ベースをきちんと作り定期整備もしっかりと行う
まさに独自と言えるキラキラしたフレアパターンを主に、カスタムらしい作り込みが全身からあふれるZX-11D。K-2プロジェクトの北村さんに内容を聞いてみた。
「もう20年ほど当店に遠方から通ってきてくださるオーナーさんの車両です。走ることも好き、外装をいろいろ変えていくのも好きな方で、今はZX-11純正カウルにZX-9Rのヘッドライトが付くようにした上で、カラーフォースさんが塗装しています。本物の貝殻を貼り付けつつデザインしたそうです」
かなり凝った仕様の外観への手の入れ方だが、車体の内容もこの凄さに負けないような独自性が見えてくる。
「エンジンは(K-2が今の場所に)引っ越しする前に手を入れていて、ワイセコピストンを精密重量合わせして1052から1109cc化、ヨシムラST-1カムを入れてポート加工。ヘッド面研、クランクはダイナミックバランスして、ミッションはその頃はまだ新品が出たので新品に交換してシフトフォークにシフトシャフト、シフトドラムと合わせてWPC処理をしました。
車体側もウイリーでモノブロックステムをワンオフして、オーリンズフォークを以前当店で行っていた“レゾン”モディファイして装着。リヤもオーリンズでその当時あった“Xコンバージョン”にモリヤマエンジニアリングの車高調整を合わせてアドバンテージ・スイングアームを組んでいます。
ホイールもマグネシウム鍛造のマルケジーニM10RでこれはBPナカヤマさんでマグ用リフレッシュ塗装しています」と、北村さん。
ほかにも細部まで手が入る、まさにフルと言えるカスタム。撮影時にはラジエーターにウォーターポンプ、ホース等の水まわりをフルリフレッシュしたところだった。これは距離相当で行う大事なこと、と北村さん。それだけでなく、キャブレターも新品、前後足まわりもオーバーホールされて燃料タンクも点検、ブレーキも腐食が見られたのを機に交換と、劣化を排してアップデートも行う作業が加えられていた。
これだけのベースが作られていれば、遠方からの通いも苦にならないし、外装で楽しむ余裕の気持ちも生まれる。またもなるほどと思わされた。
Detailed Description詳細説明

外装はZX-11Dの純正ベースでフロントカウルにはZX-9R用ヘッドライトをビルトインする。

本物の貝殻(シルバーできらめく部分)を使って独自感にあふれる仕上げとしたペイントはカラーフォースで行った。

サイドカウルとアンダーカウル、シートはアウトリズムドットコム製だ。

ステムはウイリー特注ワンオフのモノブロックステムでハーディー・ハンドルバーを組み合わせ、左右マスターはブレンボCNCレーシングを使う。ヨシムラ・デジタルマルチメーターも追加される。

エンジンは2mmボアを拡大したワイセコφ78mm鍛造ピストンを精密重量合わせした上で組んだ1109cc仕様で、ヘッドはヨシムラST-1カムを組みポート加工と面研。クランクはダイナミックバランスし、ミッションは新品交換してシフトフォークにシフトシャフト、シフトドラムともにWPC処理というフルメニュー。軽くスムーズな仕立てになったという。オイルクーラーはプロトで、今回は水まわりをフルリフレッシュした。

キャブレターもこれまで装着していたFCRφ41mmを改めて新品に換装している。

フロントフォークはオーリンズ正立をモディファイして装着。フロントブレーキはブレンボ・レーシングラジアルCNC 4Pキャリパーで、走行距離が多いことからフロントディスクは2セット目。今はサンスター・プレミアムレーシングディスクを使っている。

リヤブレーキキャリパーはブレンボCNC 2Pキャリパー。リヤサスはオーリンズXコンバージョンショックをモディファイして、アドバンテージ・スイングアームにセットする。

3.50-17/6.00-17サイズのホイールはマルケジーニ・マグ鍛造のM10Rで、左出しのエキゾーストは最初の入庫時から装着されていたものだ。