よく乗って自ら確認することで好調を維持する
バイクの作りが現代化した時代に登場したことと、ほとんどが国内流通車だったことからコンディションにも差異が少ない。その上で決定的な弱点はなく、基本的には丈夫と言われるカワサキ・ゼファー1100/750。それでも生産終了から15年、経年による劣化もある。
「この車両は前後17インチホイール化したり、ブレーキや足まわりのアップグレードも行っている車両です。オーナーさんがご自分でいろいろとメンテナンス等の作業を行われていて、きれいにまとめられています。その上で普段も2週間に1回、1カ月に1回というようなペースで、近距離でも乗っていらっしゃる。サーキット走行まで楽しんでるんです」。そう、このゼファー1100について教えてくれるのは、ストライカーワークスの店長、鈴木さん。同店は多くのゼファー1100/750に手を入れてきた。このような使い方は、同シリーズには多いとも続けてくれる。
「そうですね。自分でひとつひとつ手を入れて、きちんと面倒を見る。それで劣化にもしっかり手を打つんです。この車両でも今積んでいるエンジンはヨシムラピストンが入っていますが、先日サーキットで白煙も出たのでということで入庫して、このままオーバーホールしてくださいという依頼を受けました。こうした重整備については、このように私たちに頼んでいただければいいと思います。
足まわりなどはゼファーにはパーツがたくさんありますから、カスタムも兼ねてリフレッシュという考えでもいいと思いますし、そういう気持ちで当たった方が難しくなくて済むでしょう。合わせてエンジンも冒頭の電気もリフレッシュして、オイル交換などメンテナンスも行って、長く乗れる、いいモデルだと思いますよ」
簡単なことから気をつけていけば、まだ楽しめる。パーツに関してもスイングアームやマフラー、ステップなど、多くの重要パートがラインナップを続けている。こうしたストライカー製パーツの相談や取り付けにも、ストライカーワークスの存在はありがたいし、実際にパーツを見に来て、装着に至るお客さんも多いそうだ。ゼファーで気になることがあれば、そうした内容やパーツにも注目しておきたい。このゼファーはそんな乗るための環境にも配慮したいい見本と言えるのだ。
Detailed Description詳細説明
フロント17インチ化に合わせてステムを変更、左右マスターシリンダーはブレンボ・ラジアルでメーターにはK's製油温計を追加している。ETC車載器やUSB電源ソケットは今ならではの追加装備。走行距離は撮影時点で7万3000kmだが、このように状態は良さそうだ。
火の玉パターンの燃料タンクやサイドカバーはゼファー1100純正で、サイドカバーエンブレムをZ1タイプの社外品に変更。フューエルコックも、FCRキャブレター化に合わせて安定して燃料を送れるピンゲル製だ。シートはTo'sカスタムのスプリームシートに換装される。
ツインプラグヘッドのエンジンは現状でヨシムラピストン等を組んでいるが、この入庫に合わせてストライカーワークスでJEまたはコスワースピストンによるオーバーホールに進むという。普段は自分でいじり、重整備をプロショップに依頼するというのも確かな方法だ。
上記の通り、キャブレターはFCRφ37mmで、バッテリーはSHORAIリチウムバッテリーに変更、電装はウオタニSP-2を装着する。車載工具もオーナーが自分で厳選して搭載しているとか。
フロントフォークはオーリンズのφ43mm正立タイプ。フロントブレーキはAPレーシング4ピストンキャリパー+プラスμディスクを組み合わせる。
スイングアームは7N01アルミ5角目の字断面材のウイリー製で、フロント同様にリヤショックもオーリンズ。ホイールはダイマグ3本スポークで[純正サイズ:3.00-18/4.50-17→]3.50-17/6.00-17サイズに変更される。マフラーはストライカー・フルチタンのリミテッドエディションをチョイスする。