2021 テイスト・オブ・ツクバ SATSUKI STAGEレポート!
還ってきたオーディエンス! そして光元選手悲願の初勝利
フルスロットルさえ難しいH2Rを見事に調教!
「各日1000人限定入場での開催に踏み切った今回でしたが、過去のテイストの熱いキモチを途切らせることなく次の開催へつなげたことがまずとても嬉しいです」
筑波サーキット業務部次長、北川 亮さんの思いが伝わってくる言葉だ。2日間の入場チケットもあっという間に売り切れてしまった。
今回のSATSUKIステージもそれぞれのクラスで大接戦が繰り広げられたが、中でも特にハーキュリーズで初優勝を飾った光元康次郎選手の表彰台での涙は、多くのファンが気持ちを“持っていかれた”印象的なシーンだった。
2013年にCB1300SFでハーキュリーズへの参戦を開始した光元選手は毎戦広島から遠征し、カワサキH2を経て現在はH2Rでトップカテゴリーを戦っている。常勝の山根光宏選手をはじめ、加賀山就臣、新庄雅宏両選手らのトップレーサーがひしめく中、ツクバでの練習もままならない遠方から挑戦を繰り返す光元選手、そしてガレージ414&ウッドストックを応援するTOTファンは多い。しかも実は今回、2週間前の転倒で鎖骨と足首を骨折したまま出場したというから驚きだ。
「スロットル全開が簡単じゃないH2Rのネガを丁寧につぶしながらマシンを煮詰めてきました。やっと登りつめることが出来た表彰台のテッペン、めちゃくちゃ嬉しいです! これまでの苦しかったことがぜんぶ吹き飛びました(笑)」
レーストピックス
■HERCULES 優勝 光元康次郎 #414 Ninja H2R
ディフェンディングチャンピオンの山根光宏選手(GPZ900R)が練習走行中の転倒によるケガで欠場となったハーキュリーズ。赤旗中断を挟みながらも、歴戦で力を蓄えてきた光元選手が落ち着いたレース運びで見事な初優勝を遂げた。
■MONSTER Evo 松浦光一 #51 XJR1200
ホールショットを田中信次選手+Z1000Jが奪取。そのまま2周をリードするも、3周目にはモンエヴォ常勝マン、XJR1200を駆る松浦光一選手が前に出てそのまま安定のポールtoウイン。1分1秒016、クラス最速のコースレコードタイムを叩き出して、自身の優勝に華を添えたのだ。
■F-ZERO 野中浩司 #45 FZS1000
予選で0秒台の4選手がひしめき合う中、ポールはブルターレ800RRを駆る菊地 純選手。しかし予選3位の野中浩司選手+FZS1000が2周目からトップに立ちそのまま逃げ切って優勝した。GSF1200Sの前田憲明選手はファステストを記録しがら猛追するもあと一歩及ばず。
■MONSTER Gr.A 原山正樹 #43 Z1000Mk.II
出るも観るも大人気のモンスター、コースレコードを持つ高橋範男選手がまさかの予選欠場となり、原山正樹選手+Z1000MkⅡがポールポジション。5周目で1位に競り上がってからは安定して周回を重ね、フィニッシュした。2位は小林光一選手。
■ZERO-1 栗原貞夫 #13 FZ750
2位以下を2秒以上離す0秒497の圧倒的なレコードタイムでポールポジションをゲットしたのが、栗原貞夫+FZ750。決勝でもその速さは少しもかげることなく、大差で栄冠を獲得した。
■ZERO-2 森谷淳輝 #48 ZEPHYR
2020年のKAGURADUKIステージで優勝した山田実選手+R1-Zが予選をトップ通過、僅差でゼファーを駆る予選2位の森谷淳輝選手が背後につく陣形に。そして本戦ではわずかコンマ1秒差で森谷選手が先にゴールを切る興奮の展開だった。
■ZERO-3 辻林俊之 #28 VFR750R
2020年秋に優勝した辻林俊之選手+VFR750Rが予選トップタイムをマーク。ホールショットこそ深野選手に譲ったものの、2周目以降は安定したラップを重ねて貫録のポールtoウイン。
■ZERO-4 浅野 毅 #7 ZX-4
1980年代のレプリカが主役のZERO-4クラス。小林正義+NSR250Rが予選1位でポールになるも、カテゴリー内で参加台数(今回も8台参戦)を伸ばしつつあるZX-4を駆る浅野毅選手が、決勝では安定した走りを披露。前戦に続きウイナーに。
■DOBAR-1 牛込保雄 #80 KZ650/■DOBAR-2 伊藤大三 #10 CB350F
DOBAR-1/2の混走クラス。ただ1台のDOBAR-2参戦、伊藤大三選手+CB350Fが予選トップを獲得も、決勝ではまさかの最後尾スタート。鬼気迫る追走で、DOBAR-1ウイナーの牛込保雄選手+KZ650にあと5秒の、総合2位までジャンプアップした。
※本企画はHeritage&Legends 2021年7月号に掲載された記事を再編集したものです。
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