取り付け精度やセット見直しでパーツ本来の性能を発揮
このゼファー750はカスタムが進んだ状態でメローズと偶然の出来事で出会い、付き合いが始まったという車両。メローズ・中川さんはその経緯をこう教えてくれる。
「他店でFCRキャブレターを装着されて初めてのツーリングだったそうです。それが“ツーリング先で動かない”と。オーナーさんは当店のお客様のツーリング仲間でしたので連絡をいただいて、レスキューに向かったんです。
私は初めて見る車両でしたし、なぜ止まったかも分かりませんから、車両を引き上げて各部のチェックから作業を始めました。その時点で前後サスもホイールもブレーキもと各所にカスタムの手は入っていました。ステアリングステムもショートオフセットタイプが付いていましたが、ステムナットは手で回せるくらい緩かった。そんな様子でしたから、すべてがちゃんと付いているかも分からない。最初の試乗も怖かったですね。
見ていった結果、いいパーツは付いているんですけど、どうもただ付いているだけと分かりましたので、ボルトの緩め/締めから始めて、最終的にすべてをいったん外して正しく付けることを心がけました」
この再取り付け作業をきっちりと行うことによって各パーツは本来の機能を発揮し、走りもぐっと良くなった。ゼファーに限らないが、各パーツはただ付けるだけでなく、正しく取り付けられ、必要なセットアップを行ってこそ能力を発揮する。そんな基本を思い起こさせてくれるエピソードとなった。これをきっかけにオーナーは中川さんを頼り、以後高回転も楽しみたいとキャブレタースピゴットのショート化等の追加カスタムも依頼していく。
なおこの車両、撮影時点で既にドレミコレクション製外装セットもオーダーされていて、今後その装着を予定。ほかにもエンジンのスープアップやそれに合わせたフレーム塗装/補強も視野に入れているとのこと。今度は最初からメローズで作業を行うから、安心して任せられるし、仕上がりも確実。それらが施された姿も、また見てみたい。
Detailed Description詳細説明
フロントマスターはブレンボCORSA CORTA、クラッチホルダーはコーケン。ステムはメーカー不明のショートオフセットタイプを装着する。
メーターはノーマルでGiProシフトインジケーターとヨシムラ・プログレスメーターを追加。タンクキャップ部にマウントキットをワンオフしてマトリス製ステアリングダンパーもセットする。こうした加工はメローズの得意分野。同店ではマトリス製品も扱う。
シートはタックロールタイプに加工、サイドカバーにはドレミコレクション製を装着している。今後、外装はすべてドレミ製になる予定という。
738ccの空冷DOHC2バルブ並列4気筒エンジンは現状でノーマルスペックで、今後手を入れる構想がある。オイルクーラーはアクティブラウンドタイプを装着している。点火はASウオタニフルパワーキットでレギュレーターもMOSFETに変更し、トータルの安心感も高める。
キャブレターはFCRφ35mmブラックエディションを継続、メローズではショートスピゴットを加えて高回転寄りの特性に振った。
フロントフォークはオーリンズRWUでφ[41→]43mmに大径化。フロントブレーキはブレンボレーシングキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。
リヤショックはオーリンズで80×40mm目の字断面アルミ材製スイングアームはOVER・TYPE-9。ステップはストライカーでホイールはMAGTAN JB4で[STD:3.00-17/4.00-17→]3.50-17/5.50-17サイズ。車体各部のパーツは再構築と言える配慮で、改めて取り付け直されている。
リヤブレーキはKEINZ製サポートでブレンボCNCキャリパーをマウントしサンスター・ワークスエキスパンドディスクと組み合わせる。