ヨシムラ刀1135Rを目指しつつ独自の手法も施す
バイク向け大型洋・用品店の顔とカスタムショップの顔を持つ、しゃぼん玉。カスタムに関してはさまざまなヘビーチューンも手がけ、ZRXシリーズやゼファーシリーズ、カタナといったモデルはその中軸にある。中でもカタナはショップオリジナルで純正形状のカーボンまたはFRP外装(フロント/テールカウル、シャークフィン)やスクリーンも販売するなど力が入る。そこでこのカタナだが、全身がきれいな艶のあるブラックで仕上げられ、ある種の凄みも見せている。
「このお客さんも長年当店とお付き合いさせていただいていて、この仕様はひとつの完成と言えます。仕様としてはヨシムラ・カタナ1135Rを目指しつつ、それを超えていきたいというものです」と、しゃぼん玉の代表を務める滝川さんはいう。
その言葉通り、エンジンは1135cc化やオイルクーラーの大型化などが図られ、キャブレターはTMRφ40mmのMJN仕様を装着。車体側は1135Rに準じた補強をフレームに施し(ピボット上は1135Rのプレートタイプでなくボックス形状など、より向いていると思われる手法も駆使する)、17インチホイール化に対するステム変更でのフォークオフセット/トレール量適正化などもきっちり行われている。
「それだけでなく、カタナで前後17インチホイールする時にはポイントがあるんです。18インチ化と同じようにホイールを換えてステムを、というだけにするとテールが低くなってしまう。なので絶妙にテールを上げるように補正してやる。それで見た目もコントロール性も良くなるんですよ」と滝川さん。
フルブラックに仕上げてあるので自然に見えてしまうが、外装はアッパー/テールとも前述のしゃぼん玉カーボン、タンクもアルミとなっていて軽量化にも抜かりなし。
1135R製作当時(2001年)にはなかったパーツ群や、その後に生まれたノウハウも注ぎ込んだこのカタナ、確かに完成と言える仕上がりなのだ。
Detailed Description詳細説明
カーボンアッパーカウルとスモークのスクリーンはしゃぼん玉のオリジナル製品。ミラーはマジカルレーシングのカーボンモノコックTYPE-5ヘッドを使う。
タンクはアルミ製、シートはスプリームの手による。テールカウルも、しゃぼん玉のオリジナルカーボン。外装カーボンパーツはすべて、しゃぼん玉で買えるものだ。
メーターはオリジナルのカーボンプレートにスタックメーターをマウントする。フロントマスターシリンダー/クラッチホルダーはゲイルスピードをチョイスした。
エンジンは1075→1135cc化し1135R同様の取り回しでオイルクーラーへのラインを引く。ウインカー位置も1135R同様の位置としている。フレームは17インチ対応で、これも1135Rに準じた補強が入る。スイングアームピボット上はプレートでなくボックス状補強が入るのだ。
スイングアームピボット上には、カタナでは効果があるとしてかつて多くの車両でも見られた左右フレーム連結・補強バー(写真のシルバーパーツ、左側が前方向)も入る。キャブレターはTMRφ40mmのMJN仕様で、排気系にはチタン4-1を組み合わせる。
フロントはφ43mmのオーリンズフォークをナイトロレーシングのスカルプチャー(フォークオフセット50→37mm)ステムでクランプしてある。
リブ入りのアルミスイングアームはOVERで、リヤショックはオーリンズ・レジェンドツインをロアアダプターを介してセットしている。前後ホイールは3.50-17/5.50-17サイズのゲイルスピードTYPE-GP1SでスプロケットはX.A.M製。サイレンサーはロングタイプのカーボンシェルを使う。