往時のカスタム感を醸し出す当時ブランドにも注目したい
JD-STERのVSB(ヴィンテージスーパーバイク)クラスはVSBプロストリート(’21年の開始当時はVSBプロと呼称)とVSBストリートが10秒7のタイム(スタンディングスタートから1/4マイル≒402.1mの走行タイム)で区分され、’23年からはドラッグレース専用車両によるVSBアウトロークラスを加えた。
VSBアウトローはさておき、Zで言えば街乗りのために作られたカスタム車で出せるタイムの上限が10秒7だろうと想定して決められた区分タイムだった。今ではそれを切るマシン/ライダーも散見されるが、大概はこのタイムより速く走るにはエンジン/シャシーともに街乗りを超えたハードチューンが必要になる。「それなりのコストも覚悟しなければなりません」と、クラスを設立し、区分したJD-STERの見解はこうだ。ということはVSBストリートにはストリート系Zカスタムが参考にしたくなる要素が多いということだ。
そんな前提を頭に入れて、この松永さんのZ1を見てみよう。初期1973年型がベースで、ハリケーンのスワローハンドルやハヤシキャストホイール、BEETアルフィンカバーにマルゾッキのリヤショック、ロックハート・オイルクーラーと、往時のカスタムシーンを彷彿させるパーツを各部に使ったスタイルが目を惹く。N-STYLEによるペイントもそんなパーツ使いを引き立てるような印象だ。そしてノーマル補強なしのフレームに積まれるエンジンはコスワースφ73mmピストンによる1105cc仕様。1月7日掲載の町田さんZ1-R、1月12日掲載の五十嵐さんZ1同様にMG-NESTで手を入れ、ヘッドまわりとエアフローに特に力を入れながら組まれている。その上でクラッチハウジングのZ1000Jコンバートやドライブチェーンの520コンバートと、弱点対策やフリクションロス低減という部分にも配慮しているのは頼もしい。この仕様で松永さんは撮影を行ったJD-STER’25年第3戦で準優勝、安定してポイントを稼いでシリーズでは4位という上位を実現した。チューニングの的確さをライダー松永さんがしっかり引き出したということなのだ。
Detailed Description詳細説明
純正のステムにはセパレートハンドルのポジションをバータイプで実現するハリケーン・スワローハンドル(ブラック)をセット。メーターは速度計が純正、エンジン回転計がPMCでパネルはホワイト化されている。フロントマスターはニッシン・ラジアルのブラック。
エンジンは'73年型のクランク/コンロッド/ケースにφ73mmのコスワースピストンを組んで1105cc仕様に。MG-NESTオリジナルバルブ/KPMバルブスプリング/WEBカムを組み合わせてヘッド面研/ポート拡大、ヘッドガスケット(HBR製)/ベースガスケット(COMETIC製)を組み合わせるヘッド重視のチューニングもMG-NESTによる。クラッチはZ1000J純正を流用する。
フレームはSTDで左に見えるオイルクーラーはロックハート製にNESTオリジナルフィッティング。キャブレターはCRスペシャルφ33mmをアクティブ・ハイスロットルで駆動する。排気系はブランド不明のショート管を使う。
フロントフォークはφ36mmの純正をセッティング、フロントブレーキはAP・CP2696キャリパーをPMC製キャリパーサポートでリーディングマウントしPMC製φ320ディスクに組み合わせてダブルで使う。キャリパー後ろに見えるタイダウンベルトはドラッグレース時のみに使うローダウン用だ。
スイングアームやドラムブレーキはZ1純正でリヤショックはマルゾッキ。ホイールは1.85-19/2.15-18の純正に対してリヤ幅を1サイズ拡大した1.85-19/2.50-18サイズのハヤシキャスト。タイヤはフロントがK300GPの100/90-19、リヤがコンチ・クラシックアタックの120/90-18を履いている。








