通に乗るだけでもエンジンオイルとフィルター、点火プラグにタイヤ。ドライブチェーンやスプロケットもその都度見直しましょう。ブレーキまわりはパッド交換、キャリパーピストンの作動も見たいし、フロントマスターをラジアルポンプ化してコントロール性とタッチを高めるのも勧めたい。ホースやバンジョーも定期で見ましょう。
ホイールを鍛造品にしたり、排気系をチタンにしたりして軽量化するのもいい。リヤショックも換えて一緒にセットアップすれば、まとまりもより良くなります」
杉本さんがハヤブサに対して言う内容は、初代モデルの時からまったくぶれていない。それがこうした車両で具体化し、維持されているのだ。
Detailed Description詳細説明
第2世代をベースにしたカーボン仕様のバージョンアップコンプリート・ハヤブサ。車体にアクセントを与えつつ良好な視界を確保するスーパーコートスクリーン+カーボントリムやカウルインナーパネル、カーボンモノコックボディのNK-1ミラーはマジカルレーシング製。
トップブリッジはケイファクトリー製削り出しのブラック。左右マスターシリンダーはブレンボ・ラジアル、ケイファクトリー製レバーを組み合わせる。
フロントカウルやタンクカバーはいずれもA-TECH製ドライカーボン品。ステアリングダンパーもオーリンズに換装して、作動性を向上。
テールカウルもA-TECH製ドライカーボン、フェンダーレスキットにはマジカルレーシング製カーボン品を使ってフルカーボン化を達成した。
水冷直4の1340ccエンジンやFIまわり、フレームはノーマルで、ラジエーターにはハヤブサでも必須(杉本さん)というコアガードを追加済み。サイドのエアダクト後ろにはケイファクトリー製スライダーを、クランクケース左にはアグラス製スライダーをそれぞれ装着してある。
ステップはケイファクトリー製ライディングステップのステイゴールドとするなど、全体の色調をきっちりゴールド×ブラックで仕立てていることに好感。
フロントフォークはオーリンズで、フロントブレーキまわりはブレンボCNCラジアルキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせだ。
前後ホイールはマルケジーニ・アルミ鍛造の10本スポーク、M10S Kompe-Evoメタルで3.50-17/6.00-17サイズ。リヤショックはオーリンズを装着。
リヤブレーキはブレンボ・ビレットカニキャリパーをTG-RUNサポートでマウント、ディスクはサンスター・ワークスエキスパンド。スイングアームはノーマルでマフラーはケイファクトリー・フルチタン、各部にはβチタニウム製64チタンボルトも多く使われている。