ZRXシリーズでまず手を入れたい内容を満たす
ひと口にネイキッドと言っても、そこにはさまざまなスタイルがある。海外ではスーパースポーツからカウルを外したストリートファイターが筆頭に挙げられる。日本では、自然なポジションにダブルシート、丸型ヘッドライトのスタンダードモデルがすぐ想像される。Zをはじめとしたかつてのフラッグシップが脈々と築いてきたスタイル。使い勝手も良く、さまざまなカスタムを受け入れる。ZRXシリーズはそうした路線をきっちり踏襲してきたネイキッドだった。
そこでこのZRX1200Sだが、ZRXシリーズを多く手がけてきたしゃぼん玉による車両だ。オーナー・澤田さんはしゃぼん玉の18インチコンプリートGSX1100Sカタナを所有していたのだが、17インチホイール&水冷エンジンの走りを楽しみたいと、別のお客さんからこの車両を入手した。素性は良かったのことで、そこにしゃぼん玉でZRXにまず手を入れたいというメニューを施した。
しゃぼん玉・マネージャーの滝川さんはそのメニューをこう言う。
「車両はハーフカウル仕様のZRX1200Sですが、手を入れる内容はZRX1200Rと同じと考えて問題ありません。キャブレターにマフラーといった吸排気系にブレーキ、サスペンション、操作系。この状態から今後さらに手が入る構想も既にあるんですけど、まずこれだけやってあれば十分楽しめますし、今後何か換える時にも、今付いているものが生きます」
めっきシリンダーのエンジンは定期的なオイル交換や冷却系チェックで状態良く保ち、吸排気系でレスポンスを高めて軽量化も図る。足まわりはセッティングによってオーナーの使い方に合わせられる。同店ではストリートにはハイパープロで疲れにくさを重視し、走行会ならオーリンズ等、方向性にも合わせたセレクトも行う。先の言葉にあった「今後何か換える時にも今付いているものが生きる」は、例えばホイールを換えようとした際にもフロントフォークやブレーキまわりが合わなくなってしまうようなことのないようなセレクトが既にされているということ。せっかく選ぶのだから、何かを換える時に付かなくなる、外すものを避ける。これもユーザー本位の姿勢だ。
「ZRXのオーナーさんもまだたくさんいます。長く乗ろうとか、これから乗りたいという方にも、それぞれに合うアドバイスはできると思います。ネイキッドのことならしゃぼん玉にお任せください」
ネイキッドだからすべてがルックスにも関わる。それも満たし、機能も満たしてバランスする。この車両のように、現状の確認ということもできるし、今後の展望も立てられる。気になる仕様やパーツがあれば、同店へ相談するのは間違いがない。
Detailed Description詳細説明
外装類は良好な状態のノーマルでメーターもノーマル。ミラーはマジカルレーシング・NK-1ミラーのタイプ1ヘッドに換装、左右マスターはかつてしゃぼん玉で扱っていたIRC(イタリアンレーシングコンポーネンツ)ラジアルポンプを暫定的に装着。性能は不足もなく、例えばブレーキのオーバーホールタイミングでゲイルスピードやブレンボに換えてもいい。そうしたアップデートのタイミングも同店で考慮してくれる。
1164ccの排気量ほかめっきシリンダーのエンジンは内部ノーマル。外観や冷却系も含めて状態は良好に保たれ、スライダーのみ追加。鋼管ダブルクレードルのフレームもノーマルだが、きれいな状態にされている。ここからのチューニングにも自在に対応できる。
キャブレターはFCRφ41mm。マフラーはしゃぼん玉ストリートスペシャルエキゾースト・ウエルドチタンを撮影用に装着。
フロントフォークはハイパープロAH1で、削り出しのボトムピースがカスタム感も演出。内部はスクーデリアオクムラでセットアップ。フロントブレーキはブレンボ P4 30/34 40mmキャリパーにしゃぼん玉×サンスター・ワークスエキスパンドディスク(φ320×t5.5mm)だ。
リヤブレーキは2ピストンのキャリパー、ディスクともZRX1200S純正で、ホース/バンジョーをアクティブ・ACパフォーマンスラインにしている。
スイングアームはZRX1200R/Sノーマルのリブ入りD字断面アルミ材トラス、リヤショックはスクーデリアオクムラ仕様のペンスキー8983モデル。ステップキットはナイトロレーシングのZRX1100/1200用。中空3本スポークの3.50-17/5.50-17サイズホイールはZRX1200R/S純正だ。