超高級スーパーカーに匹敵するサウンドと質感を
2019年の東京モーターショー発表で、そこから1年も経たない2020年9月の発売で…とバイク界を湧かせてきた新生250cc直4スーパースポーツ、カワサキNinja ZX-25R。紹介するのはこれにオートシフターなどを備えたSEモデル・KRT EDITIONをベースとして作られたケイファクトリーのデモ車だ。
一番の変更点はフルチタン4-1の「フルエキゾーストマフラー ヘキサゴンサイレンサー JMCA認証サイレンサー」が装着されていること。ショートタイプでつや消しブラック仕上げのノーマルマフラーと比べると、青い焼き色をアンダーカウルから覗かせるエキゾーストパイプ、ぐっと後ろに伸びるゴールド仕上げのサイレンサーと、ルックスの迫力も格段にアップしている。
そしてその迫力以上に注目したいのは、このマフラーが奏でるサウンドだ。高級スーパーカーを彷彿させるようないい音。排気音だけでなく、シフトアップやダウン、スロットル全閉時などに合わせての変化が如実に楽しめる。かつての250cc直4ではなしえなかった、FI+オートシフターならではの部分にうまくミックスしている。
このサウンドを醸し出すのは、サイレンサーの前後に装着されたキャップ。一般的なプレス成形でなく、ケイファクトリーお得意のアルミビレットによるものだ。狙いは、高周波音のカットにあった。仮にすべてを軽く薄くまとめていった場合、250cc直4の超高回転エンジンではありがちな、甲高さの中にどこか軽々しさのある排気音となる。そこに質量のあるパーツを組み合わせて使うことで、マフラー構成パーツの共振を抑えるということなのだろう、結果として低音が効いた、締まりのあるサウンドが出せたというわけだ。
サウンドも下から上まで600ccスーパースポーツにも引けを取らない重厚感と、かつてとは異なる質の良さがある。そしてルックスもビレットキャップとフルチタンの高質さ。Ninja ZX-25Rのノーマルサウンドも十分魅力的だが、ライディングステップやセパレートハンドルなどのポジションパーツとともにそこに高い付加価値を加え、あえて250ccを余裕で選んでいるという印象さえ出してくれるのだ。
Detailed Description詳細説明
マフラーの商品名は「フルエキゾーストマフラー ヘキサゴンサイレンサー JMCA認証」。4-1集合で触媒ありのJMCA認証品、19万8000円+税。ヘキサゴンサイレンサーの前後キャップはジュラルミン削り出し・バフ仕上げで、一体成形でサウンドも高質に仕上げられる。
写真は左が前方向。集合部直後に触媒が収まる。エキパイ~テールパイプもチタン製、近接排気騒音は97dB以下に収められている。
レースシーンでの素早い交換を想定したクイックリリースタイプのセパハンは垂れ角を5度or10度に調整可能だ。バーはφ22.2mmで260mm長の超々ジュラルミン製で、超ジュラルミン製のクランプ部はチタンとステイゴールドの2種類のカラーをラインナップ。
ブレーキレバーガードは左(クラッチ側)と右兼用の汎用タイプでハンドル内径Φ14/16/19mmに対応。ガードアングルは5段階だ。
ケイファクトリーのエンジンスライダーは、エンジンマウントを利用するタイプで、カウルを加工しなくても装着できる。Ninja ZX-25R SEと同SE KRT EDITIONはそのまま装着可、Ninja ZX-25R STDは別途純正部品が必要。スライダーはジュラコンを素材としてNC削り出しによって製作、ベースとの間に硬質ゴムを挟み込んで衝撃吸収性を高める機能性重視の構造。スライダーのスペアも販売する。
フロントアクスルスライダーもK-FACTORYロゴ入りでジュラコン製。ベースプレートは特殊アルマイトのステイゴールドカラー仕上げ。
ナンバーホルダーやウインカー、荷掛けフックもノーマルが使えるフェンダーレスキット(写真は試作で製品版には肉抜き等が加わった)は、やや下を向いて長めのノーマルを、このように短く、地面に水平に伸ばすことでリヤまわりをすっきり見せる。ステンレス製。
ラジエーターコアガードはステンレス製ハニカムメッシュ。中央はタイヤが巻き上げる異物を避ける細目、両側は通風性を高める粗目とメッシュのデザインを使い分けている。
「ライディングステップ」のポジションは、UP側30or40mm、BACK側0mm、10mm。クイックシフターあり/なし両対応で、逆シフトもOKだ。
ケイファクトリー・ライディングステップのステップバーに施されたローレット加工はギザギザが強めで先端の方を踏んでもしっかり踏ん張れる。チェンジシャフトの根本を支える「チェンジシャフトホルダー」により、シフトフィールもスムーズで確実なものにしている。