間違いない高レベルのZを手に入れるなら注目の車両
Zを手に入れたい、憧れている。登場50年を超えてもなお、そう思うライダーは絶えずに存在する。できればいい状態の車両がいいし、何がいいかを知りたい。そんな時に参考にしたいのが、このブライトロジックによるKZ1000だ。
ワイセコピストンで1075cc仕様としてTMR-MJNφ36キャブレターに同店オリジナルφ42.7mmマフラーを組み合わせたエンジン、前後18インチ仕様という概略。ここで注目したいのは、この車両が仕立てられる時の各部への配慮、そしてパーツの選択理由だ。まずフレームは状態を把握した上で修正と補強を行い、ダイヤモンドコート仕上げ。KZとZで形状が異なるサイドカバーは、Z用のものが付けられるように加工する。組み合わされるスイングアームは取り付けたときの精度が良くスムーズに動き、チェーン引きも正しく軽いとしてモリワキアルミを選択している。
フロントフォークはKZ純正の新品を用意しアクスルシャフトもステンレス製新品に。ブレーキキャリパーはセンター出しもきちんと行い、キャブレターは新品を用意したからとそのまま組むのでなく、1度仮組みし、その後に分解・再組み立てして組まれる。内部まできちんと状態を知って、ネガがないかも確認し、組んで何かあったときの原因を突き止めやすくするためでもある。
旧車で一番気になる電装はアップデートも兼ねてレギュレーターは最近の車両用、点火はウオタニ、ワイヤハーネスは新品をいったんフレームに這わせて車両に合う長さに細かく調整する。ネジ穴も1度ネジを通して再組み立て、車体まわりのボルトはステンレスを削り出した軽量キャップボルトを用意する。もちろんフロントマスターはブライトロジックで必須のブレンボで、車両イメージに合うクラフトマン製リザーバーを使う配慮もされる。
同店・竹中さんが常々教えてくれる、純正でなくてもいいものは使うべきという内容と、細部にまで及ぶこのような配慮に、正しい組み。それで最高と言えるような仕上がりの車両となっている。今ではベースになる車両(ここではZ)の価格が高くなり、新規製作するのは難しいとも竹中さんは言うが、それでもZを探したいなら、同店HPもチェックすることを勧めたい。それほどに高質な作りと配慮による1台なのだ。
Detailed Description詳細説明

メーターは純正でETC2.0車載器も追加。フロントマスターはブレンボ鍛造でリザーバータンクをクラフトマンのアルミ製ブラックとしてZの全体感に合わせてある。

燃料タンクほか外装はKZ1000だが、サイドカバーはZ1用に換えた上でこの車両の1075cc仕様に合わせて1100エンブレムを装着。

ステップはブライトロジック製Zでよく使うモリワキ製より少しバー位置を下げたものをオリジナル製作した。

スプロケットカバーはPMC製削り出しで、内側にカーボンカバーを追加してスプロケットを文字通りにカバーする。これもブライトロジックでは標準のスタイルだ。

エンジンはワイセコφ72mm鍛造ピストンによる1075cc仕様で、シリンダーを0.1mm面研。クラッチはハウジングを軽量化してアドバンテージF.C.C.強化クラッチを組むが、レリーズにPMCイージークラッチキットを使いクラッチ操作を軽くして低速の取り回しを楽にした。ミッションはギヤ歯面取りも行い、ワイヤハーネスはPMC製を加工して使う。

ショート管スタイルのマフラーはブライトロジックオリジナルの4-1だ。

キャブレターはTMR-MJNφ36mm+パワーフィルターで、フィルター先端はサイドカバーに収まるようにマウントされる。

フロントフォークはKZ1000純正φ36mmでアクスルシャフトはPMC Z1/Z2 アクスルシャフトセット ステンレス。フロントブレーキはAP・CP2696キャリパーをリーディングマウントとしてサンスター・ネオクラシックディスクφ310mmを組み合わせる。

リヤブレーキはAP・CP2696キャリパーにサンスターディスクの組み合わせ。

リヤサスはオーリンズ・レジェンド・ツイン(KA132)ショックを軽くて精度が良く作動もスムーズというモリワキアルミスイングアーム(Z SWING ARM 4.5inch)にセット。前後ホイールはアルミ鍛造のPMCソード・ヘリテイジでサイズは2.75-18/4.50-18。ドライブチェーンはRKの530XREを使う。