ストリートカスタムの楽しさも作り込む
カワサキZ系やホンダCB、スズキGS/GSX系のワンメイククラスを前提としてJD-STERドラッグレースに設けられるVSB(ヴィンテージスーパーバイク)クラス。
そのVSBは3つに分けられていて、ひとつはVSBストリート。鉄フレームで前後18インチ基本に17インチでもセルフスタートできる街乗り車ならOKでレーサーは不可というもの。10.7秒という上限タイムが設けられているからだいたいの改造範囲も想像が付くし、ストリートカスタムが参加しやすいクラスにもなっている。ついでVSBプロストリート。基本的にはVSBストリートに近いけれど、エアシフターとウイリーバーが禁止される。その上でタイム上限がなくなるので、かなり攻めた仕様の車両でもよくなる。もうひとつはVSBアウトロー。これはフレームがノーマルベースならばリジッドリヤサスやウイリーバーもOK(ただしネイキッドスタイルなど細かい指定はある)で、ドラッグレース専用仕様になっていいというもの。
そしてここに紹介する菅野さんのZ1はVSBプロストリート用。’25年JD-STERの第3戦の前日練習日=オープントラックデイで唯一同クラスを走ったものだ。付け加えておけば、’24年のVSBプロストリートクラスのチャンピオンマシンでもある。ここまでに紹介してきたVSBストリート各車と比べるとより低く、ドラッグレーサー的な感じがするが、フレームは1973年式ノーマル。だが他の部分を見ていくと、手を入れたZAPレーシングサービスのノウハウがいろいろと見えてくる。
そのノーマルフレームに組み合わされるホイールはフロントがEXCELアルミリムでの18インチ、リヤが’04~Z750流用の5.50-17インチ。前後とも1インチダウンして車体姿勢をそのままにリヤに190/50ZR17のSHINKOドラッグラジアルタイヤを履けるようにした。スイングアームはZAPレーシングオリジナルのロングタイプにプログレッシブサスペンション・ショック。フロントはPMC・PYB36KZフォークをオフセット45mm(純正は60mm)のPMC/DRAFT・BILLETトリプルクランプASSYでクランプ。文字通りに低く構えて前に車両を押し出せるようなセットアップ。
これに積まれるエンジンは’73年型を元にARIASビッグブロックシリンダーを使っての1260cc仕様。ZAPレーシングでも特に力を入れるヘッドまわりの仕様=ZAPレーシングオリジナルバルブやWebカムシャフト等によってのチューニングできっちりとタイムを詰められるように仕立てられている。
それでいて外装がZ1ベースにショーカスタムのように凝ったペイント仕上げされたりメーターが純正速度計+STACK製ST200タコメーターになっていたりと、ストリートカスタムの楽しさもきちんと作り込んでいる点にも注目したくなってくるのだ。
Detailed Description詳細説明
ウインカーもヘッドランプも残され、一部変更のみでナンバーが付けられる仕様とも分かる。メーターは純正速度計+STACKクラブマンタコメーターST200。フラットなハンドルバーに付くフロントマスターはAPレーシングCP4125-26。クラッチ側は純正ワイヤだ。
エンジンは'73年型Z1(903cc)を元にARIASビッグブロックシリンダー等で1260cc仕様に仕立てる。ZAPレーシングオリジナルバルブやWebカムシャフト、面研等によってのヘッドチューニングでスープアップされる。サイドワインダータイプの右出し集合マフラーもZAPレーシングオリジナルだ。
出力アップに対して外側からもアウトプットシャフトを支えるアウトボードスプロケットサポートもセット。キャブレターはミクニRS、点火はウオタニSP2。ステップはスピードショップイトウ製を使う。
フロントはPMC・PYB36KZフォークをオフセット45mmのPMC/DRAFT・BILLETトリプルクランプASSYでマウントし、18インチのEXCELアルミリムによるワイヤスポークホイールをセット。フロントブレーキはAPレーシングCP4484対向4ピストンキャリパーにフローティングディスクだ。
リヤサスはZAPレーシングオリジナルのロングスイングアームにプログレッシブサスペンション・ショックを組み合わせる。リヤブレーキはAPレーシングCP3696キャリパーに'04~Z750純正ディスク。リヤホイールも'04~Z750の5.50-17サイズを履いている。








