愛車整備のマストアイテム=メンテナンススタンド使用法を J・TRIP製品で改めて復習!/J・TRIP(森製作所)&カスタムファクトリー刀鍛冶

愛車の点検や整備、そして清掃をより効率的にこなそうとすると、どうしてもほしくなる必須アイテムがリヤ用メンテナンススタンドだろう。ただし、多くの旧車には前時代的なスイングアームが付いているから、今風のV字受けや貫通シャフトタイプのスタンドは使いにくく、昔ながらの定番、L字型の受けを使わざるをえない。ここではそんなL字型受けのリヤスタンドを、いかにスマートにそして正確に掛けるか、そして留意点を、カスタムファクトリー刀鍛冶で改めて学ぶ。知っているつもり……のアナタもぜひ復習されたい。

正しい使い方を知ってより安全に作業したい

日常的な愛車整備を進める上であると便利、またワンランク上の整備を目指すときにもほしくなるのがメンテナンススタンド。特にリヤスタンドはまず先に手に入れたくなる必須アイテムといえる。

そして数あるメンテナンススタンドの中で安心と信頼を謳う純国産品を販売するのが、J・TRIPブランドを展開する森製作所だ。同社製品は国内外のレーシングチームが数多く使用。レース好きならパドックでそのスタンドを目にした向きも多いことだろう。

そこで今回は、そんなJ・TRIP製品で、リヤスタンドの正しい使い方を学び直したい。サンプルとしたのはほぼ全車種で使えるL受けを装備したリヤスタンド。同社製品には中空アクスルシャフト内を通すものや、スイングアーム側にフックボルトを装着して受けるV受けもある(詳細は同社HPを参照)けれど、’80年代旧車の純正スイングアームに掛けるなら、このL受けの選択となる。

取材に協力いただいたのは、カタナや油冷系エンジン車を軸に扱うプロショップ、カスタムファクトリー刀鍛冶の石井さん。T.O.T・ハーキュリーズクラスで油冷カタナを走らせることでも有名。

発売元の森製作所では万一のバイクの転倒を避けるため、スタンドの上げ下げ時にはふたり以上での作業を推奨していることも予め書いておく。モデルの刀鍛冶、石井さんはプロメカニックとして、ここではひとりでの作業を見せてくれている。自信がなければ躊躇なく助っ人を頼むべきだ。

さて、そんなリヤスタンドの使い方の要所は以下の4点になる。

①車体がスタンドのセンターに来るように、予め受け部の左右調整をして、マウントボルトをしっかりと締めて固定しておく。
②次にフロントブレーキを効かせてハンドルは左(サイドスタンド側)に切っておく。
③受けはリヤアクスルシャフトの少し前、スイングアームが前方に向かって絞り込まれ始める直前のポイントにかける。
④リヤスタンドを立てる際はナンバープレート横に立ち、バイクを直立させ左手で支え、右手はヒジを伸ばしてあわてずに力を加える。

なお、スタンドの使い方については下記のほか、J・TRIPのHP内で動画も使い丁寧に説明しているから、こちらもぜひ参照してほしい。

 

今回のデモで使ったのは純国産のJ・TRIPフラッグシップのメッキスタンドシリーズ

メッキショートスタンド本体【JT-125PT】2万3408円、L受け【JT-104L2】4312円

・メッキフロントスタンド【JT-1162PT】4万1118円

今回使用したのは、J・TRIPの最上級モデルというべき、メッキスタンドシリーズのショートスタンド(写真上、)。美しいめっき処理までのすべてが日本国内で施される逸品だ。同シリーズにはほかにフロントスタンド(写真下)や、より力を掛けやすいロングスタンドもラインナップされている。

 

使用方法を理解して、正確に正しく使う


01.車体がスタンド左右幅の中央に来るように受けを調整してネジでしっかり固定。


02.フロントブレーキをかけてハンドルを左に切る。レバーロックに使ったのはJ・TRIPが販売中のブレーキレバーロック20【JT-1042B】(660円)だ 。


03.スタンドを立てる時にはシート後方、ナンバープレート横に立つ。


04.車体をしっかり支えながら引き上げるというより、スタンドの車輪を使って送り込むイメージ。車体側にタンデムグリップがあればそれを、シートを外してシートレールを使って車体を支えるのもいい。足で踏んで起こす際にも車両が倒れないように両手でしっかり保持を。


05.L受けをリヤアクスルシャフトの少し前に掛けるのは、チェーンの清掃や、アクスルシャフトの抜き差しを考えてのこと。前に掛け過ぎるとせっかく調整した受けとスイングアームの幅が合わず、車体が落ちることもあるので注意。

 

【春の新作!】ステムなどフロントまわりの作業に便利なクレードルフレームスタンド!


J・TRIPの、この春の新製品がフレームのアンダーループを使ってバイクをリフトできる、クレードルフレームスタンド(写真は開発途中品)。車輪部は脱着式。高さは4段階、受け部の幅調整も可能。ハンドル部は脱着式で不使用時はコンパクトになるのも、プライベート使用には嬉しい。価格は3万8500円。

【協力】

J・TRIP 森製作所 TEL072-941-5151 〒581-0882大阪府八尾市恩智北町1-62-1 http://www.j-trip.co.jp/

カスタムファクトリー刀鍛冶 TEL0721-55-2614 〒584-0085 大阪府富田林市新家1-2-18 http://www.katanakaji.com/

 

※本企画はHeritage&Legends 2025年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。