ZRXの運動性や能力を高める足まわりパーツに再注目
市販モデルの基本パフォーマンスを高めるのに有効な、足まわりパーツの変更。鍛造ホイール・イグザクトやオリジナルのダイレクトドライブ・レーシングディスク。さらに純正部品を供給するメーカーと共同開発したニッシンブレーキシステムやショーワ(日立Astemo)製サスサスペンションを展開するアドバンテージ。このZRX1200DAEGはそうした足まわりに特化してパーツを装着したものだ。ここでは、ホイールに注目してみた。
アドバンテージ・イグザクトは現在のカスタムシーンで中軸となっている鍛造ホイールで、国内製造というのも特徴だ。現在はマグネシウム合金製10本スポークデザインのイグザクト・レーシング10と、同デザインでアルミ合金製のイグザクトⅡ・レーシング10が主軸となっている。
「鍛造らしい芯の強さと、鍛造という製法、またその後製品化(基本の形状を鍛造で成形した後に切削加工で製品のデザインができる)に合わせて行う肉抜きでの軽量化は特徴で、これらは車両を軽く扱いやすくするのに効きます。このDAEGは割とノーマルに近い車両なので、履き替えた時の効果も分かりやすいと思います。
私たちがイグザクトの開発・販売を始めてもう20年以上経っていて、ふたつのデザイン(12本スポークと10本スポーク)でずっとやっていますけど、じつは内容は細かくアップデートしています。時間が進むにつれてタイヤが進化しますから、それに合わせてホイールもバランス配分を見直したりするんです。国内製造ですからそうした対応もしやすいですし。今はブリヂストンさんと協力しながらデータ取りも行っています。(2024年末現在)ストリートならバトラックスS23は勧めたいですね」とアドバンテージ・中西さん。
大筋としては大きな違いではないけれど、そんなアップデートをしていることは意識してもらっていいかも、とも続けてくれる。ホイール換装時にはホイールそのものに目を向けることは多いけれど、このようにタイヤとのマッチングも考えるという視点は大事かもしれない。そもそもカスタムがメジャーになってきた頃にも「まず使いたいタイヤを選んでから足まわりの仕様を決める」という見方はあった。それを現代流に考えれば中西さんの説明にもうなづけるのだ。
Detailed Description詳細説明
前後ホイールはアドバンテージEXACT RACING10の3.50-17/5.50-17。リヤ6.00-17の設定もある。フロントフォークは純正φ43mmで、ブレーキディスクはアドバンテージ・ダイレクトドライブレーシングに換装し、フロントは写真のDAEG用φ320を装着。ZRX1200R用φ310のラインナップもある。
リヤブレーキディスクもアドバンテージ・ダイレクトドライブレーシングでφ250を使う。スイングアームやブレーキキャリパーはノーマルだ。
スイングアームはノーマルでこれにアドバンテージSHOWA RS-γリヤサスペンション・ダイヤモンドブラックを組み合わせる。DAEG用とZRX1100/1200用があり、ともに純正比±5mmに長さが変えられ、フルアジャスタブル。
エンジンは基本的にノーマルでクラッチをアドバンテージF.C.C.トラクションコントロールキットのうちタイプF=プレッシャープレート、フリクションディスク、プレート、スプリング込みのセットで組んでいる。エンジンオイルはモチュール300Vが推奨される。