現代車も乗るオーナーが尊重する、コンプリートの作り込み
純正パターンのホワイト&ゴールドストライプをそのままに、ベースカラーを鮮やかで深みのあるメタリックブルーにした角タンクのZ。サイドカバーエンブレムからも分かるように、Z750FXがベースだ。Z2〜Z750のハードはほぼそのままに、シリンダーヘッドカバーも含めた外観を角型化した、いわゆるFX-1だ。
そうして前後17インチホイール化をはじめとした現代的でかつスマートな仕立ては、ブルドックが手がけるコンプリートカスタム車、GT-M(Genuine Tuning Machine)によるもの。そうくれば気になるのはエンジンの仕様だろう。ブルドック・和久井さんに聞いた。
「Z1000J系のクランクとシリンダー、シリンダーヘッドを使っています。ヘッドはツインプラグ仕様でオイルバイパスラインも追加、カムはヨシムラST-2。φ77mmのマッコイ×ピスタルレーシング鍛造ピストンで排気量は1230ccにして、ミッションは当社オリジナルの6速クロス。TSSスリッパークラッチも組んでいます」
もちろんいつも通りに内燃機加工は自社内、車体もフレーム加工ほか、17インチホイール向け最適化やエンジンとのマッチングもきっちり行う。
ところでこの車両のオーナーは、同じカワサキ4気筒の現代水冷ネイキッド、ZRXも所有していて、このFXと乗り換えしながら楽しんでいるという。どちらも面白いバイクであることは明確。その上で、意外とも思える感想も……。
「このFXの方がしっかり手が入っていて軽いし、しかも静かだって言ってくださるんです。ZRXはうるさいって言うくらいに違うようです」
確かにブルドックのZ用クロスミッションも開発時に振動対策にも細心の注意を払い、静かでスムーズなものに仕上がったと聞いたことがある。シフトまわりなど他のエンジン内部も同様で、スムーズに回る、つまりスムーズで滑らかにパワー/トルクを引き出す構成。つまり、静かなのはある意味当然と言える。同じオーナーが同じ構成のバイクで比較して分かるこんな点も、注目というわけだ。
Detailed Description詳細説明
アルミ削り出しのマッコイ正立φ43mm用ステムキットを使い、左右マスターシリンダーはゲイルスピード・エラボレートVRE。ミラーはマジカルレーシングNK-1・タイプ1ヘッド。メーターは純正ケースベースでエンジン回転計をSTACK ST-200にし、ヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加する。
シートは快適なポジションでコントロール性も向上させるMccoyスプリームシートを装着。燃料タンクはマッコイ・アルミで軽量化した。
ステップキットには後ろ過ぎず快適性も持たせたマッコイ・バックステップ(TYPEⅡ)を選択。マフラーとマスターシリンダーの干渉もない。
エンジンはマッコイ×ピスタルレーシングφ77mm鍛造ピストンによる1230cc仕様で、シリンダーヘッドやシリンダー、クランクはZ1000J系を使う。シリンダーヘッドにはツインプラグ加工やオイルバイパス追加を行った上でヨシムラST-2カムシャフトを組み、ミッションはマッコイ・クロスミッション(Z用)の6速。これらによって静かなエンジンに仕上がる。TSSスリッパークラッチも組まれている。
キャブレターはヨシムラTMR-MJNφ40mmでDNAエアフィルター仕様。トップキャップとドレンボルトは赤仕上げとしている。
排気系はフルチタンで内部4-2-1のWin Mccoy Neoフルエキゾースト。サイレンサーにはのグラデーション/シルバーエンドを装着。
フロントフォークはナイトロンφ43mmで、フロントブレーキはブレンボGP4 RXキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングφ320mmディスクの組み合わせ。インナーディスクも車体色に合わせたブルー仕上げで、フローティングピンはMccoyロゴ入りとしている。
リヤブレーキの方はブレンボ・CNCキャリパーP2 34 ニッケルコート+サンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせを使う。
スイングアームは7N01目の字アルミ材によるマッコイで、リヤショックはナイトロン・ステルスマッコイSPのブラック。前後ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテ・レジェンダで3.50-17/6.00-17サイズを履く。前後アクスルシャフトやボルトはベータチタニウムの64チタンだ。