エフの特長も社外パーツの変化もフィードバック
ホンダCB-Fシリーズを長年手がけ、「気持ち良く走れるライトカスタム・エフ」のノウハウを「快走仕様」という形でお客さんにも提案している愛知の安田商会。このCB900FAの車両は同店の代表・安田さんがもう25年以上乗り続けているという愛車のCB750FC。この車両を買ったことからエフ=CB-Fの世界に足を踏み入れたという、同店の原点であり、数々の整備やカスタム経験(安田さんは「修行しました(笑)」と言う)を安田さんとともに過ごしてきた、快走仕様ノウハウの塊でもある1台だ。
「エンジンは、今は1100F用でノーマル排気量の1062cc。クラッチはMGCメタルギヤのキットで油圧化して、マフラーは当店オリジナルのフルチタンです。フレームはステアリングヘッド下やピボット上部を補強しています。ステムはXJR1200で、足まわりもスイングアームやフロントフォークにXJRを使って17インチ化しています。CB-Fを前後17インチホイールに換装して乗りたいという人に勧められる内容です」
そう言う安田さん。なるほど、このパッケージならコスト的にも無理なく取りかかれそうな感じだ。ただ、と安田さんは話を続けてくれる。
「CB-Fの場合はロングタンクですからハンドル高さを抑えるなどでフロントに荷重をかけたいけど、低過ぎても難しくなるというような点は注意したいですね。パワーに関しても、今は乗りやすさ追求方向ですが、その意味でキャブレターは見直したい。
それは、もし年月が経っているなら今のうちに新品にしたいということです。私も換えて15年過ぎていたFCRキャブを新品に換えたら、始動時から走行まで、じつにスムーズになったんです。こんな風に(笑)見落としがちですが、キャブレターも消耗品なんです」
愛車だから分かる変化とその対処、新しいノウハウ。安田さんのエフからは、そんなノウハウがこれからも増えていきそうだ。
Detailed Description詳細説明
メーター類はCB-Fノーマルでヨシムラ・デジタルテンプメーターやETC車載器用アンテナが追加される。左右マスターシリンダーはブレンボ・ラジアルポンプ。ステアリングステムはXJR1200を流用している。ハンドルは純正セパレートアップに代えて適度な高さのバータイプに変更済み。
きれいな状態に保たれた外装は、CB900FAのパターンとカラーリングでリペイント。シートは内部形状を変更した。
ステップは純正のベースプレートを使うことで分かるように、CB-F現役当時に大人気だったO&T製を、角度を調整して取り付けている。フレームも各部に補強が入る。
エンジンはCB1100F用1062cc(ピストンの銘柄は純正品から変更)で、ラウンドオイルクーラーも追加。安田商会オリジナル
のチタンフルエキゾーストを組み合わせる。
キャブレターはFCRφ39mm。各部パーツ、とくにキャブやブレーキディスクは、年月が経ったものは新品に交換すると過渡特性(ディスクは効き)など多くの部分がリフレッシュされるので、新品が十分供給されている今のうちに交換するのがいい、とは安田さんのアドバイスだ。
フロントフォークはXJR1200流用によるφ[純正値:39→]43mmで、フロントブレーキはブレンボ4ピストンキャリパー+サンスターディスクの組み合わせ。同店ではXJR用ステム/フロントフォークをCB-Fに流用する際に、CB-Fの特長であるホーンやウインカーをコンバートするためのステーキットも販売している。
スイングアームはXJR1200で、リヤブレーキまわりもXJR1200用を流用する。先の通りブレーキディスクは消耗していくので、キャブレターと同様に交換を、と安田さん。
ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードTYPE-Rで[純正値:2.50-18/3.00-18→]3.50-17/5.50-17サイズを履く。XJR足まわり流用の場合はXJR1200のノーマルホイールを使ってもほどよいジャイロ効果があって安定するので、鍛造品を履くかどうかは好みでの選択の部分とも。