ノーマルイメージをキープしつつ高い性能を盛り込む
すみずみまできれいな仕上がりのZ。少し知っていればZ2Aパターンの茶黄タイガーかなとか、リヤのドラムブレーキからもZ1からZ900の純正なんだなと見て取れる。フロントフォーク前側にリーディングマウントされるキャリパーやラバーバンド止めのオイルクーラーで、当時風の通なカスタムかと思う人もいるだろう。そうしたディテールも興味深い。
「ノーマルの雰囲気をあまり崩さないというのはコンセプトでした」とアニーズ・寺田さん。だが続けて教えてくれる内容は、かなり濃いめだ。
「その中で走りという方向には強めに振ってあって、フレームは10カ所程度補強しています。スイングアームはZ1000R用純正を使ったこともありましたが見た目も調整してPMCの丸鉄スイングアームにしています。フロントフォークは純正同径φ36mmのPMC-KYBで、これはスプリングレートを変えてオイル粘度も調整して細かくチューニングしてます。ホイールもアルミリムでフロントは18インチになってリヤもワイドに。タイヤはこのサイズに合うブリヂストンT32」。車体姿勢もいつも通りのアニーズ定番でしっかり合わせられる。対するエンジンはどうだろう。
「ワイセコピストンで1200ccにして(註:これもアニーズ定番だ)クランクはファリコン。ヘッドはWEBカムとビッグバルブを入れてチューンしてます。ミッションもJ系に換えて、これで130PSくらい出てて結構速い。見た目はほんとノーマルライクですけど、シャキッと走ってくれますよ」
排気系もアニーズ4本出しチタンで、よく見ればはっと気づかされるパーツ使いや全体の構成がある。ノーマルルックだからとなめてかかると返り討ちに遭いそう、そんな仕様に仕上がっている。
玄人向けな作りでしょうかね、と、柔らかな口調で教えてくれる寺田さん。これは面白そうだし、確かに侮れない。しかし今Zを入手し手を入れるなら、こんな手法は大いにありで、飽きなさそうだ。
いろいろやった上で一周してたどり着きそうな、これがいいというノーマルライクルックス。その上でオーナーもかつて乗っていたというフルカスタム的な車体&動力性能。これならZの楽しみ、アニーズZへの興味はもっと深まるはずだ。
Detailed Description詳細説明
コントロール性や作動性の向上をにらんでクラッチを油圧駆動として左右マスターをブレンボRCSとする中でリザーバータンクの大きさを抑えて小さめにしているのもノーマルライクにつながるものだ。
メーターは純正の右側ケースにスタックST200クラブマンタコメーターをセット、ヨシムラプログレス2マルチテンプメーターを加えた。ボルト類の使い方にもスマートさが現れる。
外観はタイガーパターンで外装の美しさもしっかり見せている。
シートは純正ベースに加工してホールド性や乗り心地、足つきにも配慮した。
エンジンはφ76mmのワイセコK1200鍛造ピストンで1200cc仕様とし、クランクはアメリカFALICON製を使う。ミッションはZ1000J系に換装し、シリンダーヘッドはWEBカムやビッグバルブを組むとともにチューニング。キャブレターはFCRφ39mmを使う。
排気系は4本出しながら純正よりも10kg軽いチタン手曲げのアニーズ ex4Z。フレームは10カ所の補強で出力を受け止め、オーナーの興味でPMC×アクティブ・パフォーマンスダンパーも備える。
フロントフォークはPMC・KYB36KZでスプリングのレートを変えフォークオイル粘度等も調整。フロントブレーキはAP・CP2696キャリパーをリーディングマウントし、サンスターディスクと組み合わせた。
リヤはノーマルルックでいくためにあえて純正ドラム。ホイールはアルミリムに換わり、フロントを19から18インチとし、リヤもワイド化されている。
リヤサスは下側に補強が走るPMC丸鉄スイングアームにオーリンズKA756ショックの組み合わせだ。110/80R18・140/70R18サイズのタイヤはブリヂストン T32で現代的な走りも見せる。








