
Zとともにある“F”への憧れを僅か3日の短期間で落とし込んだ意欲作! ・ケイファクトリー
三つ子の魂百まで?! まずはFへの想いを反映
『パーツメーカーとしてユーザーにカスタムの夢を見てもらうのが使命』。そう謳い続けるのがマフラーを主軸にアルミビレットパーツ等各種カスタムパーツを開発、製造販売するケイファクトリー。近年ではZ900RSやKATANAでも、数々のアイデアを織り込んだデモバイクをいち早く提案し、マーケットを驚かしてきた。
そしてこのCB1000F。同車が登場するはるか以前からディーラーに予約を入れ、発売当日に入手。その日からすぐにカスタムパーツの開発に着手するという力の入れよう。その3日後にはこの姿を見事に具現化していた。
▲これまで同社が製作した3台のZ900RSカスタムをバックにケイファクトリーCB1000Fを撮る。かつての空冷ZとCB-Fがそうであったように、新生CB1000Fの流麗なスタイルはネオクラシックバイクの領域でもひと世代進んでも見える。
「現在付いている弊社のパーツはすべて試作品ですが、まずはカタチにして見せることでCB1000Fに興味を持つユーザーにインパクトを与え、同車へのニーズをさらに刺激したかったんです」と言うのはケイファクトリーで開発を担当する桑原健二さん。
▲CB1000F用パーツの開発を手がけるのは桑原裕志社長の実弟、健二さん。空冷Fが現役の当時は免許取得に至らなかったが、同車への想いは人一倍だ。
現在53歳の健二さんにとって、モチーフとなった空冷“F”と初めて出会ったのは家に出入りした兄にして同社代表、桑原裕志さんの友人が乗っていた初期型CB750F(’79年・FZ)。その印象は今も強烈に残っている。「CB1000Fのデザインは実車を眺めても洗練されていますね。
並べてみると人気を博したZ900RSがひと世代前のバイクに見えてしまうほど。でも一方で我々アフターマーケットが手を入れてブラッシュアップする余地は十分に残されて見える。かつてのホンダ車とはひと味違う、カスタムして楽しんで──と言ってくれているようにも見えます」(同)
実際、ホンダ関係者への取材時には同様の声を聞いたし、大手パーツメーカーやディストリビューターには事前に配車され、発売以前からデモバイクが次々と発表されたのも、そんなホンダの意図によるところなのだろう。
「手元に届いた“F”はすぐにデモバイク製作のためにバラしてしまいました。ディーラーさんに頼み込んでノーマルに乗せていただいたんですが、軽いし乗りやすい。ライディングポジションだけ言えばCB750(RC42)に乗っているみたいにコンパクト。足着きもいいし、Z900RSについて巷で言われるネガをすべて研究してツブしたみたいですね」(同)
そのキャラクターをベタ褒めする桑原さんだが、気になるのは今回装着されたパーツの発売時期だ。
「まずはマフラー。装着してあるワンピーススタイルを手軽に楽しめるスリップオン、CSS(クラシックスタイルスリップオン)マフラーですね。年明けにはこのCSSのほかにフルエキも発売しますが、やはり僕が最初に“F”に出会った’80年代ルックのCSSを推したいです(笑)。ビレットパーツも、純正フォーク用のトリプルツリーやスイングアーム、バックステップなど大物からドレスアップパーツまで順次。ホーネットで事前収集した採寸データや蓄積したノウハウで、早い時期に市販品もご覧いただけるはずです」(同)
子供の頃から“F”に接し憧れた健二さん。CB1000F用に展開される製品群に、その想いは存分に表現されるはずだ。
次々と湧き上がるイメージとアイデアをまずは具現化して見せた第一形態
“第一形態”と書き込んだのは、健二さんにはその頭の中にカスタムアイデアがあふれているから。今後もケイファクトリーの新作パーツからまだまだ目が離せないのだ。
▲オーリンズ製φ43㎜正立フォークに装着されるブレーキキャリパーはブレンボの484cafe racer。フロントフェンダーはマジカルレーシングのカーボンで、ケイファクトリーによるワンオフのスタビライザーで吊られる。フロントホイールは南アフリカ・BST製カーボンで、サイズは3.50-17。タイヤはピレリのディアブロ スーパーコルサSCでこちらのサイズは120/70ZR17。ハンドルまわりでは、.バーハンドルはマジカル製で、レバーガードやバーエンドなどはケイファクトリーがラインナップする汎用品が装着されている。
▲アルミ削り出しのトリプルツリーはオーリンズ正立フォークをCB1000Fの足まわりを装着するためにワンオフされた。下は3Dプリンターによる試作だ。なお、純正フロントフォーク対応品も現在並行して開発されている。
▲エンジン内はSTDのままだが、すでに販売中のラジエーターコアガード(1万9800円~2万3100円)のほか、以下近日発売予定(価格未定)の左右エンジンスライダー、上のフロントホイールまわりの写真にも見えるフロントアクスルスライダー、本文にもあったCSRフルエキスタイルを彷彿させるクラシカルなフォルムをスリップオンで実現できるCSS(クラシックスタイルスリップオン)マフラーも装着される。CSSはノーマルのエキパイ部をブラック耐熱塗装するだけでフルエキ風を手軽に装えるアイデア品として、先行販売中のZ900RS用でも人気のマフラーだ。
▲ケイファクトリー定番のライディングステップも市販化間近の製品だ。写真はその開発途上品で製品版では若干のデザイン変更が施される予定という。
デモバイクとしてあえてリヤに6.25のBSTホイールをチョイスし太目の200/55ZR17タイヤを履き、’90年代のカスタムを彷彿させる迫力のリヤビューにはグッとくる向きも多いはず。リヤショックはオーリンズ、スイングアームはケイファクトリーのオリジナル。チタン製ナンバープレートホルダーもケイファクトリーだ。
【協力】
ケイファクトリー TEL072-924-3967 〒581-0815大阪府八尾市宮町5-7-3 https://www.k-factory.com/
※本企画はHeritage&Legends 2026年1月号に掲載された記事を再編集したものです。
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