
【CUSTOM MACHINE IMPRESSION】K-FACTORY CB1000F
発売から3日後に完成したケイファクトリー製“F”の狙いとその完成度とは?!
ケイファクトリーが目指す 『あの頃』スタイルのF!
目の前には間違いなく2025年型のCB1000Fがある。けれど、なんだか懐かしい。直管スタイルの集合マフラーに、ステップ位置を持ち上げたバックステップ、それに低く構えたコンチハン。ハンドル、ステップ、集合と、まるで『あの頃』のカスタムバイク、いやイジったバイクの姿だ。
▲ケイファクトリーの桑原裕志代表(右)と話し込む企画担当の中村浩史。ふたりは5歳差で、中村にとって桑原さんはアニキ世代だ。レプリカ世代の中村にとっても、桑原さん世代の「あの頃」カスタムは憧れ。
「まだまだ開発が始まったばかりですが、狙いたいのはまさに、’80〜’90年当時のイジったバイクのスタイルです」とは、ケイファクトリーの代表、桑原裕志さん。
62歳になったばかりの桑原さんの青春時代はバイクブームと言われた1980年代の少し前。16歳になってすぐに中型免許(現・普通二輪免許)を取った後、すぐに限定解除(現・大型二輪免許)して、高校2年生でZ750Fに乗り始めた。当時は中型モデルが大人気で、大型モデルは中古で安く買えた時代でもあった。
「当時、一緒に走っていた仲間がCB750FとGS750に乗ってたんです。僕のZと3台であちこち走り回って、やっぱりその頃のことが一番心に残っている。Z900RSの時もそうでしたけれど、CB1000Fを初めて見た時も、その時代のことを思い出しますね。だからウチが作る1000Fも、当然このセンで行きたい、と」(桑原さん)
▲CB1000Fは雰囲気があるし 私たちが手を入れる余地も きちんと残されている (Kファクトリー・桑原さん)
桑原さんはカスタムバイク製作やパーツデザインはもちろん、マーケットを読むのも上手い。カワサキZ900RSが発売されて8年。この間のユーザーやファン層の流れもずっとウォッチしてきた。ユーザー層、使い方、好みのスタイル、欲しいカスタムパーツ……そこまできちんと読まなければ、パーツメーカーのリーダーは務まらない。
「CB1000Fのオーナー層は40歳代以上が中心だと思うんです。1000Fに惹かれる若い人ももちろんいて、あのデザインを新鮮に思うだろうけれど、やっぱり40〜50代のオジサンたちが懐かしいな、ってテンションを上げるバイクになると思います。そういう彼らに響くバイクって、つまりは僕にも響くバイク(笑)」
新CB1000Fを素材に、オーナーもショップもすでにカスタムに動き始めている。オリジナルの750/900Fに近づけるスタイルもあるし、1000Fの各コンポーネントをグレードアップしたい層もいるだろう。その中で桑原さんは『あの頃』を狙うのだ。
2025年モデルだけれど 直管スタイルがよく似合う
ケイファクトリーでは、まずは真っ先にマフラーの開発デザインをスタートした。同社はCLRシリーズのチタンフルエキゾーストが主力製品として知られるけれど、まずは「直管」ことクラシック・スタイル・スリップオン(CSS)を試作した。CB1000Fに直管スタイルがどうフィットするかを見たかったのだという。
「やっぱり直管スタイルは似合いますね。まずはスリップオンでいいからマフラーを換えたいという声に応えたい。そうお待たせすることなく発売できるはずです」
そう、このCSSマフラーはプロトタイプだ。取材時はひとまずレイアウトが決まって、このマフラーをベースに量産形に仕上げていく途中の段階だった。
まず印象的なのはそのサウンド。エンジンをかけると、ノーマルでも特徴的だった不整燃焼のキャラクターが残されている。スムーズすぎない、クリアすぎないサウンドに仕上げてあるが、それが一段階太く、それでも音量はあくまで控えめ。お、マフラー換えてるな! って雰囲気は伝わってくる。
▲テストが繰り返されるスリップオン それでもCSSはいいサウンドを奏でる!
発進すると、スロットルの開け始めでトルクがひと回り上乗せされている感じ。特にスロットル微開で車体をグッと前に押し出す力が強くなっている。
CB1000Fをストリートで走らせる時に一番使う回転域は4000回転周辺だが、このあたりのピックアップが鋭く、力強い印象だ。
ワインディングに入り、スロットルを開け方向で走っていると、エンジン回転は6000回転周辺。このあたりではエンジンがもっと回ろうとするキャラクターに変身。ガウガウとバラつくように吠えていたサウンドが徐々にクリアになり、「これぞ集合管」という官能の音になっていく。これが桑原さんの狙う出力特性なのだ。
「ノーマルのエキゾーストパイプにスリップオンマフラーを組み合わせる、このCSSは4-2-1レイアウトになります。低回転のトルクをもっと出すためにも4-2-1はベストですが、CB1000Fはノーマルですでにこの回転域のトルクは十分。だから中〜高回転に振ってみたんです。もちろん、フルエキゾーストほど性能アップは際立たないけど、新しくオーナーになる人には、これくらいがいい雰囲気に感じると思うんですよ」
集合マフラーのメリットである出力特性の改善より、まずはスリップオンで気持ち良い回り方やサウンドを形にしてみたというわけだ。そして、それ以外にも様々なパーツの開発にもトライしている。
ノーマルから大きく変わったのがライディングポジションで、ハンドルは低くステップは高い。いかにもイジったF、という位置や形状に変更されている。
「ハンドルは純正より少し低く。ステップは兄弟車のスポーツネイキッド、CB1000 HORNETと同じくらいの位置にしたけれど、やり過ぎでした。テストで長距離を走ったら膝が曲がりすぎて疲れたから、ここは要変更(笑)」
足まわりはかつてケイファクトリーがTOT・ZERO1クラスで走らせたニンジャレーサーからの転用であくまで仮の仕様だが、前後にカーボンホイールを履き、オーリンズの正立フォークにショック、前後ブレンボキャリパーにアルミスイングアーム装備と超豪華仕様。ここまでの仕様にすることも可能というサンプルだ。
▲『あの頃』のCBに仕立て上げたい 1台はフレディ号、2台目は巨摩郡号に?!
「CB1000Fは2台が手元にあるけれど、弊社のデモバイクとしてフレディ仕様のAMAスーパーバイク仕様と、バリバリ伝説の巨摩郡仕様を作りたいと思っています。Z900RSやCB1000Fは、パフォーマンス向上も大事だけれど、『あの頃』をキーワードに作りたくなりますよね」
CB1000Fが多くのオーナーの手に渡る、’26年の年明けにはパーツラインナップはもっと充実している予定とか。その完成を期待するとともに出来あがり次第、引き続き、お伝えする予定だ。
まだまだ開発中パーツばかりだが CB1000Fの市場を盛り上げたい!
すでに初期生産予定台数を超えてバックオーダーの処理に追われているというホンダCB1000F。「購入したライダーの皆さんの手元に届くまでに、CBに対する興味をどんどん大きくすることでマーケットを盛り上げたいですね」と桑原さん。
いの一番に開発を始めたCSSマフラー。排出ガスと音量規制をパスして市販へ向かう。スリップオンマフラーのCSSはノーマルエキパイを耐熱塗装すればワンピーススタイルを演出できるアイデアが特長だ。
消音ボックスを設けずキャタライザーを内蔵して排出ガスと騒音規制をクリア。
ショーバイクとして組んだという、φ43㎜オーリンズ正立フォークにラジアルマウントのブレンボモノブロックキャリパーを装着する豪華仕様だ。
スイングアームはワンオフで、BSTカーボンホイールはTOTレーサーからの転用品を使う。
ステアリングステムも正立フォーク用にワンオフしたが純正フォーク用も開発中だ。
6.25インチのリヤホイールに履かされた200幅のタイヤは大迫力!
ひとまずCB1000 HORNETと同一のステップ位置としたライディングステップ。形状は変更されるが、ステップポジションは可変となる予定だ。
ハンドルバーはマジカルレーシング製カーボン。アルミ削り出しのレバーガードも市販予定。効果はもちろんアクセサリーパーツとしての存在感も大。
【協力】ケイファクトリー TEL072-924-3967 〒581-0815大阪府八尾市宮町5-7-3 https://www.k-factory.com/
※本企画はHeritage&Legends 2026年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
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