同じ最新仕様でありつつ仕上がりは個性も込める
カスタムファンにはおなじみのGT-M。ブルドックが長年の経験とノウハウから1台ずつオーダーメイドで作るコンプリートカスタム車という説明も広く知られているところ。GT-MはGenuine Tuning Machineの略で、頭のGenuine=純正の言葉からも分かるように「現行の純正車と同じ感覚で、長く安全に乗れる」という意味が込められるのも周知だろう。
そのためにエンジンの内燃機加工も自社内で行うし、フレームの修正や補強、ディメンション設定といった車体側も自社内で加工。電気系も同様だ。また使用パーツもGT-Mのために作られたMccoyやラヴォランテ(ホイール)で……と、全面的に一貫管理することで車両のパフォーマンスも高めつつ、信頼性や気軽さも持たせてきた。
この車両はそんな中で段階を踏んで製作が進められ、先頃完成形となったもの。Z1000Mk.Ⅱを元に前述のような手順を踏んだが、この車両をYouTubeで見た人がそのスタイルや仕様を気に入って、さらにレプリカで製作オーダーしたというエピソードも後から加わることとなった。
仕様を追っていけば、エンジンは角型のMk.ⅡにZ1000J系加工のツインプラグ仕様ヘッドを搭載。ピストンはこのところのブルドックで人気のφ76mmピスタルレーシング製鍛造品で、スリーブは超々ターカロイ鋳鉄製を組み合わせての、1230cc仕様。ミッションはブルドックオリジナルの6速など、GT-Mの2020年初頭での最新版だ。
車体側も前後17インチホイールを履くように適正化を行ったフレームにアルミ目の字断面のスイングアーム、適正フォークオフセットを持つMccoyステム。シートやハンドル/ステップと、操作感にまで気を遣った作りは、同じくGT-Mの最新仕様だ。
ところで、前述のレプリカは、見本となったこの車両と同じようにセパハン仕様ながらも、使用パーツはゴールドカラーを軸にまとめられていて、ブラックカラーが軸のこの車両とは仕上がりの雰囲気を違えている。作り手は同じで、近い仕様をオーダーされつつもそれぞれに個性化を図る。その辺のさじ加減も、フルオーダーゆえの妙味と言えるだろう。
Detailed Description詳細説明
オフセット[純正60→]35mm/可変式のMccoyステムにホワイトパネルメーター、セパレートハンドルをセットした。左右マスターシリンダーはブレンボRCSだ。小型のステアリングダンパーはハイパープロで、マウント部はフレーム単体時に設定するもの。
シートもMccoyスプリームのZ1000Mk.Ⅱ用をセット。内部も表皮も最適化されることで良好なホールディング性と乗り心地を得ているという。
テールカウルやサイドカバーはMccoyで、アルミの燃料タンクもMccoyブランド。カーボンモノコックボディのミラーはマジカルレーシング製を装着した
エンジンはZ1000Mk.Ⅱがベースで、J系を加工したツインプラグ仕様にヘッドを搭載。ピストンはピスタルφ76mm鍛造でスリーブは超々ターカロイ鋳鉄、ミッションもMccoyt6速クロスでMccoyダイナモワンウェイクラッチキット等も組み込む。
キャブレターはブルドックGT-Mで定番化しているTMR-MJNのデュアルスタック仕様。口径等もエンジン仕様に合わせて決めている。
フロントフォークはオリジナルセッティングのナイトロンNTR43をチョイスした。ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテで、3.50-17/6.00-17の前後サイズを履く。
スイングアームは7N01製5角目の字断面材によるMccoy・TYPE-Ⅱで、最適な車体姿勢を設定している。リヤサスはMccoy Zシリーズ・ナイトロンだ。
排気系は内部4-2-1のWinMccoyチタンフルエキゾーストで、Win Mccoy NEOのブラック×シルバーエンド/ショートサイレンサーを接続する。
ステップはMccoyバックステップのZ1用。そのポジションは、ツーリングにも疲れないように適度な位置に設定している。