スポーティでカッコイイ! をテーマに完成をみたハヤブサカスタム・カラーズインターナショナル
主力はマフラーも将来を見据えカーボン領域も拡大
’90年代を知る古くからのカスタムフリークにとって、ストライカー・ブランドといえば多くの車種向けをラインナップするマフラー、そしてカラーズインターナショナルを率い、古くは全日本RRやアメリカAMA、WERAでも活躍した代表・新さんの顔が思い浮かぶに違いない。そんな同社の新しい顔が、これまで多くの取材にも度々応対してくれた製品開発担当の高橋さん。バトンを渡した新さんは今後もEA(エグゼクティブ・アドバイザー)として、同社に関わるという。新さんがEAを名乗るのは、会長という職名に馴染めなかったから、高橋さんが笑いながら教えてくれたのは、冒頭からの余談か。
さて、そんなストライカーの新製品としてリリースされ注目を集めているのが『STRIKERエアロデザイン“SAD” ウイングレット』(以下、ウイングレット)と、『STRIKERエアロデザイン“SAD”リアフェンダー』。最近のストライカーではカーボン製品のリリースが目立つが、その辺りから高橋さんに聞こう。
▲2024年の春、新社長に就任した高橋秀行さん。カラーズインターナショナルの地元・神奈川県横浜市出身で、大手パーツ量販店勤務を経て'14年にカラーズインターナショナル入社後は、パーツ開発に腕を奮う。
「今までのストライカーのイメージが大きく動くことはありません。やはり主力は新が築き上げてきたマフラー。そしてハンドルまわりやバックステップなど、いわゆる削り出しのパーツ群です。カーボンパーツはそれらに比べれば新しいチャレンジとして取り組みたい。例えば先のマフラーは将来、電動バイクなど内燃機以外の2輪が伸長する時が来たら、先細りするかもしれない。カーボンパーツはそれを補完する意味合いも持ちます」と、高橋さんは言う。
カーボンパーツについては、ストライカーはドレスアップパーツと位置づけるが、新作ウイングレットには機能性も付加された。
▲ドライカーボン製の、そのウイングレットの人気は上々。第1ロットは発売直後に完売したそうだ。
「ウイングレットは『こんなモノはできないか』というお客さまからの提案が発端。当初はMotoGPオマージュのドレスアップパーツとして考えましたが、やはり空力パーツの側面もありますから、走行中に車体がブレたり想像を逸脱した動きをして、ライダーを危険にさらすわけにはいきません。それにストライカーはストリートを楽しむ皆さんのためのブランドですから、100〜120km/hまでの法定速度域で効果が体感できる製品作りを意識しました。装着して実走すると、ほどよいダウンフォースが効いて、しっとりとフロントが安定する効果が体感していただけるはずです。他のパーツの存在感を殺さない、目立ちすぎないデザインも意識しての、このカタチでもあります」(同)。
ハヤブサもZ900RSと並ぶ柱へと成長させる
「マフラー、金属&カーボンパーツのラインナップをひと通り済ませた、このハヤブサとZ900RSは今後、ストライカーの軸としてさらに注力していきます。アンテナショップとして機能する、ストライカーワークスでは、Z900RSについては良質な中古車を用意してストライカーのパーツを投入したコンプリートカスタムを提案中ですが、ハヤブサなら新車をベースとしたコンプリートカスタムもできる。ストライカーにないパーツは他社製品を吟味していただきながら、自分だけの1台を作っていただけます。カラーズはメーカーとして、ストライカーワークスはショップとして、お客さまの声に必死に耳をそばだてていますから(笑)、そこで得たアイデアを迅速に製品に反映できる。その身軽さが大手総合パーツメーカーさんと違う、車種を絞って展開する我々の強みと考えています。納期が短いのも、その副産物かな?」(高橋さん)
▲カーボンパーツが派手に見えないバランスでストリートカスタムならではの主張を込める!
話を戻せばカーボンパーツもそうだ。車種を絞り全てのパートをカーボン化するのも現実的ではない中で、ワンポイント・ドレスアップに使うパーツとして、カーボンパーツを意識する。ユーザーの声を聞くという話はウイングレット以外、下に紹介のメーターサイドフラップやサイドカウルガーニッシュもそう。目立つめっきパーツを隠したいというオーナーの意見を拾って製品化したものだ。
「僕はカーボンってポイント的に使う方が映えると思うんですよ。ウイングレットでも言いましたが、他のパーツの主張を妨げないデザインにこだわりたい。見た人が気づく程度に収まるように、製品化の際は気を遣っています」(同)
まだまだ、ユーザーに学び製品化する伸び代はある、という高橋さんとストライカー。次はどんなパーツで“魅せて”くれるだろう。
HAYABUSA向けも潤沢なストライカー定番パーツ!
●STRIKER Sports Touring concept “STC” STEP KIT 6万3800円
’22年〜HAYABUSA用。街乗り、ツーリングから峠などでの使用に合わせ、足の接地面を面で捉え疲労を軽減する、スラッシュカットデザインのステップバーを装備。 0mm/0mm、0mm/10mm、10mm/5mm、15mm/15mm(すべてBACK/UP数値)の4ポジションが選べ、純正クイックシフターにも対応。カラーは銀と黒がある。
●STRIKER アルミビレット フェンダーレスキット 4万2350円
天板とナンバープレートをつなぐ、メインステー部をジュラルミン削り出しとして、高級感あるサイドビューを演出。ナンバー装着角度は保安基準適合の40度。STDウインカーや荷掛フックなども装着でき、LEDナンバー灯とリフレクターも標準装備されたキットだ。カラーは金と黒がある。
●ストライカーワークス オリジナルチタンカスタムグラブバー 7万2600円
こちらはショップ・ストライカーワークスのオリジナルアイテム。熟練の職人がチタンパイプを曲げ加工する、オールハンドメイドの逸品。ひとつずつ焼け色の表情が変わるから、入手すれば自分だけのオリジナルアイテムになり、愛車へのこだわりを主張できる。
●STRIKER INTER MODEL SC FULL EXHAUST OFF-Type B JMCA シングル 34万1000円〜35万7500円
’22年〜HAYABUSA用マフラーでは業界でただひとつ、という車検対応の1本出しチタンフルエキゾースト。4-2-1レイアウトで、その重量は約5.2kg。純正マフラー比で約75%、約−15kgという軽量化ができる。サイレンサー色は写真のチタンブラックのほか、チタンヒートカラー、チタンソリッドから選べる。※サイレンサーには初版限定ステッカーが貼付される。
●G-STRIKER スイングアーム パワーディメンション Type-S(スタビ付き) 27万2800円
`22 Hayabusa〜用に製作されたが、`08〜の2型にも適合。本体は7N01材による異形目の字(トリプルスクエア)断面を採用。パワーディメンションタイプのスタビライザー付き。標準はバフ仕様だが、オプションで半艶ブラック仕上げ(+5万5000円)のオーダーも可。純正キャリパー、サポート使用不可。
MotoGPオマージュのウイングレットにはただのドレスアップパーツに止まらない機能を盛り込んだ
●STRIKER エアロデザイン “SAD”ウイングレット 8万5800円
本文でも話題とした、綾織りドライカーボン製のウイングレット。法定速度内(サーキット走行など法規制外速度での使用は想定していない)でもダウンフォースを体感できる機能性、存在感は出しつつも他のパーツの主張を邪魔しない絶妙の大きさもウリ。装着時には要カウルへの穴あけ/カット加工。
注目アイテムは3型用にデザインしたリヤフェンダーだ!
●STRIKERエアロデザイン“SAD” リアフェンダー/カーボン:5万9400円、黒ゲル:3万8500円
’08年型〜の2型をそのまま流用するのではなく3型用パーツとして開発、ジャストフィットする(ここに紹介する製品はすべてそうだ)、純正スイングアーム対応のリヤフェンダー/チェーン一体型カバー(写真は試作品)。綾織りカーボンと黒ゲルコートをラインナップ。
●STRIKERエアロデザイン“SAD”エアロフロントフェンダー 8万6900円
ストライカー・ブランドでは初となった、ドライカーボンを素材に使用したフロントフェンダー。3型にマッチする仔細なデザインと、ブレーキまわりに風を送るキャリパークーラーダクトをフロントフェンダーに融合したデザイン。
●STRIKERエアロデザイン“SAD”カーボンメーターサイドフラップ 3万1900円
●STRIKERエアロデザイン“SAD”カーボンサイドカウルガーニッシュ/5万4450円
3型ユーザーの、ボディサイドのめっきパーツの印象を落ち着かせたい、という声を聞き製品化したのが、カーボンメーターサイドフラップとカーボンサイドカウルガーニッシュの2品。職人によるハンドメイドで、材料を一枚物から切り出しカーボン目の繋ぎ目のない仕上がり。見ての通り、その印象は大きく変わるドレスアップパーツだ。装着のための両面テープとプライマーも付属。公道向けアイテムで、サーキットなど法規速度外での使用は想定外なので注意。
【協力】カラーズインターナショナル TEL045-949-1345 〒224-0046 神奈川県横浜市都筑区桜並木5-7-2F https://www.striker.co.jp/
※本企画はHeritage&Legends 2024年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
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