ノスタルジックな雰囲気と最新技術を融合!
ゴッドブリンクの最新作となる
ブレードランナーの実力を検証!

パッと見のイメージはノスタルジック。けれど、ゴッドブリンクが約5年をかけて開発したフルフェイスヘルメットの『ブレードランナー』は、’70〜’90年代車や近年のネオクラシックモデルを愛好するライダーを念頭に置きつつ、空力を意識したリヤスタビライザーやベンチレーション、アジャスト式パッドなど、現代ならではの技術を随所に採用した注目の製品なのだ。

約5年の歳月をかけて製作者の思いを具現化した

2016年の創業以来、コストパフォーマンスに優れる多種多様なヘルメットを生み出し、多くのライダーから支持を集めている、godblinc(ゴッドブリンク)。ここで紹介するBlade Runner(ブレードランナー)は、同社の主軸ブランドであるZEALOT(ジーロット)の新作として、今春から市場に投入。筑波サーキットで開催されるテイスト・オブ・ツクバのレーサーを念頭に置きながら、’70〜’90年代車や近年のネオクラシックバイクに似合うことを重視して生まれたモデルだ。

▲▲ゴッドブリンクがZEALOT(ジーロット)ブランドの新アイテムとして発売したブレードランナー。帽体素材はFRPで重量は約1450g、SG/MFJ規格品。サイズはXS、S、M、L、XL、XXLを用意。カラーはソリッドモデルは4色展開で3万4980円、ほかにグラフィックモデル(4色)もありこちらは3万7180円となっている。

そんなブレードランナーは、同社代表の泉地さんの思いを具現化したヘルメットで、開発には約5年もの歳月を要したと言う。

「そもそも当社の全製品は、僕を含めたスタッフがカッコイイ!! 被りたい!! と感じることを前提に開発しているのですが、ブレードランナーへの思い入れは格別で、開発にはかなりの年数がかかりました。シェルの基本デザインは早い段階で決まっていたのですが、その中に現代ならではの技術をどう取り込むかが、このヘルメットでは重要なテーマになったんです」(泉地さん)

そう言われてブレードランナーを観察すると、基本デザインこそノスタルジックながら、空力を意識したリヤスタビライザーやエアインテーク/アウトレット、簡単かつ確実なシールドの固定機構、厚さ調整が可能なセンター/チークパッドなどからは、現代の技術に対する積極性が伝わって来る。

▲ゴッドブリンクの創設者である泉地博由来(いずみち ひろゆき)さんは、オタク? という言葉が似合うほど、新旧のヘルメット事情に精通する。Z1000MkⅡや油冷GSX-R1100など、若い頃から並列4気筒車を主な愛車としてきたが、最近はオフロードの魅力にハマっている模様だ。

それでは実際にこのブレードランナーを被り、走行してみよう。

誰もが最初に感心するのは、その軽さだろう。約1450gという重量は、近年のフルフェイスの基準で考えれば軽い部類に入る。いや、部類などという言葉では収まらいほど、このヘルメットは重量を感じない。おそらくその印象の背景には、内装の絶妙なフィット感や、シンプルで滑らかな帽体ならではの抵抗の少なさ=動きやすさがあるはずだ。

一方でヘルメットの軽さは、場合によっては落ち着きのなさにつながりかねないけれど、高速巡航時のブレードランナーは至って安定しているし、そこから頭を左右に振った際、妙な挙動は一切ない。さらに書けば、さまざまな状況での空力を考慮して開発されているので、どんな状況でも走行風がスムーズに流れ、後方や側方で乱流が発生しないのだ。

また、パッと見の印象より、被ってみるとアイポートが広いことやシールドの歪みがないこと、ベンチレーション効果がしっかり体感できることなども、ブレードランナーで感心すべき要素だろう。

メーカー創設から7年しか経過していないことも含め、ブレードランナーの性能は驚きに値すると言っていい。しかもプライスは、他社の高性能ヘルメットを大幅に下回る3万円台中盤だ。いずれにしても冒頭通り、’70〜’90年代車や近年のネオクラシックバイクを愛用しているライダーに、ブレードランナーはドンピシャ!! と言うべきベストチョイスになるだろう。

 

さまざまな状況でテストを重ねて理想の空力や快適性を実現した!


▲開発初期段階で泉地さんが描いた、ブレードランナーのスケッチ。実際の製品と比較すると、アゴを覆うチンガードの上下幅が厚く、ロアインテークは小さめだ。口元左右のスリットは当初から存在したが、後方のスリットは開発途中で追加したという。


▲シールド前面はあえて丸みを抑えている。この形状を採用することで、走行風がスムーズに流れ、後方の乱流が解消できたという。頭頂部のベンチレーションは左右2カ所で、微開と全開の2段階の調整が可能。後部にある大型アウトレットも含めて、操作性はいずれも良好だった。


▲上も泉地さんが描いたスケッチ。後方にはスタビライザーが備わるが、ノスタルジックなイメージを重視して存在感は控えめだ。市販化された現状のサイズでも十分な整流効果は得られると言う。側面にはリアスタビライザーにつながるリブを長めに設置して強度を確保している。


▲吸湿・速乾性を重視したポリエチレン素材の内装は、優しくて滑らかな肌触りを実現する。チーク/センターパッドはオプションとして異なる厚さを準備している。標準装備のチンスポイラーは、静粛性と整流を意識して形状を決定したという。


▲ブレスガードも標準装備。ロアインテークからの導風はシールドの曇り防止に貢献するもの。脱着が容易なシールドは4段階調整式で、下部にロック機能も付いている。

 

【協力】ゴッドブリンク TEL0561-74-7067 〒470-0136愛知県日進市竹の山1丁目618-4 https://www.godblinc.com/

※本企画はHeritage&Legends 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。