何を付けるかでなく、どう付けるかを考えたスタイル
ひと目で、スーパースポーツからカウルを外してバーハンドルを装着して成立させたストリートファイター・カスタムと分かるこの車両。ユーロ系やストリートファイター系カスタムパーツの販売を専門とするG-zac.com(ジーザックドットコム)によるものだ。
ベースは’92年型のホンダCBR954RR。フルカウルを外したせいか、その面影はフレームとエンジンカバー、あと燃料タンクに残る程度だろうか。フルブラック仕上げというのも、それに拍車をかけている。
「ポイントとなっているのは、その黒への執着です。ボルト類も含めて、あらゆるパーツを黒に統一していこうと思いました」と語るのは、ジーザックの神原さん。ハーレーのカスタムなども行っていくうちにユーロ系カスタムに惹かれ、こうした車両を仕立てるようになったのだと言う。だから単にユーロでなく、アメリカンカスタムの要素も入った、ジーザック独自とも思えるような仕立てになっている。
「フルブラックまで想定したのですが、ホイールは入庫時からコントラストカット(ブラックアルマイト仕上げのパーツを切削加工してアルミ地を削り目とともに出し、ブラックと対比させる手法)だったので、ならばと差し色にシルバーを使うようにしました。ブレーキキャリパーのロゴもそうです。フォークインナーチューブ、リヤサススプリングはシルバーのままですが、同じ考えで対比できていると思います。
また使っているパーツは、専用品はほとんどなかったですから、どれも何かしらの手を加えて装着するようにしています。テールセクションはオリジナルで作りました。こんなスタイルですが、大事なのは何=どんなパーツが付いているかではなく、どう付けるかということかなと思います」
その考えから、神原さんはどのパーツもひとつひとつ位置を吟味した上で全体のバランスが取れるように車両を作り上げたという。
ある意味では異端と取られそうな1台だが、メーターやミラー、ウインカーの処理など、これから参考に出来そうな要素も多い。気になるパーツがあれば、まずG-zac.comのHPにアクセスしてみるといいだろう。
Detailed Description詳細説明
ハンドルはLSL製D2バーを半分にカットした上で、MGM-Bikes製クランプでマウント。バーエンドにモトガジェット製ウインカーが付く。
ステムはARA製、フロントマスターはゲイルスピード・ラジアルポンプ。同じブラックパーツの中から機能製品も効果的に使っているのが分かるだろう。
メーターはモトガジェット製で、インジケーターとデジタル表示をまとめたパネルが小指ほどのサイズという。これがタンク前端に付く。
シートレールやテールライト部などのテールセクションはオリジナル製作して、MGM-Bikes製テールカウルをマウントしてある。
カウルを外してエキパイやエンジン、フレームも丸見えとなっているが、このあたりもブラック処理して単なる露出感を消している。
ステップキットはベビーフェイス製で、当然ながらブラックを選択。マウントボルト類もブラックが選ばれているのに気がつく。
フロントフォークはSC57=CBR1000RR流用で、前後ホイールはパフォーマンスマシン製アルミ鍛造品+コントラストカットタイプだ。
リヤサスはナイトロンでブラックにカラー変更済み。片持ちとしてホイールのコントラストカットデザインを見せるトラス形状のスイングアームは、Gregg's Custom製。アンダーカウルはMGM-Bikes製だ。この車両での使用パーツの多くはG-zac.comでも扱っている。