快適な走りのために必要なものは当然用意
多くのカタナを手がけてきたブライトロジックによる1台。エンジンは1135cc仕様、フレームは’82年AMAスーパーバイクのヨシムラ・カタナを再現したかのようなスタイル。シートレールはまっすぐ上に立ち上げてリヤショックマウントを本来より外側に新設。フロントには倒立フォークをセットした上で、17インチ化に対応させるスパルタンルックの仕上がりだ。
ただブライトロジックの場合、こうした攻めた仕様に見える17インチ車も、自然に乗れる18インチも、フレームの修正・リフレッシュやベアリングやシール類の新品交換、足まわりのリフレッシュプラスαといった入念で確実な作業を経て送り出される。エンジンも同様。仕様の違いはお客さんのオーダーによってということで、どの車両でも共通するのは、何が必要かを見極めるブライトロジック・竹中さんの目と思想だ。
竹中さんは’80年代初頭から’95年のショップオープン前までヨシムラでレースメカニックを務めていて、そのキャリアのスタートは空冷カタナだった。その後油冷や水冷のGSX-Rへとベースは変わるが、いかにライダーが意のままに走れるか、集中できて疲れないかに向けて車両を作るとことに集中してきた。
その中でパーツや作業として何が必要か、そうでないかを、理由も含めて鍛えた。だからカタナはまさに組んではバラし、バラしては組んだという原点の車両でもある。その中でレースでもストリートでも、ライダーの要求を汲み取って走りに反映させる。そのベース(ここではカタナ)はまずバイクとしてきちんと機能すること。そのためにきちんとベースを作る。
仕様については、分からない点や迷っていることがあるなら、どう使うか、どう乗るのかを伝えて、任せた方がいい。ブライトロジックの提案には、必ず正解がある。もちろんこの車両も、そんな1台なのだ。
Detailed Description詳細説明
この車両は艶ありブラックで同様の作例があり、それを見たオーナーがほぼ同仕様をオーダーした上でマットブラックで仕立てたもの。その見本車同様に前後のカウルはカーボン製で、ミラーはマジカルレーシングのカーボンモノコックボディ、NK-1タイプだ。
ワンボディオールインワンのメーターはエースウェルでフロントマスターはブレンボ、クラッチレバーはdomina。タンクはアルミ製に換装されている。
リヤサスの干渉を避けるようにサイドに造形を加えたシートはスプリーム。ウインカーは超小型の製品をナンバー横にレイアウトしてある。
1135cc化されたエンジンも同店担当・渡利さんが入念に組み上げる安心仕様で、カバーの下側もカット加工されている。キャブレターはTMRφ40mmのMJNを組み合わせた。
フロントフォークはオーリンズ倒立で、アッパーブラケットはブライトロジックのオリジナル。フロントブレーキキャリパーはブレンボCNC4ピストンだ。
サイレンサーはアクラポヴィッチで現代感も創出。ホイールはMAGTAN JB4で[純正サイズ:1.85-19/2.50-17→]3.50-17/6.00-17サイズに履き替える。
リヤサスはオーリンズ・レジェンドツインをレイダウン。ドライブチェーンはRKで、各部リフレッシュと軽さで520サイズが使えるようになった。
ステップはシンプルな1ポジションのオリジナル。オイルキャッチタンクも同店製だ。シフトシャフトホルダーも設けて確実作動=疲れない仕様になっているという。