ルックスも仕様も走りもお気に入りで距離が伸びていく
CB-Fカスタムと聞いてすぐ思い浮かぶ車両。北米仕様FBベースのAMAスーパーバイク・フレディ・スペンサー車と双璧をなすのは、FB赤にセパレートハンドルを装着した巨摩 郡のそれ。このFBもそれにかなり近く見える。
「19歳で大型免許を取って、乗るならCBだなってノーマルを買って乗ってたんです」と、オーナーのはまちゃんさん。仕事で一時期名古屋にいたということで、近くてCB-Fを多く扱っている安田商会(同店の所在する稲沢市は名古屋市の隣だ)を見つけてメンテナンスやカスタム化を図っていく。
「ワイセコピストンで890cc化して、フレームもお任せで必要な部分を補強してもらいました。足まわりも前後17インチにしています」
17インチ化はXJR1200後期型純正パーツおよびホイールなど適合アフターマーケットパーツ、安田商会のオリジナル17インチ化用ステムを組み合わせて行われた。ステムを製作していることから分かるように同店では定番として確立している手法だから、機能的にも構成も問題なしだ。
この仕様でストリートはもちろん、ツーリングにもキャンプにも、そしてサーキット走行もと、はまちゃんさんはどんどん走行距離を伸ばしていった。今でこそ少し減ったというが、サーキット率も半分はあると、普通考えるよりもかなり高い。昔で言うところの走り倒し系とでもいう感じで、それはこの仕立てをはまちゃんさんが気に入っているから信頼し、自信を持って走れるということ。
そうそう、サーキットも走るのだからセパレートハンドルなのか、ルックスについても聞いておこう。
「実家に『バリバリ伝説』が置いてあって、それを小さい頃から見てたのでこれだよねって思ってたんです」
何とストレートな答え。バリ伝、コマグンのFB、いや、CB子(シビコ)ちゃん。それに同じ色にセパハンに全体感。ならば持っていても作りながらも走っても楽しいというわけだ。そんなお気に入り、今後はどうするか聞くと、走行距離が伸びたしエンジンも回したのでまずオーバーホール。CB900Fシリンダーをベースに使ってまた違う世界を見るのも楽しいかなとはまちゃんさんは言う。充実した作りの先の想像もできているという点にも、感心したくなる。
Detailed Description詳細説明

CB-Fらしいホーンやウインカーをそのままに、全体のイメージを特徴付けるセパレートハンドルにバトルファクトリー製をセット。フロントマスターはゲイルスピードVRC。メーターケース前に付いたステーはサーキット走行時のゼッケンプレート装着用だ。

安田商会オリジナルステムで後期型XJR1200のφ43mmフォークをクランプ、純正メーターの手前にはヨシムラPRO-GRESS2マルチテンプメーターをセットする。

シートはオリジナル仕様でライディング時のホールディング製を高めるものだ。

主な作業は安田商会で行われていて、フレームはネック周部やピボット上などを補強。ステップはOVER製を使う。

エンジンはCB750Fベースにワイセコφ67.5mm鍛造ピストンを組んでの890cc仕様となっている。今後のオーバーホール、また900Fシリンダーをベースにもう少し排気量を大きくする案もある。

キャブレターはFCRで当初φ35mmを付けていたが今は譲ってもらったφ37mmに変更している。排気系はヤマモトレーシング・チタンエキパイにSSPファクトリーサイレンサーの組み合わせだ。

フロントブレーキはブレンボ・レーシングアキシャル4ピストンキャリパー+ブレンボSuperSportφ320ディスクで前後ホイールはゲイルスピードType-GP1Sの3.50-17/6.00-17サイズ。

リヤブレーキはブレンボ2ピストンキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。前後ともにブレーキパッドはエンドレスのレーシングシンタードパッドを使う。

リヤサスはオーリンズ・グランド・ツインにXJR1200スイングアームの組み合わせだ。