オーダー内容も細かく配慮してバランスする
空冷Z純正のタイガーパターンをきっちり施す一方で、そのベースカラーにメタリックオレンジを使って、軽快感と深みを外観からも印象づける車両。ブルドックのコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)による1台だ。
「エンジンの仕様は排気量がいわゆる1170cc、ピスタルレーシングの鍛造ピストンを使っています。ミッションは当社オリジナルの5速クロスでTSSスリッパークラッチも入っています。ダイナモキットもマッコイ。ひと通りの手が入れてありますよ」
ブルドック・和久井さんはエンジン内容をこう教えてくれる。それがまるで今の新型車の内容を書いているような錯覚に陥るくらいに現代的な点に、まず注目。そしていつもブルドックの車両を紹介する際に言うように、このひと通りが、空冷Zの維持や性能向上に有効なもののほぼフルメニューとなっている点にも注目だ。
自社内での内燃機加工も含めて、全体をパッケージとして作り込めるのも、安心の材料となる。しかも、オーダーの内容やオーナーの好みによって排気量やその他の仕様も柔軟に変えて、作ることができる。もちろんカバー類や、色味や塗装といったその仕上げも含めてだ。納車後に補修が必要な場合にも、そうしたパーツ群(特別なパーツではあっても、特殊や希少というものではない)と作業のバックアップがあるという安心も、そこには含まれる。車体側も同様で、クランクシャフトを基準にした各部の位置設定を元に、現代17インチに必要なディメンションを作る。足まわりも、そのディメンションや大幅に軽量化された車体ときちんとバランスされる。
そうした一貫した作り込みの上に、冒頭のように外装のカラーリングや、ハンドルはじめ細かな使用パーツに至るまで、個々のオーナーの好みも反映する。だからどの車両も長く乗られる。
見ている側も、もっと細かく見ていきたくなる。そんな気持ちが湧き上がってくるのは、そんなGT-Mの背景からなのかもしれない。
Detailed Description詳細説明
左右マスターシリンダーはブレンボRCSでミラーはマジカルレーシングNK-1ミラー・TYPE-6ヘッド。ウインカーは小型タイプを選択した。
ステムはMccoyでメーターにはヨシムラ・プログレスメーターを追加。スロットルワイヤやクラッチケーブルも含め配線は整然でシンプルだ。
シートは乗り心地に優れ操作性も高めるMccoyスプリーム。外装はメタリックオレンジをベースにタイガーパターンで塗装している。
ヘッドカバーは赤の結晶塗装仕上げ。オイルクーラーも追加、キャブレターはヨシムラFCR-MJNでトップカバーを黒の結晶仕上げとした。
エンジンはピスタルレーシングφ75mm(ノーマルは66mm)鍛造ピストンによって1166cc化。Mccoy5速クロスミッションや大容量のダイナモ/ワンウェイクラッチキット、TSSスリッパークラッチなども組み込まれ、安心感も大幅に高めている。カバー類もMccoyとなる。
フロントフォークはオーリンズRWU、フロントブレーキはブレンボ・ビレットラジアルキャリパー+サンスターディスクでピンはMccoy。
リヤブレーキもブレンボCNCキャリパー+サンスターディスク(ピンはMccoy)。排気系はフルチタンのウィンマッコイフルエキゾーストだ。
リヤショックもオーリンズで、スイングアームは7N01アルミ5角目の字断面材製のMccoy。ホイールはマルケジーニ・アルミ鍛造のM7RSでサイズは3.50-17/6.00-17インチ、タイヤはブリヂストンRS10で120/70ZR17・190/50ZR17を履く。リヤインナーフェンダーはカーボンだ。