通好みを地で行くようなシブくかつ軽快な1台
フルカスタムか、スタンダードか。カワサキZシリーズのような名車を手に入れようと思う時、一度は悩むテーマではないだろうか。そう思うならぜひ注目したいのが、このブライトロジックによる車両だ。見ての通りビキニカウルを含めた外装はノーマル。
仕様を追っていくと、前後18インチのホイールは純正品を完全清掃+マットブラック塗装、ベアリング類は新品に。以下、ベアリングはステアリングもスイングアームピボットも一新。フレームは修正+カルガード塗装。エンジンもフルオーバーホールした上でワイセコピストン、TMR-MJNφ36㎜キャブとオリジナルのスチール製マフラーをセット。点火はウオタニユニットでハーネス引き直し、オイルクーラーも上回しで追加される。
フロントブレーキはブレンボマスターにAP製キャリパー+サンスター製ディスク、ダブルレールタイプの補強スイングアームで、リヤショックは純正改という具合。
「販売用に作ったコンプリート車両です。輸入新規登録、3年車検になります。クラッチも軽いし、ステップも少しバックしていて、普通に乗ってまず不具合はないですよ」と同店・竹中さん。
全体の様子はライトカスタムにも思えそうだが、挙げていった各部分だけでなく、内容と手間のかけ方はとびっきりの高質だ。普通なら透明さが保たれていれば十分というようなメーターレンズまでが一点の曇りもない。純正ホイールも、社外のアルミ鍛造と言われたらそう見える仕上がりだし、車両を押し引きしてもそう思えるくらいに、軽く感じられる。下手なフルカスタムは足下にも及ばない、というような作りなのだ。
「現状でも最高のZ1-Rになってると思います。これを買ってここからカスタムを進めるにもベースをちゃんと作ったから問題ないですし、このまま乗っても不足はないと思います」と竹中さん。もちろん持ち込み車両でもここまでの作業は行えるし、内容も自在。
見た目にも、乗ってもいい車両を作るショップの車両はベースが新しくても古くても関係ない。これはZにおいてもそれが通用するといういい見本となる1台。
Detailed Description詳細説明
新車だと言われても何の疑念も持ちようがないほど美しく仕立てられたコクピット。フロント側マスターシリンダーはブレンボ製ラジアルに換装される。
13ℓ容量でスリムな燃料タンクをはじめ、タンク等の外装はZ1-Rのノーマルそのままだ。これらも新品以上と言えるコンディションにされる。
シートやサイドカバー、KAWASAKIエンブレムも他外装同様に新品の仕立て。元祖メイクス・カフェのイメージを現代に蘇らせた。
こちらもノーマルそのままのラバーステップだが、ポジションを少しバックしてセットしている。ステアリング等のベアリングは新品にされる。
前後2.15-18サイズのホイールは純正品を再生しマットブラック塗装。ホイールベアリングも交換し、押した時の軽さが際立っている。
スイングアームは下側に細いパイプを加えたレール補強でリヤサスは純正パーツを改修。前後ブレーキキャリパーはAP・CP2696に変更。
エキゾーストまわりはブライトロジックオリジナルの4-1システム。全体的に、分かる人には分かる通好みの作り込みがされているのが大きな魅力にもなる。
エンジンはフルオーバーホールされ、ワイセコ製ピストンで若干のスープアップが施される。カムはZ1-RのSTDだがよく走るセットにした、
キャブレターはTMR-MJNφ36mmで点火はウオタニSP2ユニット。本文のような軽い取り回しを生かすようにセットアップされる。