水まわりを主に留意し、いい状態のベースに良さを上乗せ
リヤモノショックのノジマNJ仕様・ZRX1200R。最近作られたようだが、じつは20年近い車歴の中でそのNJ化含む各部のカスタムを積み上げてきたという。
「当店が開店して2年くらいして、紹介でいらしたお客さんのものなんです。その頃当店で展示していたZRX1200SのNJ仕様をご覧になって、“いずれはカスタムを”という思いも込めつつ車両を入手されたんですね。’07年にはハンドルを換えてハイスロ化、’09年にはノジマ・ファサームプロチタンマフラーを入れて乗って、’13年には左右マスターをブレンボ削り出しにしています。その後も メンテナンスしてオーリンズフロントフォークやマルケジーニホイールへ換えてとカスタム化が進んだんです」
こう、K-2プロジェクトの北村さんはこのZRX/NJ-2の履歴を説明してくれる。
「この時にトップブリッジは1度換えているんですけど翌’14年、NJ化した時にステムもウイリー・モノブロックに換えています。この時に合わせてポジションも見直そうとシートをトゥーズカスタム・スプリームにして、さらにペガサス製バックトルクリミッターを組みました」
続いて’16年にラジアルマウントキャリパーやK-2特注サンスター・ワークスエキスパンドディスク組み込み、トリニティガレージナカガワの点火ユニットHIR(ハイパーイグニッションリーダー)とコイル一体プラグキャップDIS(ダイレクトイグニッションシステム)化。同時にエンジンの圧縮を調整してレギュレーターとバッテリーを新品にしている。
’17年にノジマセッティング(これはNJ化時に行われた)の純正CVK36からFCRにキャブレターを変更。’18年には純正燃料タンクのクリア塗装がヒビ割れてきたことから、YFデザインで純正パターンのヘアラインアルミ調ラインを軸にフルペイントする。
まだ続く。その後’19年にチタンウォーターパイプ化するとともにウォーターポンプとホースを一新し、’21年にヨシムラST-1カム組み込みとシリンダーヘッドまわり調整、ステムベアリング交換にフォークのRWU化を行って仕上がったのが、この姿だ。当然だが他の細かい部分にも多数の手が加わっている。
「距離を乗られる方ですし、その後も定期整備を続けています。ベースができてこそのカスタムだと考えていますから、メンテナンスしながら手を入れる。一番は水まわりで、サビは起こしたくない。なのでポンプやホースを一新してウォーターパイプもチタンにしたんですね。クーラントは年1めどで点検して、ラジエーターキャップは車検を目安に交換するといいと思います」
ZZR1100/1200やZX-12/14/14R等カワサキ旗艦系が多く集まるK-2プロジェクト。ZRX系はZZR11100エンジンを元にしたユニットを積むゆえに気遣いたいところは同じ。この車両に施され、ここで述べてきた履歴はその実践とも言える。調子がいいからこそその先が狙えるのだということは忘れないようにしたい。
Detailed Description詳細説明

ステムはウイリー・モノブロックトリプルツリーでフォークオフセットはZRX1200R純正に同じ28mm。ハンドルはハーディーバーでメーターにはヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加する。外装は純正チックなイメージを狙いながらYFデザインでフルペイントして高質な印象も得ている。

ステムはウイリー・モノブロックトリプルツリーでフォークオフセットはZRX1200R純正に同じ28mm。ハンドルはハーディーバーでメーターにはヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加する。外装は純正チックなイメージを狙いながらYFデザインによるフルペイントで高質な印象も得た。

シートはスプリームシートに換装。NJ化によってリヤ両サイドには本来のツインショックは存在しなくなっている。

ステップはARATA。クラッチレリーズはウイリーZRX1100・1200専用ケーブル式スピードメーター対応 油圧クラッチシリンダーで、この車両ではウイリー製の2個目。ドライブチェーンは先頃RKの530RXWに換えた。

エンジンは本文のような順で手が入るが1164ccの排気量等は純正を維持。カムはヨシムラST-1で'15年にプロト・ラウンドラジエーター化とミッションの5→6速化も行っている。点火系はTGナカガワHIR+DISで強化されている。

キャブレターはNJ化した当初は純正CVK36のノジマセッティング仕様で、後に現在のようにFCRφ39mm+K&Nフィルターに変更した。

マフラーはNJ化に先駆けて使ってきたノジマ・ファサームプロチタンマフラーだ。

フロントフォークはオーリンズ正立を経てオーリンズRWUに。フロントブレーキ系も複数の変更を経てウイリー・キャリパーサポートでブレンボ・レーシングラジアルCNC 4PキャリパーをセットしK-2プロジェクト特注のサンスター・ワークスエキスパンドディスクを組み合わせる。

リヤブレーキはブレンボGP2-SSリアキャリパー+サンスターディスク・スリット&ホール。

ノジマNJモディファイサービスによってリヤ・モノサス化(NJ-2)している。そのためリヤサスはノジマNJ仕様指定のオーリンズモノショック+Nj仕様のウイリースイングアームとなっている。ホイールはアルミ鍛造のマルケジーニM7RS Genesiで3.50-17/5.50-17サイズを履く。