作り手の知識やノウハウがルックスにもにじみ出る
ノーマルの持つ角型デザインによるシャープな印象、同じく角型カムカバーなどによる重厚な感じを備えながら、まさに現代流と言えるスマートさも持ち合わせたマークII。ブルドックによるコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)の1台だ。まずはエンジンスペックから同店・和久井さんに教えてもらおう。
「ピスタルレーシング製φ76mm鍛造ピストンで1200cc仕様にしています。カムシャフトはヨシムラST-1L。ミッションは当店オリジナルのクロスが入っていて、この車両では5速を選んでいます」と、ほぼいつも通り。言い換えれば安定・安心のメニューだ。
車体まわりもクランクシャフトを基準に取った各部位置関係の構築や、前後17インチホイール化への最適ディメンション化などが行われる。ラヴォランテ・レジェンダホイールなどで作られる足まわりも自然に、元からそうだったのではと思えるほどのなじみの良さが感じられる。その理由は何だろう。
「ひとつは色使いです。以前もお話しましたが、ハードパーツでも色を揃えて外装とも合わせていく。
もうひとつは、正しい車両姿勢です。車両各部の数値が適正値に入っていれば、全体として見た目にも違和感がなく、きれいに見えるはずです。もしそれが適正でなければ、そうならない。ホイールサイズだけ変えるとかテールアップだけをしている、車高だけを変えているというような場合、それによるアンバランス感が見た目でもどこかに出てしまう。
元々フロント19インチ、リヤ18インチでフォークオフセットが60mmというバイクのZを前後17インチで作るには、それに適した数値があるんです。ですから作り手が正しい知識や、サスほかの寸法などのノウハウを持った上で手がけないと、出来た車両の見た目もやっぱりずれてしまいます」
そう考えると、これまで見てきたGT-M各車がその両方をしっかり満たしていることにも気づく。これからカスタム車を見る際には、そんな製作背景も気にしたい。この車両のしっかりした見栄えは、そんなことも思わせてくれた。
Detailed Description詳細説明
シンプルな印象のメーターは純正でヨシムラ・デジタルマルチメーターとPROTECギヤインジケーターを追加。クラッチは油圧駆動化し、左右マスターシリンダーはブレンボRCSを使う。カーボンボディのミラーはマジカルレーシング・NK-1ミラーでタイプ1ヘッドを装着。ステムは17インチに適したマッコイのブラックだ。
シートは乗り心地が良く、確かなホールド感によって操作感も高めてくれるマッコイ・スプリームで、ここではMccoyロゴを赤刺繍でアクセントとする。
空冷DOHC2バルブの直4エンジンはピスタルレーシング製φ76mm鍛造ピストンで1200ccの排気量を得る。カムシャフトはヨシムラST-1L、ミッションはマッコイ5速クロスを組む。内燃機加工はブルドックでカバー類もマッコイ。オイルクーラーも追加される。ステップもマッコイのブラックをチョイスした。
キャブレターはFCRφ35mmをショートファンネル仕様で装着。マッコイ・アルミ燃料タンクからの燃料はピンゲル製コックを経て供給される。
フロントフォークはオーリンズRWU(φ[STD:36→]43mm)のブラックでカーボンフェンダーはマッコイ。フロントブレーキはブレンボ484カフェレーサー・キャリパー+マッコイ×サンスターコラボφ320mmディスクの組み合わせで精悍さも高めている。
リヤブレーキはブレンボCNC 2Pキャリパー+マッコイ×サンスターディスク。排気系はフルチタンで内部4-2-1のWin Mccoy NEOフルエキゾーストでサイレンサーもWin Mccoy Neo(ショート/ブラック)だ。
スイングアームは7N01目の字断面材製のマッコイでオーリンズブラックラインを組み合わせる。カーボンインナーフェンダーもマッコイで、ドライブチェーンはRK520XXW。ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテ・レジェンダで3.50-17/6.00-17サイズを選択。