ひたすら進化させて楽しまれるオリジナルZ
アメリカンドリームによるカワサキZ1。いわゆるフルカスタムだが、パッと印象づけられるのは、全体に渡るカラー構成ではないだろうか。
外装は深い艶ありブラックをベースに深みのあるパールブルーでZ1000A2のパターンをアレンジしたラインを施して、セパハンで低く構えた全体を上品に見せる。その上で各部パーツはブラックを基本にする…のだが、単に揃えるだけではない。ブレーキディスクインナーの削り込み部やピン、FCRキャブレターのトップカバーやデュアルスタックファンネルを特注でブルーに色づけする。
オイルラインのフィッティングやハンドルバーエンドもこれに揃え、かつオリジナルのチタンフルエキゾーストの焼き色も合わせる…と、ブルーが効果的に全身に配されるようになっている。前後オーリンズのゴールド&イエローもアクセントだ。さらにエンジンカバーを初めとして各部ボルトもほとんどをキャップボルトとして、こちらもブラックとの対比を見せつつ、視覚的な統一感と作業性の向上を狙う。この見た目同様に、内容が上質に仕上がるのは、もはやアメリカンドリームの定番と言える。前後17インチホイール化やそれにともなうフレーム補強や車体の構築など、抜かりなしだ。
「タイヤ交換ひとつ、オイル交換ひとつからちゃんとやるバイク屋さんの気持ちではいますが、パーツひとつから吟味して、きちんと走れるバイクを仕立てることには気を遣っています。それがZみたいにお客さん憧れのバイクなら、なおさらです」とは代表の松田さん。
松田さん自身がサーキットからツーリング、ストリートまで乗れるZを長年意識してきた中で磨かれた内容が、同社のカスタムに反映されていると思っていい。走ってよし、見てもよしというZ。これからのZカスタムのひとつの見本ともなりそうだ。
Detailed Description詳細説明
ミラーはマジカルレーシング。ヘッドライトはLEDバルブ化し、ウインカーは超小型のもので、フロント用はレバー基部付近に見える。
サンセイレーシング製セパレートハンドルにはブレンボ・ラジアルマスターをセット。バーエンドはブルー、グリップもブラック×ブルー。ステムはアメリカンドリームオリジナルのPRIDEでオフセットは純正の60mmから33mmとなる。この数値は松田さんが詰めてベストと判断したものだ。
塗装はZ1000A2ラインをアレンジしシートも貼り替えている。リヤ側ウインカーはグラブバー後部に装着されているのが分かるだろうか。
エンジンは今回は吸排気変更と外観仕上げにとどめたという。スプロケットガードやエンジンマウントはPMC製。ボルト類はキャップボルトで統一されている。
シンプルな形状のステップはBITO R&D製ライディングステップ。前後足まわりとも合わせたカラーアクセントとなっている。
フロントフォークはオーリンズφ43mmで、フロントブレーキはブレンボ4Pブラックキャリパーに、同じくブレンボディスクを組み合わせた。
リヤショックはオーリンズ・レジェンドツインで、前後ホイールはマグネシウム合金鍛造のMAGTAN JB4。3.50-17/5.50-17サイズを履く。
車体全体のカラーバランスに合わせたかのようなブルーの焼き色×ゴールドのマフラーも、アメリカンドリーム・オリジナルのチタン製4-1だ。