ひと言でCB1000Rカスタムと片付けられない幅広い出展車群
2019年は“世界初のスーパーバイク”とホンダが位置づける直4ナナハン、ホンダCB750Fourの登場から50年が経った年。そんな背景から欧州ホンダは、フランスで8回目を迎えたショー“ホイール&ウエーブス”に現行CB群を出展、同時にヨーロッパ全域の有力ディーラー&ビルダーによる12台のCB1000Rカスタムを並べた。今回はその紹介の後編。
次作CBあるいはCBRのヒントも埋もれているかも?
今回の展示に幅広いジャンル・バリエーションがあるのは、今のバイク界のトレンドがまずネオレトロにあって、スクランブラーに代表されるオンオフミックスや、そこから想起されるダートやオールディーズの自由な走りの香りに人気があるから、というのがひとつの理由だろう。
そして、出展する側、ここではホンダがユーザー嗜好を掴みに行くため。それもあるだろう。CBRのモデルチェンジなのか、CB1100の後継モデルなのかは置くとしても、いずれ出てくるだろうニューCBへのヒントが、あえて込められていると我々受け取ってもおかしくはない。
そんな裏読み的な視点から外れれば、単純にホンダが4発CBを展開してきた50年の間に積み上げた歴史を、それぞれの製作者が自由に取り入れた。それでいいのかもしれない。今あるCBにどんなことをしてみようか? 自分だったらこうする! というイメージが出来れば十分というわけだ。当欄前編も含め、ここに紹介の12台は、かなりいい。
Detailed Description詳細説明
CB1000R Monkey 1000R
モンキーイメージの別バージョン?!
1967年登場(Z50M)だからCB750Fourにほぼ同期のモンキー。その最新125cc版をモチーフにしたのが、ここに紹介の2台だ。上のイエロー車はスペインのディーラー、マッローカモトスによる『モンキーコング』。カラーをモンキーのイエローに合わせハンドルを上げアフリカツインのサイレンサーをアップで装着、ミラーやフェンダーをモンキーにして猿の親玉的“コング”を命名した。下のモンキー1000Rはブルー仕立てでタイヤがブロックパターン。製作はフランス・ニースのワーテルホンダが担当した。
The Cafe Chic CB1000R
リアルカフェからのインスピレーション
フランスのホライゾンレーシングベルギー95による、『ザ・カフェシCB1000R』はパリの同名カフェに触発された1台だ。ヘアライン仕上げの上に磨き上げたアルミタンクと、アルミメーターバイザーにはイチゴソースを思わせるキャンディレッドラインが入り、シートは上質なカフェのソファを思わせるレザー製。エキゾーストパイプも耐熱ペイント仕上げされる。
CB1000R Tribute
“ナナハンフォア”50周年を祝うゴールドカラー
ある意味ストレートなイメージ表現と取れるのが、このホンダ・イタリア製CB1000R『トリビュート』。タンク上に置かれた「1969-2019 750Four 50th ANNIVERSARY」の文字の通りにCB750の50周年を記念するというもので、その初代=K0のゴールドをペイント。ホイールもK0を彷彿させるワイヤスポーク(この車両ではJonich製チューブレス)とし、rizoma製ミラーをセット。シートはアッパーをアルカンターラ表皮として上質感も演出した。
CB1000R Neo Sports Cafe
Endurance Team Replica
2006年ル・マン24時間優勝CBRのカラーを施す
フランスのナショナルモトスによるCB1000Rネオスポーツカフェ・エンデュランスレプリカは、2006年のル・マン24時間耐久レースで優勝した#55CBR1000RRの青×黄色をそのまま施したもの。ワイヤスポークのホイールやArrow製スリップオンマフラーは、カスタム的な作りのひとつで、注目したいのはタンクに貼った'80~'90年代のホンダ・ウイングエンブレムだろう。
The Africa Four CRF1000R
アフリカツインの4気筒バージョン?!
スイスのディーラー、ブリヴェーモモータースの『アフリカフォアcrf1000R』。その名の通り、アフリカツインにCB1000Rを融合したスーパーアドベンチャーで、フロントフォークまわりはCRF450L、シートはライダー側を生かしつつ、リヤ側を新作。ヘッドライトや4-1エキゾースト等はオリジナルの新作品という。こんな市販車があるのでは? と思わせる作りでもある。
CB1000R Dani Pedrosa replica
MotoGP #26ペドロサ車のペイントを直4CBに!
『CB1000Rダニ・ペドロサレプリカ』は、イタリアのモト・マッキオンによるモデル。2018年までMotoGPレプソルホンダチームに在籍した“小さな巨人”ペドロサのRC213Vをイメージしたカラーリングを施し、チタン製のフルエキゾーストはSCプロジェクトによるワンオフ。これもRC213Vに似せて下右/テールカウルの2カ所出しとしている。前後サスペンションはオーリンズ、各部カバー/フェンダーはカーボン製で、シートは#26を立体表現しているのだ。